映画「海を駆ける」原作本レビュー|インドネシアを舞台に与えられる人生の問題集

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今回ご紹介する本は、こちら! 映画「海を駆ける」の原作本です。

5月26日に公開された映画「海を駆ける」。インドネシア、スマトラ島のバンダ・アチェを舞台に描かれるファンタジー作品です。ジャカルタ在住で知られる俳優、ディーン・フジオカを主演に、鶴田真由、太賀、阿部純子などが出演しています。

映画を見た方々の口コミを見てみると、「あれは、どういう意味なんだろう?」とか、「最後はどう解釈すべき?」とか、悶々としている人が多い様子。映画「海を駆ける」を見てから、いい意味で「悶々としている」方は、特にこの原作本を読んでいただきたいです。

海を駆ける | 深田 晃司 |本 | 通販 | Amazon
■内容紹介
『淵に立つ』でカンヌ映画祭ほか内外の絶賛を浴びた深田晃司監督が、ディーン・フジオカ主演の最新映画(5月公開)を自ら小説化しました。インドネシア、バンダ・アチェの浜辺に打ち上げられた、日本人らしき謎の男。彼の正体を探る周りの人間たちの間に、波紋が広がっていく……。2004年のスマトラ島大津波と、2011年の東日本大震災。そして、第二次大戦中は日本の軍政下に置かれ、オランダからの独立戦争においては日本人義勇兵が支援した、インドネシアと日本の歴史上の因縁。さまざまな要素が織り込まれ、映画のストーリーをさらに発展させた力作です。

■内容(「BOOK」データベースより)
かつて大津波に襲われたインドネシア、バンダ・アチェの海岸に、日本人と思しき一人の男が打ち上げられた。彼は記憶を喪失しており、言葉も喋れない。日本から来たサチコは、その男と出会うことで、運命的な愛に引き寄せられてゆく…

インドネシアに住んでいて映画を見ることのできない私は、この原作本を読んで、ぜひ映画を見たくなりました。でも見る人によって大きく評価が変わる映画だと思います。

映画「海を駆ける」の口コミ評に共通する「謎だらけで・・・」と同じように、原作本もまた謎に彩られて。




一人ひとりに突きつけられる「人生の問題集」

素晴らしい文学的表現が続き、最初はのんびり、でもページを繰るごとに、とりわけ2/3あたりから急加速。まさに「死に至る病」を抱えた人生の縮図のよう。自分ごととして受け止めるべき「人生の問題集」のような作品。

作品の中で出てくる言葉、「この宇宙には満足であるが、この世界には不満である」は実に印象的。与えられた環境に感謝しながら、自分としてどう生きるかが問われているよな・・・と改めて。

見る人によって大きく評価が変わる映画のようで、「え? もう終わりなの?」という人もいるはずだし(原作本の最後もそう。びっくりした・・・)、そこから醸し出される重層さをひきずる人は多いはず。まさに人生の問題集。

インドネシアの魅力を感じることができる!

そもそも映画「海を駆ける」に興味をもったのは舞台が全てインドネシアであること。そして、インドネシアと日本のハーフという設定の人物がいること。自分自身がインドネシアと日本のハーフなので、余計に興味があって。

「日本の人に、もっとインドネシアに興味をもってもらいたい!」という私にとって、本作品の登場は実に嬉しい! そして、日イハーフの友人たちも、きっと嬉しいに違いない・・・。

「海を駆ける」は舞台が全てインドネシアという作品。何が素晴らしいと言って日本の人々にゆかりの薄いアチェが舞台ということ。ジャカルタやバリ島ばかりがインドネシアではないですからね。地方も魅力が満載。インドネシアの地方にも目を向けてくれる機会になったら嬉しいなと。

主人公ラウへの共感

ただ・・・、ものすごく厳密に言えば、主人公の名前である「ラウ」、インドネシア語で「海」を意味する「Laut」から来ているとのことですが、映像を見ると「Laut」ではなく「Rau」と発音されているし、犬の名前「ルンプ」(インドネシア語で「草」を意味する「Rumput」)も、「Rumput」ではなく「Rumpu」になっている・・・?

ディーンさんのインドネシア語はネイティブレベルかと思いきや、日本語話者インドネシア語だったのはびっくり。いや、些末な点です、すみません。ただ監督が、「国籍不明感を出したい」かの話をされていたので、そこだけもうちょっとやりようがあったのかもなと思い。いや、些末な点です、すみません。

映画「海を駆ける」の予告編映像と、ディーンさんの舞台挨拶でのインドネシア語。現地校に通う娘と息子に見せたら「パパ、これ完全に日本人のインドネシア語だね!」って。

でも・・・「インドネシアに住みながら日本で活躍する人物」として、ディーン・フジオカさんには余計に親近感をもちましたよ。いつかぜひ会ってみたい!(誰か紹介して!)

映画を見て悶々とする人が多い様子ですが、この原作本もまた、いろいろな思いを抱かせてくれる作品です。「これはどう解釈すべきかな?」とか「主人公のラウって誰なんだろう?」とか、考えさせてくれる謎が多いです。

ホントのことを言うと、あぁ、ラウは自分なのかもしれないなと思いました。ラウの行動が全て共感できるので。

皆さんも、ぜひ原作本を見て、また映画を見て、自分につきつけられる人生の問題集を楽しんでみて下さい。

サムスル
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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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