日本語教師の資格に関心はありますか? インドネシアに家族そろって海外移住する前、私たち夫婦は「移住の準備」の一環で、「日本語教師」の資格を取りました。通学と通信教育(通信講座)の併用です。
今回は、日本語教師の資格の魅力について。また、最短6ヶ月で夫婦で取得した体験およびそのコツをご紹介したいと思います。
そもそも日本語教師になりたいと思っていない人(私がそうです)でも、「どんなメリットがあるの?」とか「取得して意味あるの?」など、日本語教師の世界が気になる方は、ぜひご一読ください。
【写真:インドネシアの小学校。日本文化クラスをボランティアで教える我が妻】
目次
日本語教師になるためには
厳密に言うと「日本語教師の資格」というのは存在しないのですが、一般的な日本語教師の募集条件を見ると、大抵の場合、「日本語教育能力検定試験」の合格か、「日本語教師420時間コース」の修了を求めています。
私たちの場合は後者、つまり「日本語教師420時間コース」です。最低でも6ヶ月かかります。420時間を半年で・・・って、単純に計算すると「土日も休まず毎日やっても1日あたり2時間超」。時間もお金も意外とかかる・・・。結構大変な研修なんですよ。
でも、私は日本語教師になりたくて受講したわけではありません。日本語教師になりたいという人でなくても、「これから海外に出ていきたい!」と思う人、「国境を超えた友達づくりをしていきたい!」と願う人。そういう人であれば、ぜひともオススメしたい資格の一つです。
なお「日本語教育能力検定」の詳細についてはこちらをどうぞ。「420時間コース」ではなく、検定試験を取り上げたものですが、「日本語教師になるのはどんな勉強が必要か?」などがイメージできるかと思います。
・日本語教育能力検定試験合格パック2019
・<検定合格率50%>「NAFL日本語教師養成プログラム」
「日本語教師」の資格は確実に世界を広げてくれる!
「日本語教師420時間コース」を修了した時、ブログで私は次のように書きました。「確実に世界が広がると保証する」と。
でも、なぜそう思うのか、具体的なことは書いていなかったな・・・と気づきました。
またベトナムでのビジネインターン「武者修行プログラム」でファシリテーターを担当させていただく中、たくさんの日本の学生さんと触れ合っているうちに「日本語教師って、どんな内容なんですか?」と聞かれる機会が増えてきました。
そこで改めて、この資格の魅力をまとめておこうと思います。
【写真:「日本語教師養成講座420時間コース」の修了証】
ただ、詳しく書くと、ものすごく長くなるので・・・、あえて冷たく箇条書きで(笑)
日本語教師の資格にチャレンジしようと考えた動機
- 日本語への純粋な興味から(もともと日本語が好き)
- インドネシアに渡航したら役立つのでは?(仕事としてではなく)
- 先生になりたいという気は無かった
「日本語教師養成講座420時間コース」を修了して得られたこと
- 日本語の面白さと奥深さを改めて痛感
- 日本語教育の世界の面白さを実感
- 仕事の幅を広げることができた(ビジネスの可能性:業界人とのふれあい)
- 日本語学習者たちの気持ちがわかった。寄り添えるように。
- 妻はインドネシアでボランティアにも活かせることに
「日本語教師養成講座」資格について私が思うこと
- とるのはコストも時間も大変!
- ・でも、すっごく面白いよ!
- 世界が広がるよ!日本語は面白い。日本語学習者とのふれあいは楽しい!言語も面白い!
資格をとって何を得るかは君の行動が決める!!
