「独立起業の ” 恐いけど、恐くない ” 精神」

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私が学生で、まだ社長さんとの親交が無かった頃、中小企業の社長さんを拝見していて、何か独特の緊張感というか、内に秘めた緊迫感やオーラのようなものを感じることがたびたびありました。無い方もいましたが、何か不思議な感じを覚える方も結構いらっしゃいました。
私は、すべての人が独立すべきとは思いませんし、独立することが良い事だと無条件に思うわけでもありませんが、独立して身につけることができる良さの一つは、この独特の感覚なのではないかと思っています。


起業を模索していた学生時代、何人かの社長さんに知り合うことができたのですが、その中で、とても躍動感にあふれ、急成長している会社がありました。
おうかがいするたびにスタッフが増え、おうかがいするたびにフロアーが増えている・・・と言っても言い過ぎではありませんでした。
成長過程を拝見させていただいた中で、社長さんがよくおっしゃっていたのは「固定費が大変だ」ということでした。「売上ゼロでも、家賃や人件費などがどんどん出て行くんだからね」と言い、その数字は、おうかがいするたびに、みるみる大きくなっていきました。
「すごいな」と思う反面で「恐くないですか?」と質問したことがあります。
「恐いよ。すごく恐い。けど恐くない」が答えでした。
「ぼくは経営のプロだと思っている。たとえ不可抗力が起きて倒産しても、再び儲かる事業をつくることはできると思う」と。その上で「いつでも資本金1000万円を集める用意もある。お前だから仕方ないか、と言って、黙って応援資金として100万円をくれるだけの人脈が少なくとも10人はいる。株式会社がつくれれば、また儲ける自信がある。つぶれてもすぐ再起できる。だから恐くない」
私は、彼からはいろいろなことを教わりましたが、この哲学が、彼の教えの中で重要な部分を占めるものだと感じています。私が創業して以来、いつも念頭にあったのが、倒産は恐いが恐くないというこの力学でした。
私には、黙って100万円を差し出してくれるほどの人脈はなかったので、創業と同時に考えたのが、ただ事業を進めるだけでなく、事業と並行して、「黙って10万円の協力をしてくれるだけの味方を100人つくらねば」ということでした。
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どんなに大きな伝統ある会社でも、どんなに時価総額の高い会社でも、会社が傾く時、破綻する時は、実にあっという間であるということを、私たちはここ数年で、身近なケースとして学習しています。
とりわけ中小企業の創業社長ともなれば、こうした緊張感は、もっているのが普通だと私は思います。「いつ終わってもおかしくないが、でも終わらせない」という感覚です。緊張感との戦いの中で事業や夢をかたちづくるのが、ある意味、経営者の仕事、業なのではないかとすら思い
  ます。
ある時、そのような緊張感をまったく感じさせない社長さんにお会いしたことがあります。事業がたちあがったばかりの頃でもあっただけに、感覚の無さに「あれ?」と思っていたのですが、この会社さんは、数年と経たずして無くなってしまいました。大手企業から潤沢な資本金があてがわれ、御自身ではおそらく出資をされていなかったからなのかもしれませんが、今となっては知るよしもなしというところです。
私は、自分が社長である限りは、この感覚は忘れたくないと思っています。この感覚を大事にする過程で、事業というものは、伸ばしていくことがはじめて可能になると思うためです。これは副業ではなく本業としての独立を通じて得られることであり、ここに、事業の恐さと面白さの一端があるのではないかと思います。
経営にはいろいろなスタイルがあると思いますが、事業の永続性を確保するためにも、少なくともこの感覚は、いつまでも持ち続けていたいと、そう思っています。

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