2つの事業買収を経験した私が、新刊「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」を読んでみたよ

シェアしていただけると嬉しいです!

今回紹介するのは、「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」という本。

副題に「人生100年時代の個人M&A入門」とあるように、サラリーマンの人生設計の一環として「事業買収」という選択肢を示しているのが特徴。

どういうことかというと、

(1)「会社を定年退職する」
(2)「関連会社に出向してから、定年を迎える」
(3)「定年後に、また別の会社に就職する」

というような選択肢に加え、「小さな会社を個人買収し、その会社のオーナー経営者として余生を過ごす」という新たな道を示しています。

「そんなことできるの?」と思うかもしれませんが、これ、充分にありえる道ですね。私自身、実際に小さな事業を2つほど買収して運営した経験があります。その経験も踏まえ、私見をまじえながら、ご紹介したいと思います。

スポンサーリンク

新刊「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」の内容は?

まず、目次はこの通り。

序 章 「人生100年時代」は資本家になりなさい
第1章 だから、起業はやめておきなさい
第2章 飲食店経営に手を出したら「地獄」が待っている
第3章 中小企業を個人買収せよ
第4章 100万の中小企業が後継社長を探している!
第5章 「大廃業時代」はサラリーマンの大チャンス

そして、amazonの紹介文では、次のように書かれています。

■内容(「BOOK」データベースより)

投資ファンドのビジネスの現場で実践しているノウハウを広く開陳して現在日本が直面する大きな課題、中小企業100万社が廃業するといわれる「大廃業時代」への一つの解決策を提示。Web「現代ビジネス」の人気連載を書籍化!あかるい資本家への道。

■内容紹介:堀江貴文さん推薦!「終身雇用は現代の奴隷制度」

ネットメディア「現代ビジネス」に「飲食店経営に手を出したら、その先には『地獄』が待っている」「60過ぎたら、退職金で会社を買いなさい」などをアップ、累計500万超のPVという記録を打ち立てた話題の記事の書籍化です。

サラリーマンには定年・早期退職後、飲食業を始める夢を描く人がたくさんいます。しかし、それは「地獄への道」。廃業率は20%で全業種トップ。実際には素人では勝てない世界。一方で、起業を考える人もたくさんいます。こちらも「地獄」。日本で起業して10年後に残っている会社はわずか5%。

著者の三戸さんは言います。業界大手企業でマネジメント経験があるなら、会社を買って社長になったほうが遥かにいい、と。黒字経営であるにもかかわらず、後継者不在のために休廃業する優良中小企業はたくさんあります。事実、中小企業380万社の約7割で後継者がおらず、中には株式1円でもいいから譲りたいと考えているところも。

在職時同様30~50人規模のチームを率いて、今度はサラリーマンではなく社長として力量を発揮し、役員報酬を得て、最後は会社を売却してキャピタルゲインを手にする。雇われる人生を脱して、資本家になる。

中小企業が後継者不足で事業承継に悩む「大廃業時代」は、本当はサラリーマンの「期間限定」の大チャンス。本書は、人生を変える「あかるい資本家講座」です。

買った瞬間から収益が出ている状態・・・という奇跡

「買収」とか「M&A」というと、よくイメージされるのは大企業の事例ですよね。大企業でないとしても、数億円とか数十億円というレベルを想起する人が多いと思います。

でも、本書の題名に「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」とありますが、実際にM&Aの事例を見ると、数千万円とか数百万円、時にはそれ未満の条件で買収が実行されるケースもあります。

私の経験でいくと、事業の買収をめぐってはいろいろなところで探したり吟味をしてきたりしましたが、実際に私が買収した2つの事業は、いずれも1000万円超の案件でした。その程度の金額でも事業が手に入っちゃうんですよね。

もちろん、いい条件の案件を探すのは大変です。時の運と人の縁も大きく作用します。探し続ければ見つかる・・・ということもあるでしょうが、一方で、いざ良い案件が来たとしても、その時に資金が用意できなければ購入することができません。また、実際に契約をして買収を進めたとしても、途中で問題が発生して買収取りやめ・・・なんてこともありますね。(詳細は割愛しますが)

でも、小さな金額で事業が手に入るというのは、とても大きなメリットでもあるんですよね。なぜなら「自分で一から事業を作る」ということは、本当に大変なことだから。収益の出る事業が手に入るということは、もう買った瞬間から、はじめから利益が出ているという状態。「起業」は、ゼロから立ち上げる必要があります。その負担が一切ないわけです。こんなにすごいことはありません。私が買った2事業も、初月から100万円前後の最終黒字を出していました。買ってすぐに、それだけの収益事業が手に入ってしまうということなのです。

