今回は「不動産の資格」がテーマです。不動産といえば宅建が有名ですが、それ以外にもたくさんの関連資格が存在します。役に立つ資格はあるのでしょうか。
「不動産投資に資格はいらないよ」という声もあります。一方で、不動産業界では「宅建の取得」が幅広く推奨されています。不動産投資において宅建資格にチャレンジする意味はあるのでしょうか。それとも時間の無駄なのでしょうか?
そこで今回は、不動産資格を取得する必要性やメリットも含め、不動産資格に関する全般をまとめてみました。今回紹介するのは「不動産実務検定」「FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)」そして「検定宅地建物取引士(宅建)試験」の3つで、いずれも私自身が取得をしたものです。
この記事を参考に、ぜひ資格取得にチャレンジしてみて下さい。
目次
不動産投資の勉強に役に立つ資格は?
数年前から「ブーム」の様相を呈するほどに活況なのが不動産投資。関連書籍の出版点数も増え、さまざまなセミナーが開催され、ウェブサイトやニュースでも見かけることがとても多くなっています。
そんな中、あまり勉強もせずに不動産投資に手を出そうとしている人も少なくないのでは?というのが、私が見ている限りでの正直な感想。先日のブログ「不動産投資で成功する人、失敗する人」でも、「勉強することの大切さ」を書いたつもりです。
ただ、「不動産について勉強する」と言っても、いろいろな方法があることは事実。本を読む、セミナーに行く、仲間を作る・・・。さまざまなやり方があるわけですが、全体の基礎をおさえること。土台となる基盤をかたちづくること。そういう意味で意外とオススメなのが「検定」や「資格」にチャレンジしてみることです。
不動産投資に資格は必要? 何のための資格?
不動産投資に資格はいりません。資格が無くてもできてしまうのが不動産投資なわけですが、だからこそ、深く勉強することなく業者任せにしてしまったり、あまり調べもしないで投資をしてしまったり、あるいは「頭金ゼロで投資できる!」と安易に飛びついてしまったり。
後になって後悔しても、その損害を取り戻すには「金額」面でも「時間」面でも、大きなコストを強いられるはず。
もちろん不動産投資に資格も検定もいらないわけですが、でも、全体の基礎をしっかりおさえておくこと。知識の全体的な底上げをはかるという意味ではオススメです。
「重箱の隅」のような知識、ホントに投資に役に立つ資格?
もちろん、検定や資格に特有の、いわゆる「重箱の隅」問題もあります。「そんなことまで覚えなくてもいいじゃん!」みたいなことも覚えなくてはいけない。「そんなことして意味あるの?」と思うかもしれません。
しかし、「そういうところまで学習しなければいけないからこそ見えてくるものがあるはず!」というのが、実際にいくつかの検定や資格をクリアしてきた私の率直な感想です。
では、私がオススメする3つの資格をご紹介しましょう。いずれも私自身が取得したものです。なお取得した年は以下のとおりです。
- 不動産実務検定1級(2016年)【不動産実務検定の合格体験記】
- ファイナンシャル・プランニング技能士2級(2017年)【FPの合格体験記】
- 宅建士資格合格(2017年)【宅建の合格体験記】
- AFP(日本FP協会認定)資格取得(2017年)
不動産投資の資格なら不動産実務検定(旧:大家検定)
まずは「不動産実務検定」です。もしかしたら聞き慣れない検定かもしれませんが、もともとは「大家検定」という名前でした。
大家さんのためのテスト。つまり、アパートやマンションをもち、賃貸経営をしていくのに欠かせない知識を学ぶことのできる検定試験です。今回ご紹介する3つの資格の中では、もっとも不動産投資に近い存在のテストかなと。
不動産投資と不動産経営の実務が学べる!
