ジョコウィ大統領がシリコンバレー在住インドネシア人たちを前に語ったこと

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シリコンバレーを訪問中のインドネシアのジョコウィ大統領。
シリコンバレー在住のインドネシア人たち、
とりわけIT関連のインドネシア人との交流の機会が設定され、
そこでは大統領からのスピーチもあったようです。

「デジタルエコノミーによる経済発展を」と、
インターネットやベンチャービジネスへの支援を加速化したい大統領。

今回、ジョコウィ大統領は、
シリコンバレー在住インドネシア人たちに何を語ったのでしょうか。
スピーチの内容が、インドネシアのメディアによって報じられています。
2つの記事を元に、内容を探ってみたいと思います。

「ジョコウィ大統領:ぜひ帰ってきなさい。シリコンバレーの経験をインドネシアは必要としているのです」とのKompas記事より【画像:「ジョコウィ大統領:ぜひ帰ってきなさい。シリコンバレーの経験をインドネシアは必要としているのです」とのKompas記事より】


     □     □     □

そもそもジョコウィ大統領が訪米した目的は、
15日、16日にカリフォルニアで開催される、
「ASEAN-USサミット」への参加。

今回、それに合わせてシリコンバレーへの訪問も設定されました。

IT関連企業の各CEOとも面談する予定が組まれていることは、
前回のブログでご紹介した通りです。

(参考:samsul.comブログから)
 
■2016年2月15日up
 ジョコウィ大統領、シリコンバレーを訪問へ。インドネシアのインターネット産業にどう影響するか

2つの記事のうち、
1つ目の記事は、ジョコウィ大統領のスピーチに主眼を置いたもの。

そして2つ目の記事は、
同行した通信情報省のRudiantara大臣のスピーチに主眼を置いたものです。

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シリコンバレーで、ジョコウィ大統領が語ったこと

では1つ目の記事から。

「ジョコウィ大統領:ぜひ帰ってきなさい。シリコンバレーの経験をインドネシアは必要としているのです」Jokowi: Pulang Saja, Pengalaman “Silicon Valley” Dibutuhkan Indonesia – Kompas.com(17 Februari 2016 | 13:06)

「ジョコウィ大統領:ぜひ帰ってきなさい。シリコンバレーの経験をインドネシアは必要としているのです」とのKompas記事より【画像:「ジョコウィ大統領:ぜひ帰ってきなさい。シリコンバレーの経験をインドネシアは必要としているのです」とのKompas記事より】

ジョコウィ大統領は、現地時間の2月16日夜、サンフランシスコで開催された在住インドネシア人たちとの会合に出席した。
同イベントには約800人が出席し、IT分野のプロフェッショナルや労働者、研究者、サンフランシスコにある大学に留学中のインドネシア人学生たちなどが集まったと、アンタラ通信が報じている。
ジョコウィ大統領は彼らに対し、アメリカで学んだ学問と経験を携えてインドネシアに戻ってくるよう求めた。
あるソフトエンジニアはジョコウィ大統領に質問。インドネシアに戻る場合の受け入れについて、また、デジタル潜在力の発展について、インドネシア政府がどのように準備をしているかと尋ねた。
「戻って来なさい。起業家になるということは懸命な努力が必要で、シリコンバレーでの経験は価値を上げるはずです」ジョコウィはそのように語ったと、同席した情報通信省のチームが報告している。
シリコンバレーは世界のテクノロジー中心地で、アメリカのサンフランシスコから遠くない場所に位置している。このエリアには、AppleやGoogle、Facebookのようなテクノロジー企業が多くオフィスを置いている。
ジョコウィ大統領によれば、現在インドネシア政府は様々な整備を行っているところだ。成長を追求するために整備されていない様々なこと。僻地にまで広がる通信ネットワーク。ビジネスの機会がより大きくしていけるよう期待されている。
「このビジネスの価値は大きいもので、他の国々だけが(このチャンスを)活用するようなことがあってはなりません。これは若い子供たちにとってのチャンスであり、そのチャンスというのは現在なのです。時間がたてば、だんだん難しくなっていくでしょう」とジョコウィは説明した。
続いてジョコウィ大統領は、この5年間以内だけでも多くのテクノプレナーを生み出すという計画についても言及した。
インドネシアのデジタルエコノミーの発展戦略の一つは、2020年までに1000人のテクノプレナーを生み出すこと。約200人のテクノプレナーを毎年生み出すことだ。
大統領はまた、投資家が参入に興味を持つよう、スタートアップビジネスの許可取得の簡略化を約束した。
「スタートアップの許可申請の問題については、我々は簡略化を進め、官僚主義を切っていきます。特にベンチャー資本を後押しすること。インドネシアにおけるチャンスは非常に大きく、例えば農業やエネルギー分野もそうです」と最後に語った。

ジョコウィはスピーチの名手ではないですが、
時として、演説では使われないような・・・、
なんというか、大衆の心に入っていくような、
まるで対等な市民同士の会話であるかのような表現をする場合があります。

今回、私が訳の中で、
「ぜひ帰ってきなさい」「戻って来なさい」と書いた
「Pulang Saja」も、その一つ。

ニュアンスが難しいですが、
「まぁ、帰ってきてみたらいいじゃないか・・・」、
「戻ってきさえすれば良いんだってば」みたいな感じでしょうか。

インドネシアのインターネット市場は、
これからまだまだ伸びていくという見込みがなされています。
シリコンバレーのIT分野で活躍する彼らも、それは認識しているはずで、
「戻って来なさい」の言葉が大きく刺さった人もいるように感じます。

