インドネシアIKEA商標騒動の続報で、双方から衝撃的なコメントが

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先日、インドネシア「IKEA商標」の騒動について、ブログにまとめました。
今回はその続報です。

(参考:samsul.comブログから)
 
■2016年2月6日up
 まさかの判決、インドネシアでIKEAの商標が最高裁でIKEA社から現地企業へ

世界展開で有名な家具メーカー「IKEA」。
インドネシアでも、すでに2014年10月15日にジャカルタのタンゲランで開業しています。

そのインドネシアにおける「IKEA」の商標が、
インドネシアの最高裁判決によって、なんと
スラバヤのラタニア・カトゥリスティワ社に移管されることになったという件です。

イケアは、2010年にインドネシアで商標登録していて、
ラタニア・カトゥリスティワ社が申請したのは、2013年末だというのに、
いったいどうしたらこんなことが起きるのか? というびっくりなニュース。

これについて、ニュースサイト「detik.com」が、興味深い続報を出していたので紹介します。

しばらく沈黙していたIKEA側が記者会見を開いたこと。
そして、「detik.com」記者が、ラタニア・カトゥリスティワ社を訪問した意外な結果が明らかにされています。

「最高裁はインドネシアにおけるIKEA商標を剥奪。IKEA Alam Sutera社は「我々は政府を信じる」とコメント」とのdetik.comの記事より【画像:「最高裁はインドネシアにおけるIKEA商標を剥奪。IKEA Alam Sutera社は「我々は政府を信じる」とコメント」とのdetik.comの記事より】

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インドネシアでイケアを展開する「IKEA Alam Sutera」。
その親会社である「Hero Supermarket」の代表が、
本日ジャカルタで記者会見を開いたことが報じられています。

2つの記事があり、内容は似ているのですが・・・、

2つを合わせて読んでみることで、より全体像が見えやすくなるので、
まずはこちらから。

「最高裁はインドネシアにおけるIKEA商標を剥奪。IKEA Alam Sutera社は「我々は政府を信じる」とコメント」MA Cabut Merek IKEA di Indonesia, IKEA Alam Sutera: We Trust Government(12 Feb 2016, 11:57)

前回のブログで書いた通り、
インドネシア最高裁による、IKEAの商標の帰属についての判決。

元々の所有者である「IKEA Alam Sutera社」ではなく、
スラバヤの「Ratania Khatulistiwa社」を勝者と評決しています。

インドネシア最高裁は、スラバヤの企業、Ratania Khatulistiwa社をIKEAの商標の勝者として決定した。この決定について、IKEA Alam Sutera 社は、今のまま事業を継続し、最高裁の決定には影響されないと表明した。

「私たちはインドネシア政府を信じます。私が思うに、この種のことは起きうることですが、私たちは政府を信じます」とMark Magee氏は語った。

この問題は、ジャカルタのフェアモントホテルで2月12日に開催された記者会見で表明された。Mark氏は、ジャカルタのタンゲランにある家具店「IKEA Alam Sutera」を運営するHero Supermarket社の社長。今日、IKEAはすでに世界45ヶ国に展開しているが、IKEA Alam Sutera は、インドネシアで唯一のIKEAショップとなっている。

「Hero社は、インドネシアにおけるフランチャイズの公正な商標を受け取った企業です。今日この場でお伝えする様々なことは、インドネシアにおけるイケアのフランチャイズ取得者としての私たちの考え方に沿ってお話しするものです」とMagee氏は語る。

すでに知られているとおり、Ratania社は、IKEAの商標について、中央ジャカルタ地裁に訴えた。Ratania社は、Intan Khatuslistiwa Eka Abadiの頭文字であるIKEAの商標を所有することを認めている(渡邉注:前回Kompas記事によれば、籐(ラタン)産業を示すものだとのこと)。スウェーデンのIKEAは、Ingvar、Kamprad、Elmatay、Agunnarydの頭文字からなるIKEAだ。

中央ジャカルタ地裁と最高裁は、いずれもこの要求を認め、Inter System IKEA BV社に対し、インドネシアにおける商標を取り下げることを求めている。

商標を所有していた「IKEA Alam Sutera社」としては、
「最高裁の影響を受けない」で、引き続き、店舗の運営を継続すると。

「最高裁の意思決定には従わない」との表明。
そして、インドネシア政府が何らかの対応をするはずだという表明になっています。

「最高裁の判決に従わない」というのは、冷静に考えれば
大企業の意思表明としては、なかなか衝撃的です。

一方で、今回の判決の不自然さは欧米ニュース機関でも報道がされていて、
「今回の判決は、どう考えてもおかしい」という大方の見方に支持されている、
その自信の表れとも言えそうです。

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続いてこちらの記事。今回の商標の勝者となった、
スラバヤの「Ratania Khatulistiwa社」は、どう受け止めているか? という問題。

結論からすれば、正式なコメントは出していません。
でも記事を最後まで読むと、これまた衝撃的な内容が見えてきます。

「最高裁の評決には影響されない。IKEA Alam Sutera社は商標の証明書を公表」Tak Terpengaruh Vonis MA, IKEA Alam Sutera Perlihatkan Sertifikat Mereknya(12 Feb 2016, 13:32)

