サラリーマンが会社を買う方法|会社を売りたい5つの意図を探ろう!

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「小さな会社を買う」ということが話題になっています。数百万円という金額でも会社を買うことができる。ならばサラリーマンや一般個人でも「会社を買う」ということができると。その可能性を示して大きな反響を読んだ本が「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」です。

同書の書評ブログ記事にも書いた通り、私自身、2つの事業を買収した経験があります。また実際に、小さなビジネスを買うということのメリットも感じています。ゼロからイチを生み出す「起業」「創業」と比べても、さまざまなメリットがあります(もちろんデメリットもあります)。

小さな会社を買う6つのメリット|2つの事業を買収した経験から
いま「個人で会社を買う」という手法に注目が集まっています。今まで「会社を買う」というと・・・「M&A」とか「買収」という言葉からイメージされ...

でも、会社を売りたい「売り主」の側には、「売りたい」と考えるだけの理由と背景があることも事実。そこをしっかり見ないことには失敗します。今回は「会社を売りたい売主の意図を探ろう」と題して、5つの背景をまとめたいと思います。




会社を売りたいと考える5つの意図

会社を分析する M&A

売主には会社を売りたいと考えるだけの意図と背景があります。売主は、会社のオーナーや経営者です。自分の会社です。多かれ少なかれ、それなりの思い入れがあるもの。自分で創業した会社であれば、自分自身で立ち上げたかもしれませんが、多くの方々の協力もあったはず。

立ち上げる過程では、幾多の努力をされたことでしょう。紆余曲折があったり、大変な時期を助けてくれた人もあったり。良いスタッフとの出会いもあったでしょうし、大変なこともあったかもしれない。いずれにしても、人生を賭けて育ててきた作品。それを「売る」と決断するということは、それなりに重たい背景があるということです。

会社を売りたいと考える5つの意図には様々なケースが考えられますが、今回は大きく分けて5つのパターンをご紹介します。

(1)事業承継:後継者を確保したい
(2)選択と集中:本業に集中したい
(3)提携と拡大:大手企業の傘下で拡大したい
(4)再チャレンジ:また新たな事業で起業したい
(5)事業の存続:リスクを考え救済してほしい

(1)事業承継:後継者を確保したい

まずは後継者の問題。事業を継いでくれる人がいないという場合、従来は「廃業する」という選択がとられることもありました。実際に統計を見ても、日本の中小企業の経営者の高齢化と事業承継の問題は深刻です。

日本の企業の3社に1社、127万社が2025年に廃業危機を迎えるという、実に衝撃的なシナリオが存在するということは、以前のブログでもご紹介しました。

廃業予備軍127万社の衝撃|中小企業の事業継承と後継者問題の処方箋
「6割以上の経営者が70歳を越え、半数の企業で後継者不在」 こんな衝撃的な内容を取り扱っているのが、『週刊ダイヤモンド』1月27日号の...

・息子に継がせたいけど、息子が嫌がっている。継いでくれない
・息子に継がせたいけど、息子の能力では会社が存続できない。
・息子がダメだから社員に継いでほしいけど、みんな手を上げてくれない

さまざまなパターンがあります。後継者が不在という中で、事業を存続させたい、従業員を路頭に迷わせたくない・・・いろいろな思いの中で、M&Aを選択されるという方向ですね。「後継者を探す」という目的だけでなく、「意欲ある若者に事業を預けたい」と考える高齢な経営者も今後は増えていくはずです。詳しくはこちらをどうぞ。

小さな会社を買う|ブームではなく時代の転換!その3つの構造的背景
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(2)選択と集中:本業に集中したい

続いては「本業に集中したい」から、本業でない事業を売却したいというパターン。かつて私自身が譲り受けた事業のパターンはこれでした。「利益が出ている事業なのに、なぜ売りたいのですか?」という私からの質問に対し、「本業に集中したいので、本業以外の事業を整理することにしました」という回答が返ってきました

この「選択と集中」には2つのパターンがあります。

(1)本業の成長が厳しくなってきたから、本業に集中したい
(2)本業の成長が著しく、さらに集中することで成長を加速させたい

もし売主が「本業に集中したい」という場合、このどちらのパターンなのかをみきわめることは重要です。一方で、「新たな事業の柱をつくるため、M&Aによる買収で、新たな分野に進出したい」と考える企業も増えていくでしょう。

(3)提携と拡大:大手企業の傘下で拡大したい

大きな企業と組むことで成長を加速させたい。そう考える企業もあります。今回のブログでは「個人が小さな会社を買う」(買い手は大企業ではない)ということを想定しているので、詳述はしません。

中小企業庁が毎年5月に発表する「中小企業白書」の2018年バージョンを見ると、「」という図が掲載されています。経営者が高齢な企業ほど「事業の承継」を目的とする割合が高い一方で、経営者が40歳代以下の場合は、「事業の成長・発展」を目的とする割合が他の年代よりも高くなっています。

中小企業白書2018

私自身も、かつて日本で経営していた会社について「大手企業の傘下に入って成長加速を」という選択肢を真剣に検討したことがあります。いくつかの会社さんから「ぜひ一緒になりませんか?」というお誘いをいただいたことが検討のきっかけでしたが、成長加速のために可能性が広がりそうだという実感を得たことも事実です。

