伝説の料理店「竹慈庵なかだ」|自らに伝説をもって生きることを学ぶ

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先日、こんなメールをいただきました。

 渡邉 裕晃様
初夏の候となりました。
日頃はお引き立てを賜り、心よりお礼申し上げます。
さて、6月1日(金)で残すところ365日を迎えさせていただきます。
皆様の暖かなご支援のおかげで、今日まで参りました。
今後ともお見守りいただければ、幸いに存じます。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
季節は暑さに向かいます。どうぞご自愛下さいませ。

           平成19年5月吉日    竹慈庵なかだ


渋谷の松濤にある小さな料理店、「竹慈庵なかだ」さんからいただいた
メールです。

「残すところ365日」というのは、あとちょうど1年で、ここのお店が閉店になってしまうというお知らせ。

お客様が来ないから等の、後ろ向きの理由からではありません。それどころか、連日のように満席御礼状態だといいます。それなのに閉店までのカウントダウン・・・。
 
 
     □     □     □
 
 
実はこの「竹慈庵なかだ」さん。開店当初から、「1001日で閉店する」という設定でスタートしているのです。

競争の激しい飲食業界にあって、連日の大盛況。そんな中で閉店をするというのは、まさに贅沢な選択肢。

私が初めて行ったのは昨年のこと。尊敬する大社長からのご招待でした。お店には、カウントダウン日数を示すための日めくりがあり、「六四二日」と記されていました。それが、もう「残すところ365日」です。
 
竹慈庵なかだ
【写真:当時撮影したもの。あぁ、あと1年しかない・・・】

■おすすめの食事場所:(東京・松濤)  1001日しか開けないという侘び寂びフレンチ懐石の隠れ家  「竹慈庵な…

 
「どうして閉店されるのですか?」

「いつまでもあるよりは、最高の状態で惜しまれて閉店する方が良いだろうということで・・・」

アラビアンナイトの「千と一夜の物語」にひっかけたコンセプト。
お店の雰囲気や、味の素晴らしさ、お酒のこだわり。
絶妙なまでにあたたかさと、適度な距離感ある特有のおもてなし。

期日限定ゆえに全力を出し切ろうということのきらめきが、そこにはあるのかもしれません。
 
 
     □     □     □
 
 
厳然たる事実なのに日ごろ目をそらしがちになるのが、「寿命」という有限性。

お店に入り、この素晴らしいお店が消滅する期日を知らされる。
終わりの日を認識しながら、自然の美味をいただく。
こうして生きることの意味を考えさせられるお店。

狭いがゆえに、本当に大事な人としか行かなくなるお店。だからこそ、大事な人と一緒になって、残り人生の過ごし方に思いを馳せることになるお店。

これらが相まって、「竹慈庵なかだ」伝説を形成しています。
 
 
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「伝説」は、現実とは無縁のフィクションの世界のように思いがちです。

でもそれが単なる妄想ではなく、現実との接点をもち、地に足の着いた伝説(矛盾しているようですが)になった時、それは、現実に対して大いなる彩を与えることになるのだと感じます。

伝説は、行動の気迫が伴うと、目標の実現可能性を高める秘薬になるということです。

時間の有限性に気付かなければ、日々を漫然と過ごしてしまいがちですが、時間が有限ともなれば、日々を大事にする気持ちが俄然高まるはずです。
 
 
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伝説は、夢と似たようなもの。
それを実現させていこうと、真摯に取り組む時、
そこには特有の力が生み出されるのだろうと思います。

何事に対しても、自分で時間を区切ってみる。
そしてその締め切り期日までの限定された時間を、
猛烈に走ってみるということ。

何かを成し遂げようと思ったとき、
それを例えば3ヶ月という締切までにやりとげようと思うとき、
一日一日が貴重なものに思えてくるはずです。

24時間のうちにできることは限られています。時間を大事にして、目標を目指して猛烈に走りこむ。プロを目指す人間だけがもつ輝きがそこに生まれます。
 
 
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さて、自分に特有の伝説をもって生きていますか?
伝説を打ち立てるべく、日々を真剣に生きていますか?
小さな視点で矮小化して生きていないでしょうか?
(自分に言い聞かせている言葉でもあるのですが)

人生の残り時間で、大いなる伝説を打ち立てていく。その姿勢を貫く過程の中でこそ、小さな幸せが生み出されていくのだろうと確信します。

それが幸せの拡大再生産。
 
 
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「竹慈庵なかだ」さんは、「残すところ365日」。
それに向かって、日々をたんたんと真剣におもてなしされ続けています。

私たちも、残すところあと●日。
●部分を推し量りにくいだけで、実際には同じような身分です。

大きくても小さくても、その大小にかかわらず、何かしら、自分だけの伝説というものを打ちたてていきたいものです。それを追いかけることが、新しい可能性を創出するに違いありません。

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このコラムは、2007年6月2日に配信したメールマガジンを転載したものです。
 
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 2007年6月9日            渡邉 裕晃

 

 

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