『コンサルタントの習慣術(頭を鍛える「仕組み」をつくれ)』
野口 吉昭 著、朝日新聞出版 (2009/3/13)
☆ 今回のポイント ☆ <簡単な内容紹介>
■内容紹介(アマゾンより) 一流のプロには、必ず優れた習慣がある。ただし、よい習慣は簡単には身につかない。習慣とは「仕組み」であり、それをマネジメントする発想と技術が必要なのだ。習慣をマネジメントして頭を鍛え、ビジネス力を高める方法をトップコンサルタントが徹底指南! ■内容紹介(アマゾン「BOOK」データベースより) 習慣とは、たとえば歯磨きのように、それをしないと気持ち悪い状態のこと。コンサルタントの「習慣マネジメント」術を学べば、三日坊主を脱して、自然に頭が鍛えられ、ビジネス力を高める習慣が身につく。 |
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ここ数年のビジネス書を概観してみると、
割と新しいテーマとして、
「始める」
「続ける」
「終わりにする(捨てる・断る)」
というジャンルが現れてきているように思います。
そういう観点からすると、
本書は「続ける」というテーマを取り上げた一冊。
□ □ □
この本は、
「習慣を作る」をテーマに、次の5つの習慣を紹介しています。
・考える力を磨く習慣術 ・主体的な行動力が身につく習慣術 ・新たなものを創り出す習慣術 ・打たれ強い人になる習慣術 ・人を動かすリーダーになる習慣術 |
そして、「習慣のマネジメント」として、
次の3点(+序論)がまとめてあります。
(0) 目的目標手段を「一体化」させること (1)「見える」化 (2)「ランドセルサイクル」 (3)「愚直な継続」 |
「続ける」「習慣化する」という部分に苦手意識をもつ方には、
ぜひ、さらっとでも一読しておくと、役に立つ、あるいは啓発されるところ、
きっと出てくるはずです。
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ただ、
著者の方には大変失礼なコメントになるかもしれませんが、
私の本音を書くと、本書全体をおすすめするつもりはありません。
でも、おすすめできる部分はあって、
それは本書の2章の冒頭あたりまでと、
後ろから2番目の章(打たれ強い人になる習慣術)のみ。
ここの部分は、
特にこれらのジャンルを読んだことがない方には、
ぜひとも、おすすめしたい箇所。
「続ける」ということのコツとその真髄が、
非常にわかりやすく、コンパクトにまとまっています。
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私は、著者である野口さんには大変お世話になりました。
直接の面識はありませんが、
私が1999年、24歳にして会社を創る際、
野口さんの書かれた本が、とてつもなく!参考になったのです。
もう10年も前の話になるので、
どの本だったか、覚えていないのですが・・・、
先月、新しく文庫化されたばかりの
『戦略シナリオのノウハウ・ドゥハウ
だったかもしれません。
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大学院に入ってから、ベンチャー熱に浮かされていた私は、
23歳の頃から、次第に「事業計画書」というものに関心を持ち始めます。
でも、いざ書いてみようにも、どうつくっていいかわからず、
手当たり次第に調べてみても、役に立つものが見つかりませんでした。
「事業計画の作り方」をまとめた本や雑誌記事はいろいろあったのですが、
「あなた、本気で事業をつくろうと考えたことないでしょ!」と
突っ込みたくなるような、
いわゆる「先生」による、空理空論、マニュアル本が多かったのです。
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そんな中で、野口さんの本は、非常に実践的で
わかりやすく、かつ、思考をどう発展させれば良いのか、
示唆に富む内容が盛りだくさんだったのです。
ちなみに、もう一つ役立ったのが、この本でした。
(大学の先生たちがまとめた本なのですが:笑)
(参考:過去ブログ記事) ■1998年6月20日 早稲田大学システム科学研究所叢書 『起業成功のための事業計画策定の理論と実践』 今回取り上げるのは、起業する際に重要になる「事業計画書」に関する本、「起業成功のための事業計画策定の理論と実践」です。
同種の本は非常... |
□ □ □
で、そんな、恩人的な野口さんの本なのですが、
その野口さんにしては珍しく、
第2章の途中から、内容がグダグダになっている感覚がぬぐえません。
特に近年は、非常に多作な方なので、
多作すぎると、野口さんのような方ですら、
こうした状態になるのか・・・、と、複雑な思いすら抱きました。
繰り返しになりますが、
本書の2章の冒頭あたりまでと、
後ろから2番目の章(打たれ強い人になる習慣術)のみは、
なんとか準備がしてあって、
でも、それ以外のところは、
時間の制約上?、やっつけ仕事で片付けてしまったような感覚が
強いのです(偉そうで、すみません)。
(余談ですが、本書の中で
「この原稿は、すでに何度も新幹線に乗っている」と書かれているところを見ても、
「あぁ、やはり、そうなんだ・・・」という思いを強くしました)
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ちなみに、
「コンサルタントの習慣術」と銘打ってあり、
仕事ガツガツで苦しそう・・・と思う人もいるかもしれませんが、
そんなことは一切ありません。
「がちがち・まじめ」ではなく、
「人生全体の幸せを追求しよう」というスタイルが根底にあって、
こうしたスタンスは、私自身も非常に共感できます。
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野口さんは、こう言います。
仕事とプライベート、どっちが大事か? といった議論が時々あるが ナンセンスである。 |
(私と同じスタンスです)
一見、手厳しい感じを受けるかもしれませんが、
こうも書いています。
これは私の経験的な感覚だが、 「忙しくて家族と過ごす時間がない」という人に、一流の仕事人は少ない。 一流の仕事人は「忙しいが、しっかりと遊ぶ時間も取っています」という人が多いのだ。 |
「仕事ガチガチ効率化」ではなくて、
「仕事も趣味も人生の総体を楽しみ尽くそう!」という一冊。
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かつてブログに書いたことですが、
例えば、
「忙しいから本が読めない」とか、
「忙しいから家庭がおろそかになる」とか、
「忙しいから遊べない」とか、よく聞きますが、
本当は逆なんですよね。
「本を読まないから忙しい」のだし、
「家庭をかえりみないから忙しい」のだし、
「遊ばないから忙しい」のでは? というのが私の本音。
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仕事が忙しいはずなのに、 毎週スポーツジムに通ったり、毎日語学の勉強を続けている人がいる。 逆に仕事が忙しいことを理由にして、 ジム通いや語学の勉強を途中でやめてしまう人もいる。 この違いは何か。 |
著者は、そんな問題提起とともに、
その処方箋を明らかにしています。
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厳密に言えば、
類書の焼き直し的な部分を感じないこともないのですが・・・、
「続ける」「習慣化する」ということのコツとその真髄が、
非常にわかりやすく、コンパクトにまとまっています。
特にこれらのジャンルを読んだことがない方には、
ぜひとも、おすすめしたい一冊です。
(「続ける・・・」が苦手な部下をもつ上司の方にも、おすすめ)
そして、読んだらあとは、
「できるかできないか」ではなく、「やるかやらないか」ですね。
2009年6月26日 渡邉 裕晃

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