『電子商店繁盛記』−インターネットでお店を開こう− レビュー

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(日経マルチメディア編、日経BP社、1998年 7月10日発行)
<簡単な内容紹介>
今回取り上げるのは、ウェブショップ(電子商店)の運営に関する本です。同種の本としては、イージーの岸本栄司さんの本が有名ですがこの本では、その道の様々な有名人の方々のノウハウ指南が付いているのが特徴。ウェブショップをつくってから、成功させるまでの道筋が小説スタイルでまとめられています。インターネット広告や、メールマガジンの活用法にも多くのページが割かれています。読みやすくてわかりやすいので、読み物としてもおすすめできます。

電子商店繁盛記

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この本は、97年7月から98年5月まで「日経マルチメディア」誌上で連載された「デジタル・ビジネス実践講座」に大幅な加筆・修正が加えられたものです。ウェブショップを成功させるためのノウハウが詰まっています。と言っても、がちがちの専門書、というわけではなく、初心者でもある程度飲み込めるように配慮され、非常にわかりやすくまとめられています。

わかりやすくする工夫として、架空の酒造会社がウェブショップを開くという舞台設定で、話が進められていきます。インターネットで日本酒の販売を始め、試行錯誤しながらアクセス数を増やします。次第に顧客をつかむようになって、だんだんと「注文の来るサイト」になっていくという、いわゆる「繁盛記」となっています。

と言っても、ただ小説として完結してしまっているわけではなく、適宜、その道のプロによる解説が加えられています。読みやすくて、しかも、ためになるという、そんな本です。この「小説スタイルの導入」と「プロによるノウハウの開陳」という構成が、この本の価値をよりいっそう高めているように感じました。

そして本書の良いところは、ウェブショップを経営している人や、それを目指している人だけでなく、自分で個人的にホームページを開設している人や会社案内としてホームページをつくられた企業(直接的に利益をあげるためのホームページではない、という意味です)の担当者の方にも大いに参考になるという点です。

一章ずつ読み進めながら、一つずつ自分のホームページを再検証されてみると意外な発見があるかもしれません。

たしかに、「ただやみくもにアクセス数を増やすことにどんな意味があるのか」と思われる向きもあるでしょう。そうです。「ただ単にアクセスの数を増やすということ」それ自体にはあまり意味はないと思います。しかし、人との出会いの可能性(確率)の母数を増やすことには貢献します。その後にどのような行動をとっていくか、どのように関係の質を高めるか、それは、各人・各企業の努力にかかっています。アクセスを増やすことも重要ですが、そのあとの問題として、増えたアクセスをどう活用するか、これが現在、インターネット界で問われている重要な課題の一つだと思います。

自分のホームページを見てもらうということ。それは、必ずしもお金儲けのためにやっているというわけではないかもしれません。ただ、いかに多くの方々に訪問してもらい、どれだけの満足感を与えることができ、どれだけの人々に再訪していただけるか、ということ。また、ホームページを訪問していただいた方々のうち、どれくらいの方々と、親しい友人関係になれるのか、ということ。これらの問題を解決する方法としては、ウェブショップ経営の秘策を真似るのが近道です。

本書は入門者向けに書かれているので、インターネットに詳しい方が読むと「なんでぇ、そんなの知ってらぁ」という反応を起こすかもしれません。たしかに、あまり深いところまでは踏み込んでいないので、物足りなさはあります。ですが、深く深く読みこんでいこうとすると、考えさせられるような問題、ヒントが、意外と多く転がっているような気がしました。

ホームページやメールニュースを活用する、しない、は別として、インターネットを活用して多くのものを得たいと本気で考えていらっしゃる方にも、その取っかかりの一つとして、ぜひおすすめしたい一冊です。

< 今 回 は、ち ょ っ と 褒 め す ぎ た か な ??? >

ちょっと古くなりますが、次の2冊もおすすめです。

(1) 『個人・小店主のためのインターネット通信販売の始め方・儲け方』(岸本栄司著、広文社、1996年)

(2) 『アクセスを増やすホームページ革命術』(橋本大也著、毎日コミュニケーションズ、1997年)
  ( http://www.access.or.jp/book/index.html )

アクセスを増やすホームページ革命術

アクセスを増やすホームページ革命術

橋本 大也
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☆ 著者略歴 ☆
◆大川弘一氏 …… ユナイテッドデジタル代表 ( http://www.united-digital.com/ )
         まぐまぐ代表 ( http://www.mag2.com/ ) 

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