「起業」の苦労と比べると・・・

私は、もともと24歳で「起業」をした人間です。たった一人で、一から事業を立ち上げる・・・。お金が無いので、徹底的にコストを下げ、もちろん社員は雇わずバイトも雇わず。あらゆる経費は使わずに、先輩経営者に質問しまくって、助けてもらって・・・。

まだ24歳という若さが武器になって「きみ、若いのによく頑張ってるね」と、いろいろな社長さんが助けてくれて。徹底的に時間をつくってくれて、いろいろなことを教えてくれたり、お客様を紹介してくれたり。コピーファクスの複合機を無料でプレゼントしてくれた社長さんもいましたし、机や椅子、その他オフィスの備品を買ってくれた方も。「小さなオフィスが一部屋余っているんだけどさ、しばらく使う?」って、賃貸料ゼロでオフィスを貸してくれた社長もいました・・・。創業時は、本当に助けてもらいました。

起業するということは「ゼロからイチを作る」ということ。無から有を生み出すって、本当に大変なんです。苦労話は割愛しますが、その経験をふまえて言わせてもらうと、「事業買収」=「買った瞬間から収益が出ている状態」というのはですね、はっきり言えば、それこそ「ルール違反」(笑)とでも言いたくなるくらいです。

でも、これは不公平なことではなく、きちんと資本主義のルールにのっとった正当な手法です。だから私は小さな事業のM&Aをオススメしています。

本書では、「サラリーマンが定年をみすえた時の、残り人生の設計」という手段としてススメていますが、私がススメているのは、「どうしても起業をしたいけど、なかなかネタがなくて・・・」という方。そういう方にも有用な選択肢の一つだと考えています。サラリーマンを辞めてからも安定的に生活ができる程度の収益事業を買収し、その経営をしながら、自らやりたい事業を模索していく・・・という方法です。

私が感じた、本書を読む上での注意点

長くなってきたので、最後に本書を読む上での注意点を。

「小さな会社を買う」という選択肢は、私自身の経験からしても、非常に素晴らしい手法だと思いますし、なぜ今までこうした本が無かったんだろう?と不思議に思うくらいです。そういう意味で、本書は非常に意欲的な作品で、事業経営に興味のある知人には広く紹介したいと思っています。

実際、著者はベンチャーキャピタリストとして、今までに1000社以上のベンチャー企業に対する投資検討をされてきたという実績があり、事業を見つめる視点はとても丁寧だと感じました。

「自分の経験と専門知識を生かせる中小企業を見つけ、個人でM&Aをして、経営を引き継ぐこと……つまり、「会社を買う」のです。

①自分のキャリアを生かす ②資本家になることで、労働の対価では得られない金銭的メリットを 享受する ③人生100年時代の老後不安から自由になる  この3つを同時に実現する方法こそ、会社を買って社長になること、なのです。

50 代で中小企業を個人買収し、 70 歳まで社長をしてから引退するというライフプラン

事業内容や技術は優れているのに、経営のやり方が悪くて若干の赤字かトントンになっている会社に、まともなマネジメント手法を導入して黒字に変える

こうした内容が展開されているわけですが、私が感じた点として、

(1)起業のリスクをあおりすぎている
(2)事業買収のメリットに注目しすぎている
(3)事業の立て直しも、事業の買収も、簡単にできることだと感じさせている

という点が気になりました。

もちろん「新書」なので、文字数に限界があります。本書の趣旨は、今まで取り上げられなかった、新しい手法を広くしらせていく・・・という点にあると思うので、わかりやすく伝えるという意味ではこうした構成での執筆が良かったということなのかもしれません。

ただ、「起業」も「買収」も体験し、それぞれの現場も見てきた私としては、たまに「?」と感じる場面もありました。起業という道も、たしかに大変なことも多いですが、全てが全て失敗するというわけではありません。また、事業買収も、たしかに魅力のある手法ですが、そんなに簡単にいくというわけでもありません。

たしかに、ゼロからイチを生み出す「起業」という手法に比べると簡単だという点もありますが(まさに私が書いた「ルール違反」という表現)、一方では、事業の立て直しや業績の向上というのは、そうそう簡単にできるものでもなく、また、本腰を入れて経営していかないことには、衰退していく危険も大きいわけです。

それでも私は「事業買収」は注目手法だと思う

それでも私は「事業買収」は、注目すべき手法だと思っています。だから私は知人のうち、この道を考えるべきだと思える人がいれば、事業買収の道を案内しています。実際にサラリーマンだった知人で、事業買収というかたちで経営者へ転身した人もいます。