実際には、質問にあるような「受け入れメリット」の問題がありますが、
これについては、テクノプレナー育成計画を挙げて、
「この実現には、あなた方が必要だ」という青写真を見せています。

その上で、行政面での対応については次の記事。

シリコンバレーで、ルディアンタラ通信情報相が語ったこと

     
2つ目の記事は、一緒に同行した通信情報省の
ルディアンタラ(Rudiantara)大臣のスピーチに主眼を置いたものです。

「政府がシリコンバレ在住インドネシア人の帰郷を促すやり方」Cara Pemerintah Ajak Diaspora “Silicon Valley” Pulang Kampung – Kompas.com(17 Februari 2016 | 16:09)

「政府がシリコンバレ在住インドネシア人の帰郷を促すやり方」とのKompas記事より【画像:「政府がシリコンバレ在住インドネシア人の帰郷を促すやり方」とのKompas記事より】

内容は次の通り。

ジョコウィ大統領は在米インドネシア人、特にテクノロジー業界に飛び込んで活動している人たちに対し、インドネシアに戻ってデジタルエコノミーの発展に助力してほしいと呼びかけた。政府もまた、彼らを歓迎する何かを準備している。
その一つは「eコマースロードマップ」で、通信情報省、経済調整省、その他、関係政府機関がたずさわる計画のことだ。
サンフランシスコで開かれた同イベントに出席した通信情報省のRudiantara大臣は、800人の在米インドネシア人を前にして、そのロードマップがインドネシアのデジタルエコノミーの高速化に寄与することを期待した。また、いわゆる「保護」についての準備も約束した。
「大統領が強調するのは、デジタルエコノミーの潜在力が、いかに早く発掘され、達成されるということです。これにはスピードが伴わなくてはなりません。だからこそ、もうすぐ大統領令として発布される予定のeコマースロードマップというものがあるわけです」。Rudiantara大臣はそのように語ったと、同席する通信情報省のチームからの報告書が述べている。
「我々が産業に従事する人たちのために準備していることは、継続性が担保されるような、いわゆる「セーフハーバー」という保護政策を伴うプラットフォームとeコマースです。もし質問があれば、私のアドレスにぜひメールを送ってください」と、付け足した。
他方で、外務大臣であるRetno Marsudi氏の意見によれば、彼ら在米インドネシア人のサイドに立って進めていかないといけない。彼が約束するのは、VISAや滞在許可に関する簡略化だ。
「マルチプルビザについては、以前のような毎年更新だったものが、5年まで延長される予定です。これは政府の考え方に沿うものです。在米インドネシア人の皆様の取り扱いについても、在米インドネシア人の問題に対応する特別の専門のスタッフを1人おきます」と語った。
インドネシアは、現在、デジタルエコノミーの潜在力を宣伝し、発展させるために前のめりになっているところだ。充分に大きな成長予測のもとに。
2013年は、eコマースの取引が80億ドル、つまり107兆9000億ルピアを記録した。2014年にはさらに大きく成長し、120億ドル、つまり161兆9000億ルピアにまで至った。
このeコマースの取引規模は、240億6000万ドル、つまり331兆8000億ルピアにまで上昇するだろうと予測されている。
インドネシアはこの経済成長をさらに押し上げるための資産を有している。例えば、ここ数年における動きとしては、成長を続ける中間層の数、テクノロジーに対するアクセスの容易さ、そしてスタートアップの成長の波の高さなどがそれに当たる。

記事では簡単にしか紹介されていませんが、
彼らをインドネシアで迎えるにあたり、
行政手続きの簡略化、スタートアップを起業するための支援、
その他諸々の一端(もしくは準備中である旨の方針)が披露された可能性はあります。

「eコマースロードマップ」は、以前からブログで書いているとおり、
昨年からずっと正式決定が伸び伸びになっている存在。

今回のコメントにかぎらず、繰り返し登場するのが「保護」というもので、
やはりこのあたりにはかなり慎重になっているところが見て取れます。
(すでに過去ブログで何度か取り上げました)

協力を取り付けるだけでなく、帰郷を呼びかけるまで

今回のジョコウィのシリコンバレー訪問にあたっては、
「現地IT企業からの協力を取り付ける」ような話になるかなと思ったのですが、
現地にいるインドネシア人に対して、帰郷を呼びかけるとは意外でした。

すでに前線で活躍するIT関連の人たちをインドネシアに呼び戻し、
インドネシアでの起業を促していく。
ここに行政的なサポートや政策、まさに将来へのロードマップが見えてくれば、
新たな動きが期待できる可能性があります。

報道によれば、政府の「eコマースロードマップ」の発表は、
最後の大統領決定を待つばかりだとされています。

今回のシリコンバレー訪問で、ジョコウィがどのような修正を加えることになるか、
今後のインドネシアのインターネットマーケットを見据える上で、
要注目だと言えそうです。

(参考:samsul.comブログから)
 
■2016年1月19日up
 インドネシア政府「eコマース・ロードマップ」を1月下旬には発表か
■2016年1月20日up
 インドネシアの「eコマース・ロードマップ」をどう見るか。通信情報大臣と商業大臣のコメントから見えるもの
■2016年1月24日up
 eコマースの発展に必要なのは「保護」か「支援」か。インドネシアeコマース協会のスタンス

サムスル
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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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