インドネシアの大統領選挙|2014年選挙の予測について

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2014年のインドネシア大統領選挙を占う記事があったので、ご紹介します。

現在、広範囲の支持を受けるユドヨノ大統領ですが、「2期10年」という大統領任期が定められてからの最初の大統領。現在2期目のため、次は立候補できないことになっています。

というわけで、次の2014年大統領選挙。誰が大統領に選ばれるのか。現在の好調なインドネシア経済がどこまで続くのか、世界からの投資熱が集まる中で、国家の成長を維持できるだけの大統領が誰になるのか・・・。

これから、ますます大きな関心事となるであろうことは間違いありません。

ジャカルタの高層ビル
【写真:成長を続けるインドネシア・ジャカルタ中心部にて(2012年11月撮影)】

今回の予測記事では、このような内容が展開されています。
 

【インドネシア】松井和久氏、14年の大統領選挙を予測[政治]/NNA.ASIA

JACビジネスセンターのシニアアドバイザーを務める松井和久氏は、憲法の規定で再選できないユドヨノ大統領に代わり、2014年の選挙で選ばれる新しい大統領について、今後の経済情勢が「最大の決定要因になる」との見解を示した。堅調な経済成長が続けば、新しい世代の指導者が登場すると指摘する一方で、情勢が悪化すれば「変化」よりも「守り」に入る国民が強い指導者を望むため、旧来型の候補者が返り咲く可能性はあると予想した。

先日行われた講演会の内容を紹介した記事。実は、私も参加したい講演だったのですが、開催場所がジャカルタ!ということで、参加できず。実際の講演は、内容の詰まった濃密なものだったことと思います。

今回の記事は、だいぶ簡潔にまとめてあります。

今後のインドネシアがどうなるか。いくつかの典型的な情勢仮定を踏まえて、いくつかの異なる可能性を示しており、特に「●●が有力だ!」というような見解は出していません。短い記事ではあるのですが、それでも比較的丁寧な記事だと思いました。
 
 


 
 
というのは、正直言って、今から次の有力候補を読むのは至難の業だと考えるためです。

それは、インドネシアの経済胎動が本格的なものとなった確信がある反面で、今の成長がそのまま持続可能なものであるかどうか、不安定要因も非常に多いというのが理由です。

年間6%もの、輝かしい経済成長が続く中、それでも一方で、それくらいの成長が続かないことには新規雇用を吸収しきれない(失業率を維持できない)という事情もあったりして、なかなかに難しい運営を迫られている実態もあるわけです。

そういう意味では、「●●が有力」という直言をしていない分、予測になっていないと言えばそれまでなのですが、でも、あえて、直言せずに展開しているところ、私は好感をもって読むことができました。
 
 


 
 
「今後の経済情勢が、最大の決定要因になる」との見解については、私も完全同意です。
今の比較的安定したインドネシアを維持できているのは、一にも二にも、
現在の経済好調によるところが非常に大きいと考えています。

インドネシアの成長を伝える記事は増える一方で、日本企業の進出もすさまじい勢い。
統計数字を見ても、好調なデータばかりが続きます。

そんな中で、労働条件をめぐる争議が起き始めていたり、石油等の物価上昇の可能性があったり
(補助金で安くしているのですが、補助金の削減を政府が検討中。ガソリンの大幅値上げは、交通費の大幅値上げとなって人々の経済負担に直撃します)

ローン規制の導入に伴うバイク等の販売減だったり、
(経済の健全化につながり、中長期の経済発展にはプラスですが、短期的には一定の問題を引き起こすでしょう)

マイナス要因、あるいは、運営を困難にする難しい要因のニュースも出てきていることも事実。
 
 


 
 
従って、記事中には、こうした記述もありました。
 

【インドネシア】松井和久氏、14年の大統領選挙を予測[政治]/NNA.ASIA

経済が悪化した場合には、それに対応できる強い指導者への期待が高まると強調。そのイメージを前面に出した大インドネシア行動党(Gerindra)が擁立するプラボウォ党首がリードしていると指摘した。

このほか、強い指導者が求められる状況では、現在も散見される経済ナショナリズムの期待感がさらに強まると指摘。経済力が向上し自信をつけたインドネシアで、経済ナショナリズムがどのような形になって表れるのか、注視する必要があると補足した。

実際、まだまだ読めないというのが実態なのだろうと思います。

記事中では、「誰が次期大統領に選ばれるのかについては「あと1年くらいしたら再び話したい」との抜粋もありますが、これは、たぶん本音だと思います。

今の情勢からでは、まったく読めないのが実態のはず。

逆に、今から「次は●●だろう」と読んでいる識者があれば、「?」と思っておいた方が良いのではないかと思います。
 
 


 
 
そもそもインドネシアの未来というのは、予測が非常に難しいものと私は思います。

かつて「スハルトの次の大統領は?」というテーマがあった時も、当時の私は「ハビビでは?」などと言って、結果として「当たり」でしたが、私自身、本格的な確証があったわけではありませんでした。

これからのインドネシアがどうなるか。「大統領」が担う役割は非常に大きく、これからも、引き続き注視していきたいテーマです。

状況が進み次第、またブログで見解をお伝えしたいと思っています。
 

「インドネシア大統領選挙2014」関連ブログ記事

2014年のインドネシア大統領選挙に関連するブログ記事です。こちらもどうぞ。

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■参考:その他、このテーマに関連するブログ記事です。

(参考:samsul.comブログから)
 
■1998年1月9日up
 「新年早々、気がかりでならないこと」(インドネシアの話)

■1999年6月21日up
 「インドネシアの変革と未来」真価が問われるのはこれからだ

■2008年1月28日up
 スハルト元インドネシア大統領の退場に思う

 
 
サムスル
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時の運と人の縁を極める日々の記録 】  渡邉 裕晃
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