インドネシア住宅事情|現地の若者は「家の購入」をどう考えているか?

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日本の方からインドネシア事情を聞かれる時、その人の興味関心に応じて様々なことを尋ねられますが、現地の若者の住宅事情や、不動産まわりのことも、よく質問されるテーマの一つです。

ちょうど昨日、インドネシアの代表的メディア「Kompas」で、若者の住宅事情の雰囲気が伝わってくる記事があったので、私の見聞も含めてご紹介したいと思います。

最近の日本では「持ち家か、賃貸か」という話や「所有から利用へ」といった風潮がとりあげられるケースが増えているようですが、インドネシアではどうなっているのでしょうか? ちなみに下の写真は、インドシアのとある住宅街で撮ったもの。新築物件の建設ラッシュでした。

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インドネシアの若者たちは何にお金を使っているのか

時代の流れによる生活スタイルの変化は、人々のニーズにも影響を与えている。当然、「衣・食・住」という基本的な需要がある中で、最近この衣食住のうち「住」の優先順位が下がってきたのではないか・・・と書いてるのが、Kompasの昨日の記事。

■「ミレニアル世代の61%は、まだ家を所有していない」
61 Persen Milenial Belum Punya Rumah(Kompas.com – 09/04/2018, DANI PRABOWO)

「住」の優先順位が下がってきたと見る理由として、住宅価格が高すぎるからだと、同記事では指摘しています。

昨年の4月7日から4月11にかけて行われた同紙による調査によれば、インドネシアの7大都市に住むミレニアル世代(一般的には1980年代から2000年代に生まれた人々)300人を対象にしたアンケートで、25歳から35歳の人たちのうち、住宅を所有しているのは39%しかいなかったと紹介しています。

「経済的には、より安定的なはずの世代」としていますが、かといって借金が無いわけではなく、調査によれば、61%が借金をかかえており、そのうち30%は車やバイクのローンを抱えているという結果に。(アンケートの詳細がわからないので、数字関係の細かいところが微妙なのですが・・・)

借金を抱えた20%の人たちは住宅ローンをかかえており、そのほとんどは結婚した人たちだったと。つまり、若者に住宅を購入したいという需要がないわけではなく、人生のステップとして結婚し、家庭をもった際には家を買いたいという需要があるのだとも指摘しています。

(繰り返しになりますが、調査の詳細が見えないので、これだけで判断すると少し乱暴な結論のような気もしますが)

一方で、借金がない人たちは、所得をどこに使っているのか、というテーマでは、食費や賃貸住宅費、交通費などを挙げる一方で、散歩(日常で出歩く時の遊興費を指すと思います)、洋服代、おしゃべりでの飲食代、映画等の鑑賞代、化粧品、くつ、車やバイクのメンテや改造などの費用に充てられていると指摘。

もちろん、貯金に振り向けるという人も68%いるものの、その貯金を住宅購入に充てようと考えている人は20%しかいないと。

調査回答者の66%は、散歩(日常で出歩く時の遊興費)にお金を使うことが多いと回答しており、同紙によれば「承認欲求を満たすためのソーシャルメディアは欠かせないものであり、そのためのコストがこの世代には特徴的」だと指摘をしています。

インドネシアでは、ここ数年、特にInstagramが人気で、「Instagramable」なんて造語もあらわれるほど。口コミサイトでも、「このレストランは、Instagramableだから、食べたり飲んだりするだけではもったいないよ! 写真も撮ろう!」なんて。まぁ、そんな遊びもコストにかかってくるということが言いたいわけですね。

「2021年には、もう家が買えなくなるかも」との指摘

「家は欲しいが、諦めざるをえない事情がある」との指摘。この点について言うと、少し前ですが、2016年12月のKompas記事を思い出します。約1年半近く前の記事ですが、すでにこんな指摘がされていました。

■「5年もすれば、ミレニアル世代は家を買えなくなるかもしれない」
Lima Tahun Lagi, Generasi Milenial Terancam Tidak Bisa Membeli Rumah(Kompas.com – 14/12/2016, Hilda B Alexander)

つまり、2021年にもなれば、ジャカルタに住むミレニアル世代は、もはや家を買えなくなる脅威にさらされているのだという記事です。ここで言うのは、1981年から1994年に生まれた人たちのことですね。

同記事では、不動産情報サイト「Rumah123.com」と、仕事情報サイト「Karir.com」との共同調査の結果が紹介されています。

2016年を例に取ると、給与の昇給ペースが10%だったにも関わらず、住宅は20%以上も値上がりしていると。

・ミレニアル世代の平均月収は、600万ルピア
・ジャカルタで最も安い3億ルピア台の家を買うには、最低でも月750万ルピアの収入が必要

また、2009年から2012年までの期間を見ると、不動産価格は200%もの上昇が起き、年間で50%という事態もあったと指摘。今後5年間の住宅上昇率は150%が見込まれているのに対し、給与は60%の上昇が見込まれる程度だと。

