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「松丸本舗」(「丸善」の書店内書店に見る「リアル書店」のあるべき姿)(1)
iPhone、キンドル、iPad・・・。
電子書籍の普及の波は、とどまるところを知りません。
かつて「普及しそうで普及しなかった」歴史があり、
現在でも、まだまだ普及しているとは言いがたい状況ですが、
この流れは、おそらく加速こそすれ、とどまることはないでしょう。
出版社や新聞社については、
その役割や、位置づけ、経営基盤の置き方についても、
変容を余儀なくされるはずです。
(実際、ネットを使った活性化について、出版社さんから
ご相談をいただくこともあります)
そうした中で、「書店」はどうあるべきか、
今後の、いわゆる「リアル書店」のあるべき姿について、
大変示唆に富む試みがあります。
それは、丸の内「丸善」が展開する書店内書店、
「松丸本舗」です。
このテーマ、3回に分けてお届けしてみます。
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【写真:「松丸本舗」のロゴ】
| ■「松丸本舗」 http://www.matsumaru-hompo.jp |
□ □ □
昨年10月23日にオープンした「松丸本舗」。
「編集工学」を主張する著作家である、
松岡正剛さんがプロデュースした、「書店内書店」です。
| (参考:過去ブログ記事) ■2009年7月 6日 『多読術』(あの松岡正剛さんが展開する、東洋的読書道!!) http://www.samsul.com/book/matsuoka-seigo.php |
本好きの方には、ぜひ説明抜きで、
とにかく黙って足を運んでいただきたい空間。
既存の書店には無い仕掛けが、
それこそ、オンラインブックストアでは為し得ない空間が・・・。
まさに本好きにはたまらない場所だと思います。
実際、私の本好きな知人に聞いてみても、
「ぜひとも行きたい!」
「行ってみたら、やはりすごかった!」
という声が届いています。
□ □ □
写真の撮りにくい環境だったので、
パンフレットからご紹介しましょう。
「写真が撮りにくい」・・・。
それというのも、入口からして、すでに
その雰囲気に圧倒されるのです。
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【写真:縦横無尽に並ぶ書棚と松岡正剛さん】
入口につくなり、
「足を踏み入れちゃっても、大丈夫なのだろうか?」という思いと、
遊園地に入っていくワクワク感とに襲われます。
通常の書店があまりに「軽く」見えてしまう・・・。
それくらいに深みのある「松丸」ワールドが、
そこには展開されているのです。
□ □ □
さて、長らく、もったいぶったところで(笑)、
いったい、どんな場所かと言いますと・・・、
新刊本ばかりが並ぶ既存書店とは異なり、
ほとんど古い本ばかり。
独特のテーマごとに本が陳列されていて、
文脈と連関をもった書籍群が連なっている。
そのつながりは、まさに「絆」とでも言うべきもの。
来場者にテーマが投げかけられており、
書棚ごとに松岡さんの手書きメッセージが訴えかけてくる。
たとえば、
「●●さんが、●●と●●をつなげて読んでいたの、知ってましたか?」とか。
□ □ □
要は、水先案内人としての書店主が、
「あなたは、これを読むべきですよ」とか、
「これに興味あるの? じゃ、これ読んだ?」とか、
「この本に詳しいなら、思い切って、これ、読んでみたら?」とか。
そんなメッセージングをしてくれる。
どこまでも知の深みにひきずりこんでくれる。
そんな本屋なのです。
整然と並ぶだけでなく、
たてになったり、横になったり、それも意味をもって。
あるいは、松本清張さんの蔵書棚をそのまま再現し、
どうして、松本さんがそういう本の陳列をしたのか考えさせたり、
なんとその本がそのまま購入できたり・・・。
そして私はここにこそ、
電子書籍時代における、リアル書店の生きる道があると見ています。

【写真:本が生み出す御縁と絆】
□ □ □
検索性に優れ、中古本ですら容易に手に入るオンラインブックストア。
アフィリエイトの仕組みにも優れ、
著者がプレゼントと共に口コミで仕掛ける、
いわゆる「アマゾンキャンペーン」などの影響も相まって、
その売上規模は、伸びる一方です。
そんな環境で、
リアルな書店が、オンラインブックストアと同じことをしていても無理。
「リアルな店舗」という「制約」を抱える以上、
その「検索性」や「クチコミアフィリエイト性」において、
勝利を収めることは原理的に不可能です。
「手にとって閲覧できる」
「陳列されているので、意外な出会いがある」
などの優位性はあっても、現実としてそれだけでは負けている現状をふまえれば、
それだけで勝負するのは心もとないところ。
□ □ □
では、何をすべきか?
「松丸本舗」に行くと、そのヒントがわかります。
それは、提供する本や提供の仕方において、
強いメッセージ性を打ち出すこと。
哲学やメッセージのある書店づくりをするということです。
オンラインブックストアが、いわば「点」で提供するのに対し、
求められているのは、「線」で提供してくれる存在。
そして、こうした哲学ある書店、
「目利き」が、ある強いメッセージ性をもって展開する書店、
それらは、実は、昔の個人経営の書店が担っていた役割だったことが
わかります。
□ □ □
現在、多くの書店では、
新刊本を中心に並べ、売れる本を前面に打ち出し、
「どこに行っても同じ」書店群があふれています。
そうした書店であれば、あまり行っても発見がない。
それに対して、あるテーマや文脈をもって、
古い本でも新しい本でも、意味ある組み合わせが提供されていれば、
「へぇー、こんなのがあるのか!」
「面白い世界があるんだな」
となるはずなのです。
そして、何か悩んでいることがあれば、
書店主が「これを読んでごらんよ」と薦めてくれる、そんな存在。
| ■例:東京都江戸川区の書店「読書のすすめ」(店主:清水克衛さん) http://dokusume.com |
【このテーマ:次回につづく】
2010年2月1日 渡邉 裕晃

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【 1×1×1=100を創る「成長縁(R)」創出カンパニー 】
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