「2級」と「1級」、さらに上級資格である「マスター」という3種類が用意されています。「2級は主に賃貸管理運営に関する知識・技能。1級は不動産投資及び土地活用に関する知識・技能」が試験の対象になっています。そして1級と2級の両方に合格すると、「マスター認定」にチャレンジすることができるようになっています。(検定協会の説明文より)。
自分で教材を使って勉強し、その知識をもって検定試験に望む!というのも「あり」なのですが、私がぜひオススメしたいのは、不動産実務検定を主催する「日本不動産コミュニティー」の検定講習に参加すること。
不動産のプロから学ぶことができるだけでなく、一緒に学ぶ生徒たちからも大きな刺激を受けることができるはずですよ。
独学より講習への参加をオススメする理由
私は講習から参加しましたが、さまざまに異なるノウハウをもった複数の講師が丁寧に教えてくれて、私の関心に応じてテキスト以外の話もたくさん話してくれて。私はここで世界が広がりました。また、講師によって専門領域が異なることから、不動産といっても実に幅広い領域があるんだな・・・と感心させられ、さらなる興味を惹きつけられたというのも事実。
ぜひ講習の段階から参加されることをオススメします。意外な仲間ができるかもしれませんよ。
不動産投資の資格ならFP(ファイナンシャル・プランニング技能士)検定
続いてご紹介するのは、FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)検定。国家資格の一つでもありますが、「1級」と「2級」が用意されています。また、これとは別に「日本FP協会」が運営する「AFP資格」、その上級版の「CFP資格」もあります。
お金という観点か人生設計を考えることができる!
FPは、人生のライフプランをお金という観点から設計していくというもので、不動産に限らず、さまざまな金融商品や保険、年金といった、多種多様な商品について学ぶことが出来ます。
また、人生の中のライフイベントをふまえ、いつどんな出費があり、どのように備えていくべきかを考えたり、住宅ローンや保険の設計をどう考えるべきか・・・など、「人生とお金」というテーマ全般についてを学習することが可能です。
不動産投資を人生全体の中でどう位置づけるべきか
「不動産投資」も、単なる投資として位置づけるだけでなく、人生全体の中でどうあるべきかを考えることが重要。だって、人生を輝かせるための不動産投資であるべきですからね。
FPは、不動産についてのみを学ぶものではないので「不動産投資」に直結するとは言い難い側面もありますが、不動産も含めた人生全体のプランニング、という点で、大いに学ぶべきところがあると私は考えています。
不動産投資の資格なら宅地建物取引士(宅建)試験
最後にご紹介するのは不動産分野の王道、宅地建物取引士(宅建)試験です。これも国家資格ですね。合格率の低い難関資格としても知られています。結論からすれば、不動産投資を進めるにあたって非常にオススメできる資格です。
不動産の仕組みや不動産取引全般が非常によくわかる!
ホントに難しくて、最初に問題集を見た時「なんじゃ、こりゃ!」と思ったこと、今でも覚えています。日本語の文章なのに何を言っているのか全くわからないという。宅建は生半可な気持ちでは受かりません。でも、それだけにやりがいのある資格。
不動産投資そのものについての学習というよりも、不動産の仕組み、不動産取引全般についての学習になります。
重箱の隅を突くような問題も多く、覚えることもたくさん。でも、歯を食いしばって頑張ることで、少しずつ覚えていきますし、やっているうちに「あー、これってこういうことなのか!」とか、不動産について見えてくることがたくさんあるんです。
不動産投資で宅建資格が役立つ意外な効果!
また、意外な効果として言えるのではないかな・・・と思うのが、不動産投資を進めていくにあたって「宅建士合格」という肩書は、不動産業者とのコミュニケーションに役立つような気がします。営業マンも、「この人、宅建もってるのか!」と、より違った対応になる可能性もあります。
「この人には、ちゃんとした説明をしなくちゃ!」となるかもしれないし、逆に「この人は勉強している人だから、より高度な提案ができるかも!」となる可能性も考えられますよね。不動産投資における宅建のメリットはとても大きいと私は考えています。
不動産投資に役立つ資格、他にはどんな資格が?
