「インドネシア日本語教育学会」の試みと、国際交流基金「日本語パートナーズ」の試み

シェアしていただけると嬉しいです!

インドネシアで急増する日本語学習者の数。

国際交流基金が3年ごとに調査をしている統計値によると、
インドネシアの日本語学習者の数は、
中国に続いて、世界で第2位となりました。

とりわけ「10代、20代の若者世代」に限定すれば、
中国を抜いて世界一になるのではないかとすら言われています。

日本語を学ぶということは、日本の文化を学ぶこと。
日本人との交流も増えるわけで、大いに歓迎すべきことです。
しかしながら、「急増する日本語学習者」という現象は、
日本語教師の不足や、教育の質の確保という点で、
いろいろな課題をもたらしつつあります。

その点については、前回のブログでまとめました。

(参考:samsul.comブログから)
 
■2014年7月11日up
 インドネシアで急増する日本語学習者。日本語教員の「数」と「質」の課題

これらの問題は、一朝一夕に解決するものではありませんが、
そうした課題への取り組みの例として、今回のブログでは2つの点について、
それぞれご紹介したいと思います。

(1)「インドネシア日本語教育学会:東ジャワ支部」の試み
(2)国際交流基金「日本語パートナーズ」の試み

「インドネシア日本語教育学会」東ジャワ支部の勉強会
【写真:6月に開催された「インドネシア日本語教育学会」東ジャワ支部の勉強会】

スポンサーリンク

(1)「インドネシア日本語教育学会:東ジャワ支部」の試み

先月の20日午前、インドネシア第2の都市スラバヤで、
日本語教員を集めた研修会が開催されました。

主催は「インドネシア日本語教育学会」東ジャワ支部。
開催場所は、現地の日本語教育でも名高い、
国立アイルランガ大学(Airlangga)です。

私は日本語教員ではありませんが、
日本で日本語教育の資格(に相当するもの)をもつこともあり、
とても関心のあるテーマです。
お願いしたところ、特別に参加させていただくことができました。

     □     □     □

今回の勉強会のテーマは、
「初級から中級へ(インプットからアウトプットへ)」というもの。
講師は、スラバヤ国立大学でご活躍されている松本剛次様でした。

「初級学習者」を「中級学習者」へと導いていくこと。
そのための理想的なモデルや、手法などが解説されました。

今回のセミナー(ワークショップもあり)に参加したのは、
東ジャワで活躍する日本語教員たち。
そのほとんどがインドネシア人教員で、
セミナーもワークショップも全て日本語だけで行われました。

     □     □     □

私は日本語教師ではありませんが、昨年(2013年)、
日本語教師になるために推奨されているプログラム、
「日本語教師養成420時間コース」を修了しています。

今回の勉強会で取り上げられたテーマは、
「日本語教師養成420時間コース」で学習した範囲内でした。
それでも、インドネシア人教員にとっては、
得るところが多くあったようで、
一生懸命に受講していた姿が印象的でした。

     □     □     □

ワークショップでは、
アニメ映像を教材に使った場合の授業アイディアが
ディスカッションされました。

インドネシアの日本語学習者、特に若い世代は、
「アニメ」がきっかけで学習をスタートした人が多く
教員たちからも、多くの授業アイディアが提起されました。

ある教員の授業アイディアが、
他の教員にとっては、斬新だったりして、
こうした「授業アイディア」のディスカッションは、
教育の質を上げる意味でも、とても有意義なものだと感じました。

     □     □     □

ちなみに、今回のセミナー講師は、
国際交流基金の日本人スタッフによるもので、
いわば「日本語教育のプロ」です。

「日本語教育のプロ」からのコメントや意見を添えること。
それによって、
インドネシア人教員からのアイディア提起を
そのまま「言いっぱなし」に終わらせることなく、
また、単なる「面白いアイディア」に終わらせることなく、
きちんと「授業で活用できるアイディア」へと昇華できていること。

インドネシア人教員たちに大いに刺激になったのは、
そんな点も作用していたようです。

(2)2014年からスタートする「日本語パートナーズ」の試み

もちろん、こうした試みは、
「教育の質」を上げるための地道な試みです。

本当に大事な取り組み。
じっくり、じっくり・・・。
本当に本当に大事な取り組みではあるのですが、
どうしても、それなりの時間がかかってしまいます。

インドネシアで急速に拡大する「日本語教員需要」に対し、
タイムリーに応え切れるものではありません。

でも、「質の高い教員を急速にそろえる」というのは、
これまた困難なこと。
これについては、国際交流基金が、
異なる角度からのアプローチで、新たなチャレンジをスタートさせています。

     □     □     □

「教員そのものを増やす」のではなく、
「現地教員のサポーター」を派遣するというかたち。
それが「日本語パートナーズ」という試みで、
2014年9月から第1期のスタッフが派遣される予定です。

国際交流基金 – “日本語パートナーズ”
“日本語パートナーズ”とは

アジアセンターが、ASEAN諸国の教育機関で日本語を教える教師やその生徒のパートナーとして一定期間、日本から派遣する人のこと。派遣先は主に中等教育機関、日本で言うと高校です。授業のアシスタントをしたり、日本文化を紹介したり。また、授業以外でも多くの交流を試みてください。きっと、あなたは’教える’だけでなく、現地の言語や文化・習慣について’学べる’ことでしょう。約半年から一年未満と短い期間ですが、多くを発見・吸収し、それを周囲へ、未来へ、どんどん広げる…そんな人になってみませんか?

現地での活動内容
大きな柱は2つ。1つは、現地教師のアシスタントとして授業運営に携わること。もう1つは、派遣先校の生徒や地域の人たちに日本文化の紹介を通じた交流活動を行うことです。”日本語パートナーズ”には赴任する前の研修で、現地での活動に必要な技能や生活に必要な語学や知識を学んでいただきます。

(わかりやすくなるように、大事な点を赤く塗りました)

「日本人の日本語教員」をインドネシアで増やすのには限界がある。
そうであるならば・・・、
現地で奮闘する「インドネシア人の日本語教員」をサポートするための、
いわば「日本人サポーター」を派遣することで、
現地教員の教育レベルの向上を進めていこうという施策になります。

「教師の派遣」であれば、日本語教員としての資格(に相当するもの)が必要ですが、
「サポーターの派遣」であれば、必ずしも必要ではなくなります。
したがって、人員確保が、より容易になります。

     □     □     □

今回のブログでは、
「インドネシア日本語教育学会」東ジャワ支部の試みと、
国際交流基金「日本語パートナーズ」の試みをご紹介しました。

繰り返しになりますが、
日本語を勉強したいという学習者が増えていることは
本当に喜ばしいこと。
それに対し、よりよい教育環境を構築すべく、
現地で奮闘している日本語教員たちの努力にも心を打たれます。

私自身、インドネシアと日本の架け橋となるべく、
日本語教育まわりについても、
できる限りの努力をしたいと思っているところです。




サムスル
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

スポンサーリンク

あわせて読みたい関連記事




スポンサーリンク







シェアしていただけると嬉しいです!

フォローする

スポンサーリンク