テロ事件が起きた時、親は子供とどう接するべきか(インドネシア教育文化省がまとめた6つの指針)

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昨日インドネシア第2の都市、スラバヤの3ヶ所の教会で発生した連続爆破テロ。1つの家族が手分けをして自爆に及んだという凄惨な事件です。

スラバヤでの同時多発テロを、どのようにとらえるべきか
今日の朝、インドネシア第2の都市スラバヤで、連続爆破テロが起きました。3ヶ所の教会で発生した同時多発テロ(厳密には時間差がありますが)で、警...

その後、夜になってからもスラバヤ南東部のシドアルジョで家族による爆発。そして本日また、今度はよりによってスラバヤ警察署で爆破事件が起きるという不気味さ。「家族で」というのは今までにないパターンで、インドネシア中にショックを与えています。

こうしたテロ事件からは様々な影響が起きるわけですが、とりわけ私が気になって仕方が無いのは、子どもたちに対する教育的な影響です。自爆テロ、しかも家族そろって自爆に及ぶというのは、ある意味では子どもたちにとっては「?・?・?」の連続のはずですよね。




親ができるテロ対応と、学校の先生ができるテロ対応

今回とても素早いことに、インドネシア教育文化省が「指針」をインスタグラムで発表していたのでご紹介したいと思います。

「親御さん向け」と「学校の先生向け」の2つに分けてまとめられており、実際に読んでみると、うまくまとめられているなと感心しました。

今回のブログでは、「親御さん向け」コンテンツをご紹介します。

テロ対策の教育ポスター インドネシア教育文化省
【画像:教育文化省が作成した「テロ犯罪について親は子供とどう語り合うべきか」というポスター】

親御さんに投げかけられた6つの指針

テロが起きた後、親は子供にどう対峙するべきか。インドネシアの教育文化省は、次のような指針をインスタグラムで発表しています。

どれも「当たり前」のような内容なのですが、でも一つひとつをじっくり眺めてみると、意外と深いんですよ。私も読んでいて、あらためて「子供とどう対応していくべきか」を考えさせられました。

(1)子どもたちが何を理解しているかを確認しましょう。すでに確認された「事実」にもとづいて、なにが起きているのかを端的に議論することです。「事実」ベースで行うこと。噂や推測をまじえてはいけません。

(2)悲劇のシーンを頻繁に映し出すテレビやソーシャルメディアから受ける影響を最小限にしましょう。特に12歳以下の子どもたちにとっては大事なことです。

(3)子供が感じている恐怖心、おそらく過剰なまでの恐怖心を確認しましょう。子供は一人ひとりがそれぞれ独自の性格をもっていることを理解しましょう。テロ犯罪が起きるのは非常に稀なことですが、でも警戒は常に必要であることを明らかにしましょう。

(4)起きてしまった惨劇に対する感情を表明する機会を用意してあげましょう。もし怒りの感情があれば、怒りの矛先を適切な方向に向かわせるようにしましょう。つまり、犯罪を起こした人や組織に対してです。偏見にもとづいた、特定のグループのアイデンティティーに対する偏見は、避けなければなりません。

(5)家族と過ごす時間を、いつもの日常と同じようにしましょう。心地よい感情が得られるように、また、テロリストの目的に屈服しないように。家族と一緒にいること、そして日常のコミュニケーション。それこそが子どもたちの力になるのです。

(6)悲劇が起きた時に守ってくれたり、助けてくれたりする存在。警察や軍隊、その他組織の活動について、議論したり評価したりする機会を与えましょう。テロリストが引き起こした犯罪の側面に目を向けるのではなく、私たちの手助けをしてくれる存在、そうした人たちの活動や勇気にこそ目を向けて議論するようにしましょう。

どれも大事なことばかり。よくこれだけ簡潔にまとめあげたなと感心するくらいです。そしてこれを読んでみると、生活単位としての「家族」というものの重さを痛感させられます。

こういう惨劇って、ともすれば単なる時事ニュースとして過ぎ去られてしまうもの。でも、家族でじっくり話し合ってみることで得られることもまた、大きいはずなんですよね。

親が気をつけるべき3つのこと

またこの7つに追加して、親が気をつけるべきこととして3点が示されています。

(1)破壊された現場や犠牲者の写真、動画を広めないように。ひどい写真や映像はテロリストの理想であり挑発である。そうした写真や映像を広めることは、テロリストの目的だ。我々はテロリストの目的の一手段となってはいけない。

(2)出典が明らかでない情報を広めてはいけない。うわさや嘘を広めることは、テロの影響をソーシャルメディアを通じて拡大させるための戦略だ。

(3)目をひらき、耳をひらこう。思考の透明度を守り、祈りとともに一つにまとまろう。

特にこの(1)(2)は、ここ2年ほどだけでもインドネシアでだいぶ普及された考え方です。ホントに急速に広まりました。

以前では事故や事件があると、犠牲者の顔も含めて写真が流布されるような状況でしたが、今年に入ると信じられないくらいに減りました。またネットのコミュニティーの中でも、お互いに声をかけあう光景が見られるようになっています。インドネシアはホントに変化が早いな・・・と思います。

テロを単なる事件として風化させないためにも「親」は重要

私が言うまでも無く、一般的に「親」というのはただでさえ忙しいもの。学校以外の話題をテーマに、じっくり子供に寄りそって何かを教えていく・・・そういう機会をつくるのはなかなか大変だったりもします。とりわけこうした時事ネタともなれば、ついついやり過ごしてしまうものですよね。

「けしからんねぇ」とか「信じられないね」とか。そういう「どうでもいい反応」で過ごしてしまったりもするわけです。絶好の教材であるにもかかわらず(遺族の方々には失礼な表現になりますが)。

そうした中で、親はこれをどう扱うべきか。子供の教育という観点で、親はどんな点に配慮すべきなのか。それを指針というかたちで迅速に示した今回の教育文化省の行動は、私は高く評価したいなと思います。

いや、正直な話「余計なお世話だ」と思う人もいるでしょうが、でもつぶさに眺めてみると、やはり考えさせられるところは多いと思うんですよね。特に(1)の「子供がどう理解しているかを確認する」とか、(4)の「子供がどう感じているかを表明させてあげる」とか。この点は非常に重要な点だと思います。一方的に教え諭すというのではなくて。

テロの抑制に向けて、おおくの子どもたちに少しでも良い影響が生まれることを願うばかりです。また、考えたくはないですが・・・、「家族をテロリストにしないために」という視点も、心のどこかで大事にしていたいですよね。

■参考:このテーマに関連するブログ記事です。こちらもどうぞ。

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サムスル
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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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