インドネシアでも吉野家の牛丼が食べられること、ご存知でしたか? 先日ジャカルタを訪問した際、「吉野家」で食事をする機会があったので、まとめてみます。
インドネシアの吉野家は、当初は1994年に進出。6店まで拡大したものの、客入りはふるわなかったようで・・・、1998年に、「アジア経済危機」の影響もあって、撤退をしています。その後、実に12年の空白を経て、2010年6月に再度の挑戦。
今は絶好調の伸びを示していると言います。実際私がインドネシアの吉野家を訪問した際も、店には行列ができていて、その人気ぶりが実感できました。写真がブレてしまっていますが・・・、ジャカルタにある旗艦店「グランド・インドネシア」店の様子です。
【写真:旗艦店第1号となる「グランド・インドネシア」内の「吉野家」店舗】
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目次
吉野家インドネシアのオリジナルメニュー「ベジビーフ」は抜群の味!
「日本の牛丼よりも味は落ちるのかな・・・」
なんて思いつつも、私が食べてみたのは「ベジビーフ」。日本の店舗には無い商品です。
野菜と肉が半々になったメニューですが、これがまたおいしい!日本の牛丼とは、若干異なる味ですが、私は「日本よりも、おいしいのでは?」とすら思いました。
これは日本での商品化を期待したい一品。ジャカルタに行かれた際は、ぜひお試しを。
【追記】日本でも2015年5月から「ベジ丼」「ベジ牛」という商品名で発売されているようです。
吉野家の牛丼、インドネシア進出の歴史は?
吉野家の海外進出の状況は、まず1975年のアメリカ進出からスタートしました。その後、1987年に台湾、1991年に中国(香港)、1993年にインドネシア、そして1997年にはシンガポールへと拡大していきます。
1998年になるとインドネシアからの撤退を決めますが、2001年にはフィリピンにも進出し、2010年にインドネシアへの再進出を決断。そして、タイはも2011年に進出しています。
1993年に吉野家がインドネシア進出を決断
冒頭に記した通り、インドネシア吉野家の歴史は進出と撤退、そしてまた再進出・・・という苦難の歴史を歩んできました。簡単に吉野家インドネシアの歴史をたどってみます。
吉野家がインドネシアへの進出を決めたのは1993年のことでした。1993年10月28日に、インドネシアの大手企業とフランチャイズ契約を結ぶと、翌1994年10月28日に、インドネシア1号店となる「ポンドック・インダ・モール店」をオープンしています。
ところが、すぐにはうまくいかなかったようです。その後、1998年の「アジア通貨危機」の影響もあって、吉野家はインドネシアからの撤退を決断します。1998年7月にフランチャイズ契約を解消しています。
2009年にインドネシア進出の再チャレンジへ
その後、2009年になると、吉野家はインドネシアへの再進出を決断します。同年9月には、MULTIRASA NUSANTARA CO.,LTD社との間でフランチャイズ契約を締結。再度のインドネシア進出にチャレンジすることになります。
再チャレンジの1号店は、ジャカルタの高級ショッピングモール「グランド・インドネシア」で、2010年6月25日にオープンしています。
吉野家が発表するデータによると、2012年12月現在、インドネシアにある「吉野家」は合計で19店舗。2010年の再進出当時は、「ジャカルタを中心に3年内に10店舗の展開を計画」としていたようなので、当初計画に比べて、実に倍のペースで展開している計算になります。
今後の人口減も踏まえれば、日本国内での市場の飽和は目に見えています。海外展開は、ますます加速していくことでしょう。
2015年から2019年の4年間で、吉野家の店舗数は2.7倍に!!
追記ですが、吉野家インドネシアの出店攻勢はインドネシア全土で続いています。まさに快進撃という状況です。
吉野家のIR情報によれば、吉野家インドネシアの店舗数は、2019年5月の時点で105店となっています。2015年5月の時点では39店舗だったので、わずか4年で2.7倍近くまで増えたという計算になります。2019年1月は94店なので、出店ペースは早いです。
インドエンシアの首都ジャカルタの吉野家、2つの店舗の様子は?
「インドネシア吉野家の店舗の雰囲気、日本とは違うの?」と思われるかもしれません。上のyoutube映像は、ママレモン・インドネシアのTVコマーシャルです。吉野家では洗浄にママレモンが使われています・・・というCMですが、この映像を見ると、吉野家インドネシアの雰囲気が伝わってくるのではないでしょうか。
吉野家のIR資料を見ると、2019年2月現在、「インドネシア吉野家」は96の店舗を展開しているようです。ここではジャカルタの中心にある「グランド・インドネシア」店と「プラザ・スナヤン」店をご紹介しましょう。
吉野家インドネシア「グランド・インドネシア」店
今回私が訪問したのは、旗艦店となるジャカルタのショッピングモール、「グランドインドネシア」店です。2010年6月25日にオープンを決めた、吉野家インドネシアの再チャレンジ1号店になります。
154席の大型店ですが、夕方前の中途半端な時間であるにも関わらず、広い空間はほぼ満席。
吉野家インドネシア「プラザ・スナヤン」店
また、ジャカルタ南部のモール「プラザ・スナヤン」の「吉野家」も訪問してみました。カフェテリア形式で、複数の店舗が並ぶフードコートでしたが、ここでも、吉野家商品を食べる家族連れが、たくさん集まっていました。
吉野家がインドネシアへ進出した当時のニュースを見ると、このような説明があります。
■【インドネシア】吉野家 3年で10店舗へ:再進出の首都1号店を開設[商業]/NNA.ASIA
1号店の客席数は154席。牛丼などメーンメニューの商品単価は2万5,000〜3万5,000ルピアで、客単価は4万ルピア程度を見込んでいる。コメなど食材は原則的に現地調達するものの、牛肉は米国から、牛丼のたれは日本から調達。 国民の大多数を占めるイスラム教徒に配慮して、たれはインドネシア向けの生産ラインを別途設け、イスラム教徒の摂取可能というハラル認証を取得した。 |
日本の外食産業の今後、そして、これからのアジアの成長を考えれば、この市場での成功は、企業の成長と存続には必須の課題。それだけ強い期待と準備をもって進出した意気込みが伝わってきます。
メニューが違う!! 海外の吉野家でオリジナルを試すという楽しみ
吉野家の場合、牛丼の調理法は、どの国も全て同じ方法をとっているようです。ただ、必ずどの国でも「牛丼」は販売しているものの、各国の風土や文化、嗜好に合わせ、それぞれのメニュー開発は独自で行っているとのこと。
今回の「ベジビーフ」も、インドネシアオリジナルですね。
海外に行ったら現地の吉野家でオリジナルメニューを探してみる。これも、一つの楽しみと言えるかもしれません。
【参考】インドネシアの吉野家に関するブログ記事
インドネシアの吉野家に関連するブログ記事です。こちらも、どうぞ。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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