「起業」というかたちで「イチから事業をつくる」というのは本当に大変で、仮に数年分の生活資金を確保してからスタートするとしても、やはりしばらくの期間、赤字が続くというのは、相当キツイものがあるんですよね。それに比べて事業買収であれば、黒字事業でありさえすれば初月から数字が出る。こんな安心感はありません。

もちろん買収して運営するとしても、「金融商品に投資する」のとはワケが違います。「事業を運営する」ということですから、1日24時間をすべて捧げて取り組むくらいの気持ちがなければ、成功はおぼつかない・・・と私は感じます。

そのあたりの覚悟というものは、それこそ「起業」と同じくらいの気持ちが必要で、そのあたりは本書を読むと、とても簡単にできちゃうような錯覚を覚える人も出てくるのではないかな・・・というのが私の懸念点です。例えば、事業を買収し、年収1000万円くらいの給与をもらって・・・と、本当にサラッとした表現で出てくるのですが、数百万円規模の事業買収でその年収がもらえる! と、もしかしたら勘違いしてしまう人も出てくるかなと。

また、細かい点で言うと・・・、

例えば、

「業績が低迷し、資金繰りも悪化して将来の展望も見出せないような企業だけが廃業していくわけではありません。財務状態は悪くなく、当面の資金繰りにも問題がないのに、後継者や買い手がいないので廃業せざるを得ない……という会社は想像以上に多く存在します」

とあり、

「中小企業の半数以上が〝なんらかの理由〟で黒字廃業しているのです。東京商工リサーチ「2016年『休廃業・解散企業』動向調査」において、2013年から2015年に休廃業・解散した企業8万3555社のうち、売上高経常利益率が判明した6405社のデータを集めると、実に 50・5%が黒字で廃業していることがわかりました」

と書いてあります。

このまま受け止めると「へぇ・・・」となるかもしれませんが、よくよく考えてみれば、この50%というと約3200社ですから、そうすると8万3555社のうち3.8%です。これをどう見るか・・・ということですね。いろいろなことをじっくりと考えながら読んでみてほしいなと。

ただ、新しい可能性を示すという意味では意欲的な内容であり、「将来、経営者になりたい」という人、あるいはそういう世界も見てみたい! という人にはおすすめしたい一冊です。より身近に感じられるようになるのではないでしょうか。

廃業予備軍が増える中で注目を集めるM&Aという分野

「小さな会社の買収」という方法は、私自身、実際に経験してきたこともあり、人にススメたい手法でもあり・・・、だからついつい長くなってしまいます・・・ので、このへんでとめておきます。

以前ブログで紹介しましたが、M&Aについては、こんな検定試験があります。このブログ記事、末永くアクセスが続いていてびっくりしているのですが、それだけ注目する人が増えているということなのでしょうね。

(参考:samsul.comブログから)
 
■2018年1月31日up
 「事業承継・M&Aエキスパート」検定に合格! 内容と背景、感想のまとめ!

私は「事業承継・M&Aエキスパート」に合格していますが、いつかその上級資格である「M&Aシニアエキスパート」や「事業承継シニアエキスパート」にもチャレンジしてみたいと思っています。

また、事業承継や買収をめぐっては、今までに様々な現場も見ることができたので、そのあたりも含めて書いてみた記事はこちら。関心のある方は、ぜひご覧いただければと思います。

(参考:samsul.comブログから)
 
■2018年1月22日up
 廃業予備軍127万社の衝撃「中小企業の事業継承問題」に対して何ができるのか

■不動産の売却や投資でお悩みの方へ

不動産の売却や活用、不動産投資のことでお悩みではありませんか? ファイナンシャルプランナーの国家資格「ファイナンシャル・プランニング技能士2級」と日本FP協会認定「AFP」資格をもち、宅建士資格合格、不動産実務検定1級、「事業承継・M&Aエキスパート」の合格者でもある私(渡邉)が、みなさんの相談に乗ります。もし相談したいことがありましたら、「お問い合わせ」窓口より、お気軽にご連絡下さい。
詳細について

サムスル
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブログの更新情報のチェックは、こちらからどうぞ!

時の運と人の縁を極める日々の記録 Twitter: @_samsul
時の運と人の縁を極める日々の記録 Facebook: /samsulcom
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

スポンサーリンク

あわせて読みたい関連記事




スポンサーリンク







シェアしていただけると嬉しいです!

フォローする

スポンサーリンク