「最高裁はインドネシアにおけるIKEA商標を剥奪。IKEA Alam Sutera社は「我々は政府を信じる」とコメント」とのdetik.comの記事より【画像:「最高裁の評決には影響されない。IKEA Alam Sutera社は商標の証明書を公表」とのdetik.comの記事より】

内容は先ほどの記事とほぼ同じ。
中身は似ているのですが、最後の衝撃的なコメントにご注目を。

IKEA Alam Sutera社は、Ratania Khatulistiwa社をIKEAの商標の所有者と認めた最高裁の決定に影響されない。最高裁によれば、IKEAの商標はRatania Khatulistiwa社の所有となっている。

「Hero社は、インドネシアにおけるフランチャイズの公正な商標を受け取った会社だ」と、Hero Supermarket社のIKEA事業部の代表であるMark Magee氏は、ジャカルタのフェアモントホテルで2月12日に開催された記者会見で語った。

「ジャカルタの商業裁判所と最高裁判所の決定は、IKEAの商標を別の存在に付与してません」とMagee氏は付け加えた。

Magee氏が正したことは、IKEAの商標の2クラス(渡邉注:詳細不明)に対する取り消しがあったということだ。彼が言うには、2013年12月に中央ジャカルタ地裁の商事裁判所に対してブランドの取り消しの訴訟を提起した存在がいるということだ。

「そのような訴訟を提起した存在がいて、それは3年連続で商標が利用されなかったという理由だった。私たちは2014年に再度の登録作業の努力をした。しかしその年、商事裁判所はその2つのクラスの証明書のキャンセルを決定しました。なぜなら3年連続で利用されなかったからです」

この記者会見には、Hero Supermarket社の法律責任者であるWahyu Trikusumo氏や、インドネシアにおける欧州商工会議所の代表であるUlf Backlund氏、IKEA Indonesiaの政府関係部門の責任者であるUlf Backlund氏も同席していた。多くの人びとに確信をいだいてもらうため、IKEAは所有する商標の証明書を見せた。

「私たちが言いたいのは、裁判所の決定はインドネシアのIKEAに対しては何の影響もないということです。Alam Suteraにおいては、そのまま店舗を運営し、通常通りIKEAの製品を販売します」とMagee氏は強調した。

すでに知られているとおり、Ratania社は、IKEAの商標について、中央ジャカルタ地裁に訴えた。Ratania社は、Intan Khatuslistiwa Eka Abadiの頭文字であるIKEAの商標を所有することを認めている。スウェーデンのIKEAは、Ingvar、Kamprad、Elmatay、Agunnarydの頭文字からなるIKEAだ。中央ジャカルタ地裁と最高裁は、いずれもこの要求を認め、Inter System IKEA BV社に対し、インドネシアにおける商標を取り下げることを求めている。

では「イケア・スラバヤ」はどうなっているだろうか? Ratania社はスラバヤに本拠を置く。本誌はその家具企業を2月9日に訪問してみたが、場の雰囲気は閑散としており、企業や工場としての活動は見られなかった。

「もう家具は生産していないよ」と、建物入口の警備員であるTri Susilo氏は語った。

「えっ、本当に?」という結末。
まるで、インドネシアお笑い劇場とでも言いたくなるような内容です。

余談ながら「Triさん、そんなコメントをしたら解雇されちゃうよ!」と、
いらぬ心配をしたくもなります・・・。

     □     □     □

私はインドネシアの法律の専門家ではありません。

ただ、インドネシア法の法理と運用に関する「素人」としての見解は、
前回のブログで書いた通りですが・・・、

イケア本社の「世界的展開」と、「歴史的展開」に加えて、
「インドネシアでの開業にまつわる時間的問題」などをふまえれば、
わずか1点、「商業目的の商標が3年連続で利用されなかった」という点は、
「商標の取り消しをしなければいけない」ほどの理由とは言いがたい、
そう解釈されてしかるべきと私は考えています。

法律の条文にあたったわけではありませんが、
前回紹介した記事の文章に従うと、
「商標の取り消しがなされうる」との表記になっていて、
「商標は取り消される」とか「商標は取り消されなければいけない」との表記ではないのです。

今回の最高裁判決も、裁判官全員が一致した見解ではなかったという点に、
その部分の難しさを垣間見ることができます。

     □     □     □

また、昨年のGo-JEK禁止騒動においても、
ジョコウィ大統領は、次のような趣旨の意思表明をしています。

「国民に広く必要とされている存在であれば、
 規則の厳格な適用によって、国民を困らせるようなことがあってはならない。
 やみくもに禁止をするのではなくて、きちんと法整備をすべきだ」と。

(参考:samsul.comブログから)
 
■2015年12月18日up
 Go-Jek等のバイクタクシー配車アプリを政府が禁止、でも翌日また撤回というインドネシアの珍騒動

今回「IKEA Alam Sutera」社側が「政府を信じたい」と表明したのは、
おそらくこのあたりの経緯があってのことではないかという気もします。

懸念されるのは、これによって海外からの投資に悪影響が出ること。

「インドネシアの法の運用は、いったいどうなっているの?」
昔から存在する懸念事項ですが、このあたりの払拭もまた、
インドネシアを次のステージに進めていくためには、
重要かつ緊急度の高い課題になってきたと言えそうです。

(大企業が最高裁判決に従わない表明をするのも、ここが影響していますね)

サムスル
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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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