見直される手食文化|セレブがグルメを手で食べて味わう!必見の映像

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食べ物を手づかみで食べる「手食」(てしょく)という文化。皆さんはどう思いますか?

「マナー的にどうなの?」とか、「下品」「野蛮」というイメージを持つ人もいるでしょう。そもそも「なぜ食べ物を手で食べるの?」「どんな理由で?」という声もあるでしょう。

でも私は手食は素晴らしい文化だと思います。なぜなら、食べ物を手で食べると、五感で味わうことができ、よりおいしく感じられ、会話もはずむようになるからです。

今回フィリピンで、P&Gが制作した面白いプロモーション映像を発見したのでご紹介します。ずばり、セレブを招いたディナーパーティーに「手食」をもちこんだらどうなるか、という映像です。手食文化の普及をはかる「日本手食協会」から寄せられたコメントも合わせてご紹介します。




セレブを招いたディナーパーティーで・・・

手食 カマヤン フィリピン P&G

8人のセレブを招いてのサプライズのディナーパーティー。どんな料理が出てくるかは事前に知らされていません。「THE DINNER」という4分46秒の作品です。

なお事前に説明しておくと、中にでてくる「kamayan」(カマヤン)という言葉は、フィリピンの伝統的な手食文化を指す言葉です。タガログ語で 「カマイ」(Kamay) は「手」を。そして「カマヤン」(Kamayan)は、素手で何かを取る(素手で何かを食べる)ということを意味するのだとか。

では、ご覧ください。

■Safeguard: THE DINNER | Wash your hands and Go Kamayan

ドキュメンタリー「THE DINNER」が描くストーリー

「手を使って食べようよ」というメッセージ。それも「手で食べるのは下品だよね」という既成概念を逆手にとって、わざと素敵な空間で、わざと着飾ってもらって・・・。

事前に何も知らされていない8人のセレブたちがパーティー会場に着席。何が出てくるかわからない・・・という中で、シェフがやってきます。

「本日は、手で食べるとおいしくなるということを体験していただきたいと思います」

手食 カマヤン フィリピン P&G

参加者の困惑した様子。みんなの様子をうかがうようにして・・・。

アペタイザーに「クリスピー・ダンギット」(Crispy Danggit)が。ダンギットという干し魚のクリスピー。食べ始めると「おいしい!」

品がないと思われがちな「手食」なのに、味わっているうちに「あなたが手で食べているのを見ていると、なんだか手で食べるのがとってもクールに見えてくるわ!」なんて。

メインには、「スーマン・アドボ」(Suman Adobo)。アドボはフィリピンの代表的な家庭料理で、調味料に漬け込んだ肉料理。スーマンはフィリピンのちまき(フィリピンの肉や野菜の煮込み料理の名称)。

そして「ライン」(Laing)。タロイモの葉っぱをココナッツで煮た、ビコール地方の郷土料理。

だんだんと食べるのに夢中になっていき、しまいには無言に・・・。

「手で食べると味が違う!」

いつも食べている時は、においや味を楽しんでいるけれど、「手で食べる」といつもと異なる感覚を使って味わっている・・・。感覚がより豊かに感じられて、なぜか食事がいつもよりおいしく感じられる!不思議! って。

手食 カマヤン フィリピン P&G

最後のデザートには、「カラバサ・ボール」(Kalabasa balls)と、「ピアヤ サンドイッチ」(Piaya Sandwich)が。カラバサは、かぼちゃ。ピアヤは、黒砂糖を使って作られたお菓子。

みんなの話題は、手で食べるという不思議さについて。

まさにこれは、フォリピン人のアイデンティティだね・・・。このおいしさは、我々フィリピン人の手の力だ! と。

手食 カマヤン フィリピン P&G

パーティーが始まった頃は、みんな表情も硬かったのに、いまはすっかり打ち解けている・・・。手で食べる喜びは、味わいだけでなく、人と人とをつなげる効果もあること発見して。

P&Gのプロモーション映像として制作された

この映像は、P&G(ピーアンドジー)の略称で知られるアメリカの一般消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(The Procter & Gamble Company)が制作したもの。フィリピンのマーケットを対象にした作品です。

1963年にアメリカでリリースした「Safeguard」というブランドの石鹸。世界中で販売され、フィリピン市場では業界最大手のシェアとなっているようです。その宣伝のためにつくられた映像ですが、実によくできた作品だな・・・と思います。

P&G Safeguard

下品だと思われがちな手食。でもそれはフィリピン本来の伝統的な食べ方。そしてその方がおいしく食べられるということは、みんながすでに知っているはず。でもやっていない・・・。久しぶりにやってみた。「やっぱりおいしいじゃん!」と。手で食べるのは素敵だ! ならば、ちゃんと手を洗ってから食べるようにしよう!ということで「Safeguard」!! という訴求です。

実にきれいな流れ。そして、あえて「rediscover」と「re」をつけて「すでに知っていることを再び見つめよう」と。つまり自分たちの伝統にたちかえろうと。「手で食べるのは美味しい食べ方だって、本当はしっているよね?」と。そこから自分たちのアイデンティティにまで紐づけているが、見事すぎます。

手食の素晴らしさは、多くの人が知っているはずなのに

私の住むインドネシアでも、手で食べる「手食」は伝統的な食べ方です。そして私は「手食」を素晴らしい文化だと思っています。なぜなら、前述の通り、食べ物を手で食べると五感全体で味わうことができ、よりおいしく感じられ、会話もはずむようになるからです。

インドネシアの手食文化|手で食べる「手食」の魅力は日本でも広まるか
皆さんは、手を使ってご飯を食べてみたことはありますか? 私の暮らすインドネシアでは、スプーンやフォークを使わずに、手を使ってご飯を食べるケー...