よく「それをやると、どんな意味があるんですか?」とか「それをやると、どんな利益が得られるんですか?」という質問がありますよね。「意味が見いだせないと、やってもしょうがないじゃないですか?」なんて。そういう人には私はオススメしません。
これをやることで、どんなことが起きるのか。それにワクワクできる人にこそオススメしたいです。日本語教師になりたいという人でなくても、「これから海外に出ていきたい!」と思う人、「国境を超えた友達づくりをしていきたい!」と願う人。そういう人であれば、ぜひともオススメしたい。冒頭で書いたのは、そういう私の想いゆえです。
「資格を取るから何かが与えられる」ではない。「資格をとって何を得るかは君の行動が決めるんだよ」です。
【写真:妻がボランティアで教えるインドネシアの小学校での「日本文化クラス」の様子】
一般的な日本語教育って、日本語で教えるんですよ。日本語で日本語を教える。これを「直接法」というのですが、一般的な日本語教育では、この「直接法」にこだわっています。これだけでも私は面白いなと思いました。入門者に対しても、この方法をとるのです。
「どうやって?」って思いませんか? 「どうやるの?」って思いませんか? 「みんなどんな反応をするの?」って思いませんか? 「なんでそんな手法が一般的なの?」って思いませんか?
例えばそんなこと。
「へぇー!」って思えることがたくさんある日本語教師の仕事
日本語を教えるにしても、私たちが日本の学校の「国語」の時間で教わった日本語文法と、海外の人が日本語を学ぶ時の日本語文法とでは、文法の説明方法も違うんです。「なんで?」って思いませんか?
「おじさん」「おじーさん」のように、伸ばす音を意識できない話者もいます。
そもそも、なんで認識できないのか「なんで?」って思いませんか? そういう人たちに対してどうやって教えたら良いの? 教えるコツがあるんですよ。「へぇー」って思いません?
【写真:妻がボランティアで教えるインドネシアの小学校での「日本文化クラス」の様子】
中国語話者の多くの人は、「T」と「D」の音が識別しにくいそうです。「なんで?」って思いませんか? だから多くの人が「わたしは・・・」っていうのを「わだしは・・・」って発音してしまうんですよね。どうやったら認識可能にできるの? って思いませんか?
逆に私たち日本語話者にとっても、海外の言語を覚える際に、認識が困難な発音があったりするわけです。そういう時、どうやって攻略すれば良いんだろう? そんなコツも見えてきたりするんです。
【写真:妻がボランティアで教えるインドネシアの小学校での「日本文化クラス」の様子】
熱心に日本語を勉強する若者と触れることの貴重さ
研修を受けていると、実際に日本に来て、一生懸命に日本語を学習している外国人たちと交流することになります。この若者の一生懸命な姿が、これまた胸を打つわけです。
毎日毎日、難しい言語にアタックして、生活面でもいろいろな苦労をして。もちろんお金も大変だし、母国で応援しているご両親のことも忘れられない・・・。
【写真:東京の日本語学校で日本語を勉強中のインドネシア人たち】
そんな彼らと触れ合っていると、海外に行って頑張って言語を覚えようとしている。日本語を学ぶことで次なる未来を獲得しようとしている・・・。それに対して、日本語教師はさまざまな手法を駆使して、彼らの期待に応えてあげることができる。なんと素敵なことじゃないですか。
日本語教師の資格がなくても日本語を教えることは可能。でも・・・
実際にインドネシアに暮らすようになると、インドネシアで日本語を勉強している若者たちに出会います。「なんで日本語を勉強したいと思ったの?」って聞くと、「お金がほしいから」とか「いい仕事に就きたくて」なんて回答は、もはや少数派。
多くの場合「日本が好きだから」とか「日本のアニメが大好きで」とか、「日本のアイドル、最高です」とか。日本が好き、だから一生懸命に日本語を勉強しているんです・・・って。そんな素敵な人たちを応援できるんですよ。
【写真:「日本へ行きたいんです」ジャカルタの日本祭りの会場にて】
【写真:「日本語能力試験N2 合格するように」ジャカルタの日本祭りの会場にて】
もちろん、日本語教師の資格が無くても応援できる。でも、日本語をよりよく効率的に教える手法を身につけることができれば、よりよく彼らの力になってあげることができるんです。
日本語教師にならなくたって、海外に住んでいればそんなことはいくらでもできる。寄り添ってあげることができる。だから、そんな手法を学んでみませんか? って私は言いたいのです。
「日本語教師養成講座420時間コース」修了までの難易度は?
