いよいよ、映画「舟を編む」が、2013年4月13日(土)から公開されます。
昨年の映画「苦役列車」に続いて協賛させていただいた映画です。「協賛」といっても大したことはしていないのですが、でも、「映画づくりに、ほんの少しだけ貢献できたかも・・・」と思えば、この映画への思い入れは、いっそう強くなります。皆さん、ぜひ見てください。
特に、外国語学習者、日本語愛好者、言語マニアの皆さんにはおススメですよ。
【画像:映画「舟を編む」公式サイト】
「舟を編む」の原作は、2012年本屋大賞で第1位に
ちなみに原作は、2012年本屋大賞第1位に輝いた作品「舟を編む」。
新しい国語辞書『大渡海』を作り上げる過程がテーマとなっている作品です。
私は言語マニアということもあって、この原作が大好きで、読み終えた後、改めて「辞書」に対する敬意を持ちました。たかが辞書、されど辞書・・・。
1冊の辞書の完成までに、どれほどの力が注がれているのか、その重みを改めて思い知らされた次第です。この原作の深みが映画でどのように表現されているのか、本当に楽しみでなりません。
映画「舟を編む」の予告編ムービー
映画「舟を編む」の予告編はこちらです。
ある映画評論記事では、「辞書作りを言葉と文字をめぐる活劇のように撮った石井裕也の秀作」として、また、「恐らく今年の邦画の台風の目となるであろう1本である」として、このように紹介されています。
「大渡海」完成までの15年にわたる地道な編集作業が定点観測のように描かれる。しかし、その膨大な用例採集、見出し語の選定、語釈をめぐる果てのない議論は、時に白熱し、深刻であり、時にはユーモラスでトンチンカンでさえある。石井裕也は、それらのダイアローグをあたかも、<言葉>と<文字>をめぐるアクション映画のように撮っており、画面はつねに停滞することなく、軽やかに滑走し続け、見る者を決して飽かせないのだ。
「舟を編む」が教えてくれる「言葉」の意味
私たちが、外国語を学ぶには、辞書が不可欠です。私たちが、様々な言語を学ぶことができているのも、「辞書」があってこそ・・・と思えば、辞書の編纂にあたった過去の先人に対する敬意が出てくるというものです。
原作や映画を通じて、それを体感できるというのは、とても意義深いものだと思います。「外国語学習にあたっては、感謝して勉強しなきゃ・・・」とすら思わせてくれますよ。
また「日本語ネイティブ」である日本人であっても、日本語辞書は不可欠な存在ですね。すでに知っている言語であっても、辞書の存在は、日常のコミュニケーションを深めてくれる大事なツールです。そしてなによりも、人間は、言葉で考える動物です。
「辞書」という存在は、国を超えたコミュニケーションを助けてくれるツールとしてだけでなく、考える道具としての「言葉」を極めることで、思考の幅まで深めてくれる大事なツール。そこまで思えば、辞書は、本当に偉大な存在ですよね。
印象的だった「舟を編む」の撮影現場の様子
私は昨年夏に、撮影現場にお邪魔させていただいたことがあります。大変な猛暑の中での撮影作業。和やかな環境の中でも、ピリッとした重みのある環境でした。
松田龍平さんや加藤剛さんのそばで拝見できたのですが、特にお二人の醸し出す独特の雰囲気は、とても印象に残っています。沈着な中にも醸し出される重厚なオーラには、私自身、強く圧倒されました。
ついに完成して公開されるのかと思うと、ちょっとした感慨と喜びがあります。本当に楽しみな映画です。
改めて、とくに、外国語学習者や言語マニアの皆さんにはおススメですよ!
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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