日本の方をインドネシアに案内する時、私はよく「手で食べられるお店」を案内することがあります。手食の素晴らしさを体感してほしいからですが、「えっ」と拒否反応を示す方がいます。言葉には言わないものの「きたならしい・・・」という反応ですね。

でも、おにぎりは箸を使って食べますか?と聞くと「手で食べます」と。高級寿司の店に行ったとして、握り寿司を食べる時、ナイフとフォークを使いますか?と聞くと、「いや、手づかみに決まっているでしょう?」って。なぜですか? 「だって、その方が何倍もおいしいじゃないですか」って。「でしょう?」(笑)

手で食べるのって、ホントに素敵な文化なんですよね。「下品」とか「きたならしい」というイメージが先行しているためか、なぜかみんな避けがちで・・・。北岡正三郎さんの著書 『物語 食の文化 – 美味い話、味な知識』 によれば、世界の実に44%の人が、主に手で直接ものを掴んで食事を行っているというにもかかかわらず。

物語 食の文化 – 美味い話、味な知識 (中公新書)

北岡 正三郎 中央公論新社 2011-06-24
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ぜひ多くの人に手食の素晴らしさを体感してほしいなと思っています。今回の映像は、あえてセレブな雰囲気を演出していますが、固定観念をぶち壊すという意味では非常に素晴らしい作品です。

もう1つのスピンオフ作品「カマヤン・チャレンジ」

なお、この映像にはスピンオフ的な作品がもう1つあります。それが「カマヤン・チャレンジ」というもの。1分23秒の作品です。

覚えていますか? 「カマヤン」はフィリピンの伝統的な手食文化を指す言葉でしたね。

■Safeguard: KAMAYAN CHALLENGE | Wash your hands and Go Kamayan

手を使って食べるというのは同じ。チャレンジするのがフィリピン料理・・・というのも同じですが、違っているのは、手で食べるのが簡単なものから難しいものまで順番にチャレンジしていくというもの。

(1)イニーハウ・ナ・プシット(Inihaw na Pusit)
いかの姿焼き
難易度:easy

(2)カルデレータ(Caldereta)
トマトを使ったフィリピン風のシチュー
難易度:medium

(3)シニガン・ナ・バングス(Sinigang na Bangus)
サバヒーという魚(インドネシア語はバンデンBandeng)を使ったタマリンドを用いた酸味のあるスープもしくはシチュー
難易度:hard

食べ進むうちに「難易度」があがっていき・・・。

「このスープ、どうやって食べればいいの?」の質問にも、「こうすればいいんだよ!」って、もう手慣れたもので。手では食べにくそうなものでも、知恵を出して味わってしまう・・・。

「品が無いと思われるんじゃないか・・・」なんてことは気にしなくなり、「おいしくいただくこと」、「みんなで楽しく味わうこと」が優先していきます。

セレブ感あふれる場所であっても、それが自然にできてしまう。だって「その方がおいしい」し、「その方が楽しい」からって。さらには「おれはカマヤンの王様だ。そして、お前が後継者だ!」なんて盛り上がって。

日本でも、手食が楽しめるお店がもっともっと増えると良いですね・・・。休日など、家の中でも「手食」が気楽にため占めるようになると、家族のおしゃべりや楽しみが増えていくに違いありません。

というわけで、今回は「見直される手食文化」と題して2つの映像作品を紹介させていただきました。

今回の映像について「日本手食協会」の反応は?

なお日本には「手食への偏見をなくし、手食を大いに普及させる」ことをミッションとする「日本手食協会」(NHK:Nippon eat-by-Hand Kyokai)があります。

今回の2つの映像について、同協会の理事長、佐谷恭氏にインタビューを申し込んだところ、以下のコメントをいただきました。

手食に対する意見はさまざまありますが、ネガティブな発言をする人のほとんどが「未経験」というのに驚かされます。

食を考え直すために手食をサプライズ提供したこのドキュメンタリーで、多くの人が「やってみる」第一歩を踏み出してくれればこれほど嬉しいことはありません。

結果として手食が気に入ってもそうでなくてもいいと思います。個人の好みはさまざま。しかし、いろいろな文化・食べ方があることを知り、それを受け入れる人が増えて欲しいと思っています。

なるほど、たしかにそうですよね。好き嫌いはあるでしょうが「まずは、やってみる」ということ。やってみて初めてわかることがある・・・。これは食に限らずいろいろな場面で言えること。

今回の映像の皆さんが見せた笑顔は、手で食べる楽しみだけでなく、「やってみること」の楽しさも同時に表しているような気がしてなりません。

【参考】インドネシアでの手食の事例

参考までに、インドネシアでの手食の事例をいくつかご紹介します。

べベッ・ゴレン|手づかみで味わうアヒル料理は、インドネシアの絶品!
今回ご紹介する料理は、インドネシアのアヒル料理。「ベベッ・ゴレン」あるいは「ベベック・ゴレン」と呼ばれるもので、インドネシア語では、Bebe...
ジャカルタ屋台|貝料理の美味!手食で味わうインドネシアの海鮮料理!
今回ご紹介するのは、ジャカルタ中心部の屋台! 手を使っておいしくいただく貝料理のお店です。私はインドネシアの屋台で食べるのが大好きで、以前か...

サムスル
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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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