インドネシアに駐在・赴任が決まった場合、「参考になる本はないだろうか?」と本を探す人もいるでしょう。
今回ご紹介する書籍は、そんな方にオススメの『実戦!海外で活かせる企業活動力(インドネシア駐在体験から学ぶビジネス成功へのステップ)』です。
今井 市郎 著、幻冬舎ルネッサンス (2010/8/25)
目次
「インドネシア駐在体験から学ぶビジネス成功へのステップ」の内容は?
まず、本書の概要は次のとおりです。
☆ 今回のポイント ☆ <簡単な内容紹介>
■内容紹介(アマゾンより) 現地インドネシアでのビジネス体験を基にした実戦的入門書。大手化学会社に勤務する著者が、インドネシアの社会生活やビジネス体験を通して見た「ビジネスマン(企業人)の実戦的な企業活動の現場」を一冊にまとめた。本書には、現地の生活ぶりや、インドネシア社会の現状、文化及び政治・経済状況など、さまざまな角度で丁寧にまとめられている。基本的な「ものの見方・考え方」を本書の随所に記載しているので、インドネシアに関心ある人、ない人を含めて多くの一般ビジネスマンや社会人、学生にも、深く理解できるのがこの本の特徴。インドネシアに関わる企業人(経営者、中堅社員)及びこれから現地企業で働く人たちにとって、格好の一書である。 ■内容紹介(「BOOK」データベースより) |
インドネシア駐在・赴任生活のリアルな現場がわかる
本書は、インドネシアに関心を持つ方にオススメしたい一冊です。
副題に「インドネシア駐在体験から学ぶビジネス成功へのステップ」とある通り、
インドネシアの国内事情について、実際に駐在して生活された方が書いた本です。
学術的な大上段からの本ではなく、生活者として、またビジネスマンとしての現地目線で書かれた本です。今年の8月25日に発行されて、8月のうちに読んでしまった本。読了後3ヶ月も経過しているので、新鮮な感想ではないかもしれませんが、思い出しながら書いてみます。
本書の著者は、2001年から2005年までの4年間、三井化学の現地合弁会社であるPT.PETNESIA RESINDOの代表取締役社長をつとめられました。
本書の中に、
その道の各種専門家が書いたインドネシアに関する書物を店頭で数多く見かけるが、インドネシアの社会生活やビジネス体験を通して見た「ビジネスマン(企業人)の実戦的な企業活動の現場」について、描いたものはほとんど見当たらない。 |
とある通り、インドネシアに赴任して、実際に夫婦で生活し、仕事の現場で現地の人たちと一緒になってプロジェクトを進めてきた、その生の体験をもとに書かれたインドネシア紹介本。
インドネシアに強い関心をもつ方には、きっと気楽に読める本だと思います。したがって、内容はインドネシア本です。実際に現地で生活をする中で、大変だったこと、面白かったこと。現地の人たちとの交流の中で得た体験談や苦労話。日本ではなかなか経験できないことだったり・・・。
インドネシアの旅行ガイドブックではなかなかわからない側面などがまさにご自身の経験として、肉声で伝わってくる良い本です。
インドネシアの歴史や政治経済の概要がわかる
また、現地の生活視点が語られる一方で、インドネシアの歴史、政治や経済情勢についても、簡潔にまとめてあって、インドネシア理解や復習の一助になります。
例えば1998年のスハルト体制崩壊から今日に至るまでの経済再生の流れ。政治において何があり、経済において何があったのか。これらを簡潔にまとめてあるものは、学術書にはあっても、ビジネス書ではなかなか散見されないので、とてもわかりやすく好感が持てます。
民主化活動の流れ、現在の強力な経済成長の背後にあるもの。2008年のリーマンショックにも動じることのなかったインドネシアの強さがきれいに語られています。
あくまでもインドネシアの駐在や赴任生活に関心のある人へ
1つだけ苦言を呈すると・・・、本の題名には「海外で活かせる企業活動力」とありますが、これは誇張ですね。おそらく、インドネシアに関心のある人だけをターゲットにするとあまり部数が出なくなるゆえの題名付けだと思いますが、これは、編集者さんの勇み足という気がしてなりません。
インドネシア以外の国に出て行こうとする方へ読ませたいという編集者さんの意志があるのだと思いますが、はっきり言うと、インドネシアに関心のない方には、あまりオススメしません。
種明かし・・・というか、そもそも出版社の名前を見れば、本書がいわゆる純粋な商業出版でないことは、知っている人なら知っているというレベル。
定年を迎えられた著者が、38年間の社会人生活の集大成として本書を出版されたわけですが、大変失礼な物言いになりますが、売れる本づくりで有名な幻冬舎さんでも、自費出版部門となると、編集がこれほど甘くなるのかと、読んでいて、ちょっと残念な気持ちになりました。
(編集者さん、すみません)
インドネシアの駐在・赴任生活のリアル話は実に貴重
著者が、せっかく素晴らしい貴重な経験をされ、ビジネスにおいても、稀有な活躍を果たされているだけに、編集の力がもうちょっと発揮されていたら、必ずや、もっと注目される本になっていたものと確信します。「章立て」や、文章の構成など、「編集」の力不足は、読んでいてすぐにわかります。
インドネシアに深いかかわりを持つ私としては、もっともっとインドネシアに関する本が増えてほしいし、もっともっと広く理解されてほしいと思うだけに、ここのところだけ、残念でなりません。
ただ、すでに書いた通り、現地で経験された様々な出来事や、政治、経済、文化、様々な領域における考察などは、インドネシアに興味のある人や、これから赴任されようとしている人には非常に有益な内容が多いです。
と言うか、「赴任前には必読!」と言っても良いです。いわゆる「インドネシア本」というのは、非常に数が少なく、それだけに、こうした本はとても貴重。インドネシアに関心を持つ方に広く読まれてほしい一冊です。
【参考】インドネシアの駐在や現地生活に役立つブログ
インドネシアへの駐在や赴任が決まった時、本に情報を求めるのも大事ですが、意外とおすすめなのが現地で生活を知ている日本人が書いているブログです。
ジャカルタ情報サイトで有名な「ジャカルタ飯」が7つのオススメブログをまとめています。参考までにどうぞ。なお本ブログもとりあげられています!
また、共著で書いた「インドネシアのことがマンガで3時間でわかる本」も、どうぞよろしくお願いします!
2010年11月4日 渡邉 裕晃
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