また、ベンチャーエンタープライズセンターの「ベンチャー白書 2017」によれば、ベンチャー投資先の投資出口として、M & A の件数が増えつつあることがわかります。「シナジーの出る企業と組むことで、さらなる拡大を」という選択が増えてきていることが透けて見える結果となっています。
(この場合、厳密には売り手=VCなので、異なる背景もあるわけですが)

中小企業白書2018

(4)再チャレンジ:また新たな事業で起業したい

これは日本では近年になってから出てきた選択肢だと思いますが、「また新たな事業でチャレンジしたくなったから」というもの。現在の事業に加えて、次なる事業として取り組むのではなく、もし今の事業を売却できるのであれば、それを資金源にして、ゼロから新たな事業をスタートしたいというパターン。

レアケースかもしれませんが、心の中でそういう願いをもっている経営者には何人もお目にかかったことがあります。「叶わぬ夢かもしれないけれど」「なかなか難しいけど・・・」という感じで。

でも「会社が大きくなってきて、十を百にするステージに入った。でも僕が好きなのはゼロからイチを生み出すゼロイチのステージ。できることなら、またゼロからチャレンジしたいな・・・」という、根っからの起業家タイプですね。

一方で、今後は個人の「副業」が広がり、個人でいくつもの稼ぎ柱をもつ「複業」という状態になる人も出てくるでしょう。そうすると、個人で手がけるいくつかの副業のうち、「売れるなら売却したい」と考えるケースが出てきてもおかしくないはず・・・と私は考えています。

「複業」の広がりに応じて、個人からの「事業売却」の需要も出てくるかなと。詳しくはこちらをどうぞ。

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(5)事業の存続:リスクを考え救済してほしい

これはある意味でネガティブなパターンとも言えます。事業の存続が難しそう。誰かの手助けがほしい。だから売れるものなら売却したい・・・というケース。

もし売れないなら廃業する。けれども、まだ一抹の可能性は残っている。能力のある人が継いでくれたら、事業の存続もできるのではないか。また一方で、売却することができれば、自分自身が苦境から脱することができると。

前述の「(3)提携と拡大:大手企業の傘下で拡大したい」は、「それによって成長加速したい」というポジティブな意味合いがありますが、「(5)事業の存続:リスクを考え救済してほしい」の場合はネガティブな意味合いをもちますね。

「会社を買う」という時は、本当に買うべき会社かどうか、買っても大丈夫な会社かどうか、真剣に検討をしなければいけません。それは、安易に買収した結果、ふたをあけてみるとこんな悪材料が見つかった!では、出直しができなくなるからです。(5)のようなパターンもあることをしっかりと認識しておく必要があるます。

もちろん(5)が悪いというわけではありません。実際に業績不振企業を買って、テコ入れすることで再生に成功するパターンもあります。ただしそれは「百戦錬磨の経営能力があってこそ」と言っておきたいと思います。

売る側にも大きな不安があることを知っておこう

というわけで、5つのパターンをご紹介してきました。

売主には「会社を売りたい」と考えるだけの意図と背景があります。今回は5つのパターンに分けて説明しましたが、もちろんこの5つだけとは言いません。会社を売るというのは大きな決断。それなりの事情があり、それなりの背景があるわけです。

もし「小さな会社を買う」ということを考えるなら、自分の利益を考えることももちろん大事ですが、売主側の背景をきちんと探ること、推し量ることが大切です。

「会社を買う」というと、従来からの「企業買収」(M&A)の悪いイメージのせいか、買う側がお金で買い叩くような姿を想像する人もいるでしょう。逆に言えば、売主の側にも、「買い主からお金で買い叩かれる」という不安をもっている人もいるはずです。

ただ「会社を売る」ことにつきまとっていた後ろめたいイメージはなくなりつつあり、新たに前向きに活用していくというポジティブなイメージも増えていることも事実。だからチャンスは広がっていくはず・・・と私は考えています。

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「いい会社選び」の能力を向上させるために

会社を買うということは、売る側があってこそ成立すること。買う側として会社をしっかり分析し、投資するだけの価値があるかどうかを吟味することは大事。一方で、売る側の背景についてもしっかり見ていくことが大切。いろいろな観点から分析をしていくことが、いい会社選びの能力向上にもつながるはずです。

そのためにオススメしたいのは、やはりいろいろなM&A事例にふれること。そして、実際に売りに出ている案件を眺めてみることです。

最近では、ウェブ上のM&Aサイトも話題です。オンライン上で無料の会員登録をすると、会社の売買情報にアプローチできるというサービスです。例えばこのサイトは、中小企業に強いM&A仲介会社、株式会社FUNDBOOK(ファンドブック)が運営するもので、「会社を売却したい」という案件の一覧を見ることができるWEB上のプラットフォームです。

こうしたサイトで売却希望の案件を眺めてみて、「どんな意図があるんだろう?」って自分なりに分析をしてみると、いい会社選びの能力を向上させていくことができるはずです。

また「会社の探し方」については、こちらの記事もどうぞ。

個人で会社を買う方法|2つの事業買収を経験した私が語る「探し方」
「会社を買う」ということを考えたことはありますか?「買収」と聞くと、大企業による高額なM&Aがイメージされがちですが、中小企業や零細企業など...

サムスル
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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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