テロ事件が起きた時、教師は子供とどう接するべきか(インドネシア教育文化省がまとめた7つの指針)

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昨日インドネシア第2の都市、スラバヤの3ヶ所の教会で発生した連続爆破テロ。1つの家族が手分けをして自爆に及んだという凄惨な事件です。

スラバヤでの同時多発テロを、どのようにとらえるべきか
今日の朝、インドネシア第2の都市スラバヤで、連続爆破テロが起きました。3ヶ所の教会で発生した同時多発テロ(厳密には時間差がありますが)で、警...

その後、夜になってからもスラバヤ南東部のシドアルジョで家族による爆発。そして本日また、今度はよりによってスラバヤ警察署で爆破事件が起きるという不気味さ。「家族で」というのは今までにないパターンで、インドネシア中にショックを与えています。

こうしたテロ事件からは様々な影響が起きるわけですが、とりわけ私が気になって仕方が無いのは、子どもたちに対する教育的な影響です。自爆テロ、しかも家族そろって自爆に及ぶというのは、ある意味では子どもたちにとっては「?・?・?」の連続のはずですよね。




学校の先生ができるテロ対応と、親ができるテロ対応

今回とても素早いことに、インドネシア教育文化省が「指針」をインスタグラムで発表していたのでご紹介したいと思います。

「学校の先生向け」と「親御さん向け」の2つに分けてまとめられており、実際に読んでみると、とてもうまくまとめられているなと感心しました。

今回のブログでは、「学校の先生向け」コンテンツをご紹介します。

テロ対策の教育ポスター インドネシア教育文化省
【画像:教育文化省が作成した「先生向けガイド」というポスター】

学校の先生に投げかけられた7つの指針

「学校関係者は、テロの脅威に対して積極的な役割を果たすべきだ」として、次のような指針をインスタグラムで発表しています。これだけ素早く、かつ、インスタグラムで発表してしまうというのは、日本では考えにくいことですよね。まっさきに全国の先生方に伝えたいという情熱すら感じさせられます。

教師は生徒を誘って以下のような活動に努めるよう、7つの指針を打ち出しています。

(1)テロの犯罪について子どもたちに語る時間をつくりましょう。子どもたちにとって、何が起きているかを理解したり追求したりする上で、頼りになるのは先生なのです。

(2)議論しましょう。すでに確認された「事実」にもとづいて、なにが起きているのかを端的に議論することです。「事実」ベースで行うこと。噂や推測をまじえてはいけません。

(3)起きてしまった悲劇や犯罪について、自分がどう感じたのかを発表する機会をつくりましょう。犠牲者やその家族に対する哀悼の意を表明する機会もつくりましょう。

(4)怒りの矛先を適切な方向に向かわるようにしましょう。つまり、犯罪を起こした人や組織に対してであり、決して、偏見にもとづく特定のグループのアイデンティティーに対して怒りをぶつけるようであってはなりません。

(5)通常のルーチン(日課)に戻るようにしましょう。テロが成功するのは、恐怖によって人々の日常生活を変えることに成功したときです。

(6)ポジティブに考えるように生徒をいざないましょう。私たちの国は今までに多くの悲劇や課題を乗り越えてきました。強い精神と、相互扶助、一つにまとまりお互いに守り合う、そうした気持ちで乗り越えてきたのです。そのことを思い出しましょう。

(7)悲劇が起きた時に守ってくれたり、助けてくれたりする存在。警察や軍隊、その他組織の活動について、議論したり評価したりする機会を与えましょう。テロリストが引き起こした犯罪の側面に目を向けるのではなく、私たちの手助けをしてくれる存在、そうした人たちの活動や勇気にこそ目を向けて議論するようにしましょう。

どれも大事なことばかり。よくこれだけ簡潔にまとめあげたなと感心するくらいです。そしてこれを読んでみると、「教師」の役割の大きさについて、改めて感じ入ります・・・。

日本だと(7)はセンシティブでしょうか? 私は非常に大事な点だと思います。困ったことがあったらお互いに支え合う。日本でもインドネシアでも共通して存在する価値観だと思いますが、より一層強くなっていくといいですよね。

学校の先生が気をつけるべき3つのこと

またこの7つに追加して、教師が気をつけるべきこととして3点が示されています。

(1)破壊された現場や犠牲者の写真、動画を広めないように。ひどい写真や映像はテロリストの理想であり挑発である。そうした写真や映像を広めることは、テロリストの目的だ。我々はテロリストの目的の一手段となってはいけない。

(2)出典が明らかでない情報を広めてはいけない。うわさや嘘を広めることは、テロの影響をソーシャルメディアを通じて拡大させるための戦略だ。

(3)目をひらき、耳をひらこう。思考の透明度を守り、祈りとともに一つにまとまろう。

特にこの(1)(2)は、ここ2年ほどだけでもインドネシアでだいぶ普及された考え方です。ホントに急速に広まりました。

以前では事故や事件があると、犠牲者の顔も含めて写真が流布されるような状況でしたが、今年に入ると信じられないくらいに減りました。またネットのコミュニティーの中でも、お互いに声をかけあう光景が見られるようになっています。インドネシアはホントに変化が早いな・・・と思います。

テロから何を学ぶのか、教育の役割は重要

私があえて言うまでもなく、テロや犯罪の抑制において、たとえ時間がかかっても大事なことは「教育」にあると感じます。今回のようなテロが起きたあと、先生がどう子供に対応するかはとても重要。

他人事としてとらえるのではなく、どれだけ自分ごととしてとらえることができるか。どれだけの悲しみを共有できるのか。なぜこんなことが起きるのか。どうしたら防ぐことができるのか・・・。

考えるべきことはたくさん。そして考えさせるだけでなく、私が非常に良いなと思ったのは、上記のうち(3)の部分です。「起きてしまった悲劇や犯罪について、自分がどう感じたのかを発表する機会を」と。

教訓めいたことを共有するとか、何かを教える・・・ということは簡単。でも大事なことは、子ども一人ひとりがどう受け止めたのか。そしてそれをみんなで共有すること。ここに大きな価値があると思うんですよね。

とてつもなく凄惨な事件。子供連れで犯行におよぶ・・・というのは、子どもたちにも大きな影響を及ぼしかねません。そうしたなかで、教育文化省がいちはやく指針を発表したという点は素晴らしいことだなと思いました。テロの抑制に向けて、おおくの子どもたちに少しでも良い影響が生まれることを願うばかりです。

■参考:このテーマに関連するブログ記事です。こちらもどうぞ。

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サムスル
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