松丸本舗の挑戦(3)検索より探索を重視、書店の哲学を発信しよう!

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「丸善」の書店内書店「松丸本舗」の取り組みをテーマとするコラム。前回コラムの続きになります。もし前回コラムをご覧になっていないようであれば、ぜひ、こちらをご覧下さい。
 
「松丸本舗」のロゴ
【写真:「松丸本舗」のロゴ】

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オンライン書店が「検索」なら、松丸本舗は「探索」

「松丸本舗」のような書店と、オンラインブックストアとの違い。先程は、松丸を「線」に、オンラインを「点」に比喩しましたが、乱暴を承知で、言い変えるならば、こうも表現できそうです。

オンライン書店が「検索」なら、松丸スタイルは「探索」だと。

長くなるので、あまり書きませんが、「松丸本舗」をお気に召したら、ここをプロデュースした松岡正剛さんの「多読術」、ぜひともオススメします。

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書店内書店を作ってみる

さて、最後に。では、「松丸本舗」を参考にして、リアル書店は今後どうすべきか? という話。

解決策は一つではなく、それぞれいろいろな事情があるかもしれませんが、私なりの回答は、自らの書店に「松丸本舗」をつくること。書店内書店をつくること、です。

現在の経済状況下で、全店を昔のような書店に切り替えることは現実的ではありません。中長期でファンをつくることはできても、短期的には業績ダウンを招く可能性が高いからです。

経済合理性の観点からすると、「意義深いけど儲からない」は、存続を危うくしますから、それでは意味がありません。だからこそ、書店内書店を設けるところからスタートすることをオススメしたいと思います。

来場者の視野を広げられるような店主のこだわりを

まずは「書店内書店をやってみる」。
例えば、店主のおすすめコーナーをつくる。そこには店主のこだわりを存分に発揮させることが大事。

かといって、店主の独りよがりになるのではなくて(それだと、新興宗教系書店と変わらないので)、読者にメリットのあるようなかたちでメッセージングすることが大切です。

松丸本舗のように、来場者の視野と世界を広げる契機をつくること、メリットを提供することがポイント。
 
「本が動いて日本が変わる」深い!
【写真:「本が動いて日本が変わる」深い!】

「書店内書店」ゆえの狭さがあるはずですが、期間限定で、キャンペーンをはるのです。店主のこだわりは、オリジナルのPOPをつくって、できるだけ来場者の世界観を広げるお手伝いに努めるべきです。

「へぇ、こんな本があるんだ」
「古いけど、面白そう!」
そう思わせればベスト。

世界を広げてあげる。次なる世界に誘ってあげる・・・。そうして、買い求めた本が面白ければ、「また店主のアドバイスを聞いてみよう!」となるでしょう。そうすると、その本屋に行かなくてはいけない理由が発生するのです。

求められるのは店主の読書量と世界観

もちろん、この条件が成立するには、来場者の知的好奇心を満足させるだけのセンスと教養、幅広い読書量が要求されます。

そこで「私には無理だなぁ」と思うのであれば、地元の博学者、有力者、専門的なキーマンなどに、定期的に、「書店内書店」の店長をお願いするのも一方です。

こうして「書店内書店」が成功すれば、おのずと、来場者も増え、問い合わせも増えるはず。読書家が増えますから、おのずと新刊本も売れ始めます。

店主のこだわりを発信する

そして、大事なことは、自らの「書店内書店」の試みを、定期的にメルマガ、ブログ、twitterなどで情報発信することです。

こだわり書店、目利き書店として、同じ志をもつ人たちからのファンを生み出せるはずです。そして、こうした生臭いホンモノのこだわりは、オンライン書店には、なかなか創りがたい仕掛けのはずなのです。

昔の個人経営の書店の多くは、本来こういうことをやっていたはずです。ところが、そうしたこだわりの本屋は退場を余儀なくされ、経済効率の高い、大型店舗、新刊本店舗が中心になる。「目利き」が必要なくなり、お決まりの本だけが並ぶようになる。問い合わせがあっても、検索を要求する・・・。

その果てに起きるのは、「オンラインブックストアで買えば良いじゃん」です。

人としてのレコメンド機能を

哲学ある書店がだいぶ減った現在、「松丸本舗」のような書店の誕生は本当に貴重で、かつ実に意義深いチャレンジだと感心させられました。

目利きとしての、コンサルタント機能をもった書店。機械的レコメンド機能を超越した、まさに、機械によって代替され得ない「知」に基いた、来場者の世界を広げる、水先案内人としてのレコメンド書店。

これこそが、「リアル書店」のあるべき姿ではないかと、私は思います。

「松丸本舗」ぜひとも訪れてみて下さい。オススメです! 必ずや、たくさんの刺激を受けるはずです。「松丸本舗」を訪問することで、本の意味や、書店の役割を再考させられるでしょう。そして、プロデューサーである松岡正剛ワールドにハマり出す人、きっと少なくないのでは?と思っています。
 
 
■追伸:
書店の活性化として「書店内書店を!」という提言ですが、私は書店経営者でないので、現実の厳しさを知らずに、軽々しく主張してしまっているだけかもしれない・・・、ということを付記しておきます。

書店経営の現場で日々闘っている方からすれば、ひょっとしたら、「若造め、そんなこと言うなら、お前がおやんなさいよ、でも儲からないよ」って言われるんでしょうね・・・(笑)。
 

【このテーマ:おわり】
 
 
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 2010年2月1日             渡邉 裕晃
 
 
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