不動産が、最低でも年間20%程度の価格上昇だとしても、3億ルピアの物件は、7億5000万ルピアになる計算。2021年のミレニアル世代の給与の予測は月給1200万ルピア。それでは家は買えないと。

・7億5000ルピアの家を買うには、月に560万ルピアを払わないといけない
・給与の30%までしか返済できない、つまり月360万までしか無理

こうした計算から、「2021年には、家は買えなくなる」という指摘がされていたのです。この時の調査の時点でも、調査対象である8510人のうち1446人しかジャカルタの家を買えない状況にあり、最も安い300万ルピアの家ですら17%しか買えない事態になっていると紹介されていました。

未来に向けて前向きな眼差しが感じられるのが現状

とはいえ、インドネシアに住んでいる者としての体感値を言えば、「家がほしい」という人々の願いは、相変わらず強いものがあるのではないかというのが実感。

「これからますます上がるから、可能なうちに早めに買っておきたい」という声は、今でも聞かれます。最近は沈静化してきましたが、私もよくいろいろな人から「なんで買わないのか?」と、繰り返し尋ねられました・・・。

収入の低い層であっても、「自分の収入で買えるところはどこか?」と気にする人はいますし、だいぶ遠隔であっても「頑張って通勤する!」と、購入対象エリアは幅広く考えている人が少なくない印象です。(もちろん人によって異なるわけですが)

やはり全体として見れば、未来に向けて前向きな眼差しを向ける傾向があるなと感じます。

「住宅」に限りませんが、旺盛な消費意欲や、お金を増やしたいというマインドの強さは、最近の日本の動向と比べると大局的なところが今でもありそうです。例えば今日のニュースでも。

若年層5割超、車の購入「意向なし」 堅実消費浮き彫り、レンタルやシェアに関心 (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)
日本自動車工業会(自工会)が9日発表した2017年度の乗用車市場動向調査によると、車を保有していない10~20代の社会人のうち「購入したくない」との回答が前回調査に続いて5割超に上った。

記事では「回答した1000人のうち800人が車を保有していなかった」「買いたくない理由を複数回答で聞くと、「買わなくても生活できる」が最も多く33%」とあるため、インドネシアと異なり公共交通機関が成熟しているがゆえの現象と見ることもできます。

ただ若者を見ていると、「日本に行きたい」「海外に留学したい」「将来●●がしたい」等、前向きな眼差しを強く感じてしまうのは、現地で暮らしていての正直な感想です。

【補足として】気をつけてみるべきポイント

ただ、これらの記事から「なんとなくの雰囲気」は感じられるわけですが、インドネシアを見る時に気をつけるべきポイントの一つは「貧富の差」。ちょっとだけ補足しておきます。

実際に、ジャカルタの新築一戸建てで、300万ルピアという話が出ていますが、私の住む地方都市マランでも、新築の建売の一戸建てで「800万ルピアより」なんてエリアもありますし、中には「数千万円」以上の新築物件もあったりします。広い物件であれば億単位(円換算で)も。ジャカルタなら普通ですね。

「いつか日本に行けるといいな」とか「奨学金を獲得して、ぜひ行きたい」という学生がいる一方で、「今年はもう5回も日本に旅行に行っちゃった!」みたいな若者もいたりして、こうした経済格差の大きさは、日本ではなかなか見られないところかなと。そのため記事から類推して「なんとなくの雰囲気」は感じられるわけですが、全てが全て、その通りだとは限らないという点は注意ポイントです。

変な話、例えば今月初めに公開された、日本の衆院議員465人の資産公開の件。

衆院議員の平均資産額、最低に 鳩山邦夫氏の死去影響か:朝日新聞デジタル
朝日新聞の集計によると、1人当たりの平均資産額は約2900万円。1993年の公開制度開始以降、自民党が下野した2009年衆院選後の約3150万円を下回り、過去最低となった。

となっていましたが、

衆院議員の平均資産額、最低に 鳩山邦夫氏の死去影響か:朝日新聞デジタル
平均資産額が過去最低となったのは、30億円超の巨額資産を保有していた自民党の鳩山邦夫元総務相の死去などが影響したとみられる。前回14年衆院選後の平均資産額は3463万円で、前回比で約16%(546万円)減った。

ということが起きうるんですよね。あと「都心と地方の違い」というのも大きいと思いますが、これはまた別の機会に・・・。

というわけで、今回は最近のインドネシアの若者が、住宅購入にどんなスタンスをもっているか・・・という紹介でした。不動産にまつわるネタは、ときどき聞かれる点でもあるので、今後も機会があればご紹介していきたいと思います。

(参考:samsul.comブログから)
 
■2017年3月29日up
 ジャカルタの不動産(一戸建て)インドネシアの若者でも購入できる家はどこ?

■2017年3月29日up
 ジャカルタの不動産(マンション)インドネシアの若者でも購入できる家はどこ?

■2018年4月12日up
 インドネシア住宅事情|都市部の若者が300万円から100万円台の家を探すことになる理由

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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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