インドネシアの外資規制|投資制限を定めた「ネガティブリスト」改訂へ

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昨年から話題にあがっていた「ネガティブリスト」の改訂問題。
今回、その骨子が現地報道で発表されたので、紹介します。

「ネガティブリスト」は、インドネシアに進出したい外国企業に対し、その出資割合の制限を業種ごとにまとめた一覧表のことを指します。

インドネシアのさらなる発展のためには、「外資企業の力」を導入することが不可欠で、そのために、「投資制限の緩和」が求められていました。「投資制限が厳しすぎる」ということが、外資企業がインドネシアへ参入する際の障壁になるためです。

3年前に共著で書いた書籍「インドネシアのことがマンガで3時間でわかる本」でも、92ページに「ネガティブリスト」という項目を設けてあります。

□     □     □

今回、インドネシアの代表的なメディア「Kompas」が、
改定内容をとりまとめた、次のような記事を掲載しています。

「外資の投資制限を定めたネガティブリストの改訂で何が変わったのか?」Daftar Negatif Investasi Direvisi, Apa Saja Perubahannya? | Tempo Bisnis(12 FEBRUARI 2016 | 07:56)

「外資の投資制限を定めたネガティブリストの改訂で何が変わったのか?」と題するKompasの記事より【画像:「外資の投資制限を定めたネガティブリストの改訂で何が変わったのか?」と題するKompasの記事より】

この内容は、最終的に決まった正式なものではありません。
この後に、大統領の正式なサインがあって、初めてGOになるもの。

ただし、ほぼほぼこの内容でいくことが見込まれているようで、
大枠の方向として理解するには、参考になるかと思います。

記事内容は次の通り。

政府は公式に、投資制限表についての「2014年の大統領令39番ルール」を変更する。

経済調整相のDarmin Nasution氏によれば、この変更は、この1週間以内に終わるだろう。「官房長官が検査して、大統領がそのままサインするだろう」と語った。変更は次のとおりだ。

投資家に対して閉ざされている第一グループ。20のビジネス分野が閉ざされている。そのうちのいくつかは、麻薬栽培、禁止された魚の漁獲、賭博、爆発物などだ。新たに追加されたのは、建材として、あるいは観賞用の水槽に使うためのサンゴの利用だ。

政府は19のビジネス分野を、中小企業の保護のために追加した。その19のビジネス分野は、ビジネスサービスやコンサルティングサービス、簡単な技術を使う建設で、かつ100億ルピア未満のnilai pekerjaanの活動などだ。

1億ルピアから500億ルピアへとnilai pekerjaanが拡大するような中小企業の保護のために39のビジネス分野がある。それは、商業建設物や健康に関する施設などの建設サービスだ。

今回の大統領令では、ビジネス分野の再分類を行う。例えば、ビジネスサービス、建設コンサルティングサービスについての19のビジネス分野は、1つに統合される。したがって、中小企業の保護のためのビジネス分野は、139あったものが、92になる。

中小企業とのパートナーシップ(合弁企業のことか)に関するビジネス分野(国内投資や海外投資のため)は、48あったものが62追加されて、トータルで110分野になる。例えば、25ヘクタール以上あるタネの農園など。

35のビジネス分野が、ネガティブリストから削除される。それは、ゴム産業、冷凍倉庫、観光(レストラン、バー、カフェ、娯楽ビジネス、芸術、エンターテイメント、スポーツスタジアム)、映画産業、1000億ルピア以上の価値をもつ電子商取引(マーケットプレイス)、通信機器のテストをする研究所の形成、高速道路の運営、危険でない物の管理と廃棄、薬の原料に関する産業などだ。
削除が推奨されているのは83のビジネス領域で、ホテル(星無し、1つ星、2つ星)、モーテル、娯楽ビジネス、芸術、エンターテイメント、ビリヤード、ボーリング、ゴルフ場だ。

ネガティブリストの改訂により、海外企業には禁止されていた20のビジネス分野が新たに開放される。それは、健康支援提供サービス(外資67パーセントへ)、陸上交通機関(外資49パーセントへ)、配給を伴う映画産業(外資100パーセントへ)、高電圧、超高電圧な電力の利用に関するもの(外資49パーセントへ)などだ。

投資制限表の中で、海外企業に対する資本構成の変化は、次の通り。

外資30%に指定されていた32のビジネス分野。例えば、園芸分野については変更はない。法律によって規程されているためだ。

外資33%に指定されていた3つのビジネス分野。つまり代理店(ディストゥリビューター)や倉庫業は外資67%になり、冷蔵倉庫業は、外資100%になった。

外資49%に指定されていた54のビジネス分野。14のビジネス分野は67%になった(例えば、職業訓練、旅行代理店、ゴルフ場、航空輸送支援サービス)。8つのビジネス分野は、外資100%になった(例えば、スポーツセンター、フィルム現像所、ゴム産業など)。32のビジネス分野は、外資49%のまま(例えば、鍼灸サービス施設)。

外資51%に指定されていた18のビジネス分野。10のビジネス分野は外資67%になった(例えば、プライベートミュージアム、ケータリングサービス、コンベンションサービス、展示会やインセンティブ旅行)。1つのビジネス分野、つまりレストランは、外資100%になった。7つのビジネス分野はそのまま51%となった(例えば自然観光)。

外資55%に指定されていた19のビジネス分野。全てが外資67%になった。100億ルピア以上のnilai pekerjaanに限定した、ビジネスサービス、建設コンサルティングサービスについて。

外資65%に指定されていた3つのビジネス分野。3つのビジネス分野は外資67%になった例えば、情報通信サービスと統合された情報通信ネットワークの実施だ。

外資85%に指定されていた8つのビジネス分野。1つのビジネス分野は、外資100%になった。薬剤の原料の産業だ。7つの分野は、そのまま。法改正が必要なため。 リース業だ。

外資95%に指定されていた17のビジネス分野。5つのビジネス分野は、外資100%になった(たとえば、高速道路の運営、通信機器のテストをする研究所の形成)。12のビジネス分野は、法律の命令でそのまま外資95%になった。加工装置と統合された25ヘクタール以上の園芸植林事業など。

というわけで、漠然としているところもありますが、大枠の方向として理解するには、参考になるかと思います。

全体的に緩和するという方向。

ただしインドネシアでは従来から「国内産業の保護」という色彩が強く、
期待されていたeコマース分野でも、外資100%は約10億円というラインを設定している状況です。

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先日書いた、以下のブログでもコメントした通りですが・・・

(参考:samsul.comブログから)

■2016年2月12日up
インドネシアの外資規制|eコマース市場への参入は、どこまでOKに?

インドネシアの外資企業に対する政策を見る場合、あくまでも「国内産業の保護と発展」に重点が置かれていることに注視すべきです。

「緩和」という意味を、日本で普通に語られるような、「緩和します! 大歓迎です! どんどん来て! 外資企業も伸びて!」として考えるのではなく・・・、

あくまでも政府のスタンスは、
「インドネシアの人々とインドネシア国家の発展のための一つの施策としての緩和」
という点を、ぜひおさえておくべきだと私は考えています。

□     □     □

なお最終的な決定については、近々行われる予定の大統領の正式サイン待ち。ジョコウィ大統領の場合、最後の最後まで判断が読めないところもあるため、どのようなかたちに落ち着くかは、まだわかりません。
(おそらく、ほぼこのかたちになるでしょうが・・・)

注目すべきところとしては、「レストランの100%外資がOKになったこと」でしょうか。

大統領による正式決定と、この規制緩和に関する大統領のコメントが待たれます。

サムスル
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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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