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「よき出会いとめぐりあうために」〜1年の出会いに感謝〜

2002年12月30日

この一年の様々な出会いに、心から感謝したいと思います。毎度のことですが、今年もまた、出会いに支えられた一年だったと思います。支えられることの不思議さを思うとき、そのありがたさに思いがつのります。

出会いにはいろいろありますが、頑張ってアプローチしてつくりだすケースと、ふとした紹介などでつくられるケースとがあるように思います。

フンボルトというドイツの哲学者は、こんなことを言っているそうです。

「幸福な出会いはたいてい人に呼ばれずにやってくるものであり、押しのければ押しのけるほど、いよいよやってくるものなのです」

幸福な出会いというものは、自然におとずれるものだ・・・と。

よく「仕事に欠かせない人脈作り」などという言われ方をしますが、テイクを求めるためだけの露骨な人脈構築という考え方は、私はあまり好きではありません。仕事の少ない創業当初は人脈づくりに力を注ぎましたが、実は内容の薄い単なる名刺交換会の類は苦手です。

フンボルトの言葉は、出会いについていろいろ考えさせてくれます。幸福な出会いは自然とおとずれるもので、しかもそれは、無理やり勝手に入り込んでくるものだ、とまで言っています。

「無理やり人脈をつくろうとしてつくった人脈は、幸福な出会いには、なりにくい」ということなのでしょう。「つくろうと思わなくてもできてしまうような人脈」こそが大事なのかもしれません。

では、それを実行するには、どうすれば良いのでしょう。ただ何もせずに待っているだけでは、いつまでも出会いはおとずれない気がします。

私の知人で、これを実現させた例があります。

会社を設立して間もない頃の話だそうです。壮大で緻密に練り上げられた自信たっぷりの事業プランはあるものの、資金繰りがつかずにうまく展開できずにいました。

あるとき、出張で新幹線に乗っていたとき、隣にアジア系の紳士が乗っていました。彼は中国語の能力をもっていたので、会話を試みたところ、その方は会社の経営者らしいということがわかりました。

そこで、余談めいた感じで、自分の描いている事業構想を話してみたのです。すると相手はもっと教えてくれと興味をもって聞いてきます。事前準備をしているわけではないので、可能な限りの詳細を説明し、新幹線は目的地に着き別れました。

ふと何気なく話しかけたその相手は、実はアジアで著名な大会社の会長さんだったのです。この中国語の即興のプレゼンが効いて、なんとエンジェルになってくれます。そうして事業は急展開。いまでは株式公開を目指して急成長中の会社になっています。

出会いをつくろう、人脈をつくろうというと、小手先のテクニックに走りがちです。たしかに、人との出会いは思わぬ好展開をもたらすことがありますから、それも大事かもしれません。

しかし、この実話を見るまでもなく、出会いには事前準備の許されないケースも多くあるはずです。

このことと、「幸福な出会いは自然とおとずれるものだ」という考え方を重ねあわせてみると、なんとなくどうすればよいかがわかりそうです。

それは、日頃の継続的で習慣的な、いわば全人格的な鍛錬が必要になるということなのではないでしょうか。小手先のテクニックではなく、事前準備のきかない「自分のありのままの状態」を鍛えるということです。

また、出会いを、より良い出会いへと質の発展をさせていくためには、やはりこれも、いかに自分を鍛えているかにかかっていると思います。

「ギブ・アンド・テイク」を考えたときに、相手から受ける「テイク」よりも、はるかに大きな「ギブ」を提供できるだけの能力と魅力を、常にもっていないといけないということです。

そういう意味では、必要かつ有用な人脈は、意外と既に出会っているのかもしれません。自分の能力と魅力のうち、ある部分で欠けているところがあって、それゆえに、よき出会いをよき出会いにできずにいるという機会損失もあるのだと思います。

ここでフンボルトの言葉を再度思い起こしてみると、こんなことも言えそうです。

・今の自分のレベルにあった人脈は、自然と吸い寄せられてくるはずだ。
・だからこそ、自分の価値、能力や魅力を高めていこう。

ということです。

この一年、いろいろな出会いや出来事を通じ、いかに学びが足りないかを痛感しました。逆に言えば、とても勉強になることが多くありました。

来年は、いろいろな点で自分を鍛えていって、

・良い出会いを招くこと(=できるだけギブできるようになること)
・出会いが来たら、それをより良いものに発展させていくこと
・出会いを通じて得たものは、できるかぎり多方面にお返しすること

に努めたいと思っています。

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