冒頭に書いた通り、時間もかかるしお金もかかる。それなりに大変な研修です。私自身も「日本語教師養成講座420時間コース」を受講する中で、何度も挫折しそうになったことがあります。最後の方は本当に辛かったな・・・。
でも、やりとげてみると実に爽やかなんですよ。しかも「日本語教師の資格あり」という人は、まだまだ多くないので、日本語学習者に対してアピールすると「へぇ・・・」って、インパクトもあるんです。
海外にいる日本語教師に出会った時も、妙な仲間意識が芽生えたり。あるいは、海外で日本語を勉強したい!という人に出会うと、興味を感じてくれたり。
【写真:2014年6月に開催された「インドネシア日本語教育学会」東ジャワ支部の勉強会】
「海外に出たい!」という人なら日本語教師の学習はオススメ!!
そもそも私は日本語教師になりたくて受講したわけではありませんでした。インドネシアは日本語学習者が多いので、移住後に何らかの役に立つかもしれないな・・・と軽い気持ちで。そして何よりも私自身が、言語としての日本語が大好きだったから。でも、やってよかったなと思っています。
日本語教師になりたいという人でなくても、「これから海外に出ていきたい!」と思う人、「国境を超えた友達づくりをしていきたい!」と願う人。そういう人であれば、ぜひともオススメしたい資格の一つです。
「日本語教師」の資格については、様々な学校が「通学コース」や「通信教育」などを設けています。興味を持たれた方は、通信講座の資料請求をしてみたり、実際に説明会に足を運んでみると良いと思います。
ヒューマンアカデミーの「日本語教師養成講座420時間コース」
具体的に紹介してみましょう。まず「日本語教師養成講座420時間コース」であれば、例えば「ヒューマンアカデミーの日本語教師養成講座」があります。
ヒューマンアカデミーは資格取得の学校として有名ですが、全国にある30の校舎が全て駅チカの立地にあることでも知られています。通学講座でも実績があるので、ぜひ気軽に資料請求をしてみて下さい。
「やってみようか、どうしようか迷う」ということあれば、まずは詳しい内容を知るために、資料を取り寄せてみてはどうでしょうか? 無料の説明会で、実際に教室を見たりスタッフと交流してみるのもおすすめです。
アルクの「NAFL日本語教師養成プログラム」
また、毎年10月に行われる「日本語教育能力検定試験」の詳細については、こちらをどうぞ。語学で有名なアルクが運営する「NAFL日本語教師養成プログラム」です。
「日本語教師養成講座420時間コース」ではなく、検定試験を取り上げたものですが、「日本語教師になるのはどんな勉強が必要か?」などがイメージできるかと思います。
教材は、出題範囲に準拠した24冊のテキストや試験宅先問題集、7枚のCDと1枚のDVD、その他、模擬テスト等で構成されています。
ウェブサイトを見ると、試験や教材の詳細だけでなく、実際に受講して検定合格を果たした人、現役で日本語教師として活躍している修了生のインタビューも紹介されています。
ちなみに「日本語教育能力検定試験」の平均合格率は23.8%前後ですが、本プログラムの修了生の場合、検定合格率は66.3%にものぼるそうです。
【追記】「日本語教師ボランティアプログラム」をインドネシアでスタート
後日の追記です。その後、2018年より「日本語教師ボランティアプログラム」をインドネシアで立ち上げました。
「海外で日本語教師の体験をする」ということは、とてもやり甲斐に満ちたものです。その経験を、ぜひ短期間でも濃厚に経験してほしい! と思い、私の住むインドネシアのスラバヤでプログラムをスタートさせたのです。
詳しい内容や理由、背景などは、ぜひこちらをご覧ください。
インドネシア現地の家庭にホームステイをしながら、現地の高校や専門学校の「日本語」クラスで、日本語教師のサポートをしたり、日本文化の紹介をしたり。とっても貴重な経験になるはずです。関心のかる方は、ぜひ気軽にご連絡下さい!
【参考】日本語教師に関するブログ記事
今回のテーマに関連するブログ記事をまとめました。こちらも、どうぞ。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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