今回ご紹介する映画は、『余命1ヶ月の花嫁』。
かなり宣伝されている映画作品なので、
あえてストーリー紹介は不要かと思いますが、
(というか、題名を読めば内容はわかりますね・・・)
末期の乳ガンに冒されたことで、
24歳の若さにして亡くなった、長島千恵さんのお話。
余命1ヶ月を宣告され、
残り少ない余生を家族で闘う実話が描かれています。
□ □ □
門外漢の酷な評価になってしまいますが、
「芸術作品」としての出来ばえは「???」でした。
「別れの必然」と「出会いの偶然」を自覚する契機にするには、
たしかに良い作品なのかもしれません。
でも、感動を呼ぶところがあるとすれば、
それは、作品の出来によるものではなくて、
「これ、実は本当にあった話なんだ!」という、
背景知識によって喚起されるもののように感じました。
□ □ □
しかも、この長島千恵さんの壮絶な最期は、
すでに本があり、しかも本人出演のテレビドキュメンタリーもある以上、
あえて映画にする必然性があったのか、果たして疑問が残ります。
【後日追記】
以前TBSのウェブサイトで番組の一部を見ることができたのですが、
その後、削除されたようなので、youtubeで関連映像を探してみました。
必然性があるとすれば、
1ヶ月以上もの長きに渡る実話を、
129分という有限な時間で表現し尽くすために、
わかりやすく脚色しながら、構成し直してプレゼンテーションできる、
というくらいにしか、見出すことができませんでした。
□ □ □
ただし、あえて評価するとすれば、
「死と生」という永遠のテーマ、
大事だけど忘れられがちなテーマについて、
改めて考えさせるきっかけを提供しているという点が言えるかと思います。
「人生80年時代」とは言え、
「どんなに健康な人間であっても、
ひょっとしたら1時間後に死んでしまうかもしれない」、
そういう「可能性」が、厳然として存在しているという、
ついつい捨象されがちな現実を思い起こす効果があるということです。
そういう作品は、これ以外にもいろいろあるわけですが、
それでも、大事な人と一緒に見て語り合うことができるという意味では、
きっかけ作りとして、良い作品だと言えると思います。
(いつも作品批判はあまりしないのですが、歯切れが悪くて、すみません:笑)
□ □ □
どんなに愛し合っている間柄であっても、引き離される時が来ます。
それが「死」です。
どんなに愛し合っている間柄であっても、別れは必然なわけです。
別れが必然であれば、出会いは偶然だということになります。
「出会い」というのは、「出会ったその瞬間」を言うだけでなく、
「出会っている」、まさに「二人の日々の日常」についても言えること。
何気ない毎日も、実は奇跡の集積であるという現実を、
どれだけ身に迫って実感できるかということが、
人生を豊かにしてくれるのだということですね。
□ □ □
誰でも、いつかは分かれる時が来る。
別れを意味する「さようなら」。
「さようなら」は「左様でしたら」が語源ですが、
その本義については、いまだに定説がありません。
ただ、ある方の示した仮説があって、私はこの解釈が好きなのですが、
それは、
「左様でしたら」ということは、「Aならば、Bしましょう」つまり、
「(いつかお別れしてしまいますが)お別れする時が来たら、お別れしましょう」
を意味すると。
つまり、「日々の奇跡性」を、
挨拶という日常の中において、お互いに再認識させるだけの意味がある行為だ、
という仮説です。
私はこの解釈が大好きで、この自覚があるのとないのとでは、
日々に対する重みも充実度も大きく変ってくるような気がしています。
□ □ □
長島千恵さんが遺された言葉、
みなさんに明日が来ることは奇跡です。それを知ってるだけで、日常は幸せなことだらけで溢れてます。 |
まさにここに尽きるということ。
「お昼は何しているの?」という質問に対して、長島さんが
「ん・・・、生きてる」という回答の奥深さ。
生の有限さを知覚したがゆえにつむぎだされる言葉だと思います。
□ □ □
そんな、日常で忘れられがちだけど、厳然とした事実であるという点。
それを、改めて考えるきっかけを提供してくれる作品の「一つ」として、
(そういう作品って、結構たくさんありますから・・・)
「大事な人と一緒に見る」ということは、
とってもとっても有益なのではないかな? と私は思います。
作品の芸術性とは関係ないのですが、きっかけづくりとして良いと思います。
(繰り返しになりますが、いつも作品批判はあまりしないのですが、歯切れが悪くて、すみません:笑)
■(参考引用)解説: 末期の乳ガンに冒されてしまい、わずか24歳でこの世を去った長島千恵さんの愛に満ちあふれた生涯をつづる感動ストーリー。 『ヴァイヴレータ』の廣木隆一監督が、千恵さんが結婚式を挙げ亡くなるまでの余命1か月を夫婦として過ごした軌跡を描く。死の間際まで取材に応じ、乳ガン撲滅を訴え続けた千恵さんを榮倉奈々が、彼女を支える恋人の赤須太郎さんを瑛太が好演。多くの女性たちに、感動と勇気を与えた千恵さんのメッセージに胸が熱くなる。(シネマトゥデイ) ■(参考引用)あらすじ: |
■追伸:
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2009年5月13日 渡邉 裕晃
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