というわけで、3つのオススメ資格をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか? 前述の通り「不動産」はとても幅広い範囲を扱うもので、上記の3つを見ても、それぞれ取り扱う範囲だったり、切り取る角度が違っていたりしますよね。
「不動産」をテーマに見ていくと、他にもたくさんの検定や資格があります。
不動産鑑定という観点(不動産鑑定士)もあれば、不動産管理という観点(マンション管理士・管理業務主任者)もあり、また、賃貸経営に特化したもの(賃貸不動産経営管理士)もあれば、住宅のメンテナンス、不動産営業スキル、あるいは相続や承継に焦点をあてたものも・・・。ホントにたくさんあるんですよ。
「RIA不動産投資アドバイザー」や「投資不動産取引士(一般社団法人投資不動産流通協会)」、「住宅ローンアドバイザー」とか「土地活用プランナー」とか、その他いろいろ。
でも、やたらと難しかったり、合格までに要する時間が長すぎたり。あるいは「?」というものだったり・・・という意味では、私はオススメに入れませんでした。検索するとたくさん出てくるので、もし興味のある方は、調べてみるといいかと思います。
不動産投資で資格にチャレンジ!通信講座の活用を
なお、資格にチャレンジするなら、通信講座の活用がおすすめです。今回紹介した3資格のうち、FPと宅建士については資格学校TACの通信講座を利用しました。
もちろんTACの講座もおすすめですが、教材が非常に丁寧に作られている反面、コストが高いのがネックです。もし今の私なら、スタディングの通信教育を活用するでしょう。
②PCやスマホで受講できる
③講座が30分ごとにコンパクトにまとまっている
などの特徴があります。参考までに「FP」と「宅建士」の講座を紹介します。無料で試せる機能もあるので、ぜひ気軽に利用してみて下さい。
FPならスタディングの「FP3級・2級セットコース」
FPの通信講座なら、「スタディング FP講座」があります。
・FP3級・2級セットコース
・FP2級合格コース
という2種類がありますが、いずれも3万円を切る安さです。私の場合は、AFP取得後にFP2級を取得しましたが、AFPを持っていない場合はFP3級からチャレンジする必要があります。
2級と3級のセット講座でも、2級単体の講座でも値段はあまり変わりません。無料のお試し講座もあるので、実際に使ってみてから購入を判断すると良いでしょう。
なお無料登録すると、次のような特典があります。
・無料セミナー「FPの魅力と着実に合格する4つのポイント」
・「FP試験過去問分析-詳細版(2級/3級)」
・「よく出る一問一答集60 FP2級・3級」
宅建ならスタディングの「宅建士合格コース」
宅建の通信講座なら「スタディング 宅建士講座」があります。
こちらは2万円を切る安さで、正直なところ驚きました。こんなに安い値段で勉強ができるなんて、ホントにうらやましいです・・・。
オンラインでの講座ですが、テキストから過去問など、総合的にまとまっているので、これを繰り返すだけでも充分に合格できるのではないでしょうか。こちらも無料講座があるので、ぜひ試してみて下さい。
なお無料登録すると、次のような特典があります。
・無料セミナー「失敗しない 宅建合格法 5つのルール」
資格の勉強も不動産投資の役に立つ!ぜひチャレンジを!
「不動産投資に役立つ資格」について、私の体験も含めて紹介してきました。
もちろん「資格なんて勉強しても、単なるお勉強にすぎないよ」という批判もあることでしょう。たしかに実践して経験を積み、経験から学ぶということも大事です。
しかし、不動産投資は高額なだけに、おいそれと失敗できないのも事実です。だからこそ大いに勉強することが大切だと私は考えています。資格だけではダメですが、資格学習から学べることも多いですよ!というのが私の感想です。
以上、何らかの参考になれば幸いです!なお次の記事も、ぜひどうぞ。