日本のハーフ問題|ハーフはみんな悩みを抱えて生きているって本当?

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私はインドネシアと日本のハーフです。日本で過ごしていると、初対面の人から時々聞かれることがあります。

こんなこと聞いて失礼だったらごめんなさい。

ハーフとして過ごされて、今までにご苦労とか、嫌な経験とか、そういうことを感じたりされてきたことはありますか?

と。そんな時、「また来たか・・・」と思うことがあります。聞かれて嫌な気分になっているわけではありません。「ハーフって、みんな悩みを抱えて生きている存在だと思われているのかな」と。

いわゆる「ハーフの悩み」問題です。私の数少ない経験上、こういう質問をされるのは日本だけなのです。まさに日本のハーフ問題。今回は、このテーマについて私が思うところをまとめてみます。




日本に住むハーフは、悩んだり戸惑ったりしている?

ハーフ問題を取り上げたasahi.comのインタビュー記事より【画像:ハーフ問題を取り上げた、本日付けasahi.comのインタビュー記事より】

今日の「asahi.com」で、こんなインタビューがアップされていました。

「ハーフ」新生児の50人に1人 外国人扱いに戸惑い:朝日新聞デジタル

日本とドイツのハーフで、東京都在住のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンさんのインタビューです。「日本人なのに外国人として扱われ、悩んできた一人」として、「ハーフならではの困ったこと」を説明されています。

詳しくは、ぜひ上記インタビュー記事をクリックして読んでいただきたいですが、例えばこんな感じです。

サンドラ・ヘフェリンさんのasahi.comインタビューより【画像:サンドラ・ヘフェリンさんのasahi.comインタビューより】

ハーフ問題についてのサンドラ・ヘフェリンさんの問題提起の価値は大きい

サンドラさんのコラムや書籍は読んだことがあり、興味深い点も多く、へぇ・・・と感じる点もたくさんあります。

例えば・・・、

とりわけ日本では、「ハーフ=かっこいい or かわいい」というイメージがあるようで、そんな中、サンドラさんの「ハーフのみんながみんな、そうだというわけではないよ」との指摘。これはとても大事なこと。

「え? あなた本当にハーフなの?」
  (心の声:「外見がイマイチなのに・・・」)
  (心の声:「英語できないのに・・・」)

って言われることは、ハーフにとって傷つく人もいるんだよ・・・って。

ハーフ問題を丁寧に紐解きながら、そのように主張されるサンドラさんの功績は大きいです。例えば、「ハーフなのに日本語しかできない」とか、「ハーフなのに、外見がイマイチ・・・?」という人にとっては、とても力づけられるものになっている気がします。

日本のハーフ問題、ハーフはみんなが悩みを抱えている?

でも、一方で、例えば私などは今まで生きてきて、「ハーフとしての悩み」を感じたことがまったくなく、ハーフならではの辛さ・・・というのも味わったことがないのです。

「ハーフゆえに悩んでいる人がいるらしい」

私がそのことを知ったのは中学一年生になってからです。ハーフゆえにいじめられた・・・ということも無いし、ハーフゆえに何らかの引け目を感じる・・・ということも無い。

これには理由があって、自分なりに分析をしてみれば・・・、

おそらくですが、私の場合、「日本にいる時は、みんなから日本人だと思われて、インドネシアにいる時は、みんなからインドネシア人だと思われる」ということが影響しているのだと思います。
(この数年で、そういうことがわかりました) 

それゆえに、ハーフなりの辛さ?が無かったのではないかと。

海外でもハーフは悩んでいる? 特別視される存在?

世界の人々 多様性

でも、そもそも「ハーフ」という概念だったり、「ハーフを特別視したりする傾向」というのは、私の知るかぎり、日本に特有の現象ではないかと感じています。

世界を見れば、混ざっている人はたくさんいるし、混ざっているから何か特別だということもないし。

だから、ハーフなりに引け目を感じている・・・という若者がいれば、私は「海外に行ってごらん」と言ってみたいです。いろいろな民族が集う国なんか、いいですよね。きっと、違った世界が見えるから。

「ハーフを特別視する環境で生きているからこそ、困惑だったり、辛さだったりを感じるんじゃないの?」って言ってみたいです。

悩みを打開する分岐点は、自分を「ハーフ」と位置づけるか「自分」として生きるか

自分の人生

「ハーフ」として自己を認識するのではなくて、あくまでも「自分」として自己を認識すること。そうやって、自ら人生を切り開いていく姿勢こそが、明るい未来を呼び寄せるはず! と私は思います。

これは何も、サンドラさんを批判しているわけではありません。

サンドラさんが、いわゆるハーフ問題を明るみに出してくれたこと、ハーフなりの悩む人たちに気づきを与えていること。これは素晴らしいことです。

でも、私だったら・・・さらにもう一歩進めて、ハーフとしての認識にたって生きるだけでなく、ハーフならではの環境を存分に活かしながら、「自分」として世界に向かって前進していくこと。その楽しさとやり甲斐を伝えていきたいな、と思います。

多言語・多民族国家インドネシアに住み始めて思うこと

ロンボク島の子供たちと会話

4年前にインドネシアに移住しました。せっかく日本だけでなくインドネシアにもゆかりがあるのだから、両方を精一杯に生かしつつ、もっともっと広い視野で生きていきたい。そう思ったからです。

日本とインドネシアを行ったり来たりしながら、また、他のいろいろな国を移動しながら、そうやって生きていくことが、私の理想です。

またインドネシアは多民族、多言語が共生する「多様性ある国家」です。1つの国や1つの民族の中で生きるのではなく「個人」として生きるスタイルを今後も大切にしたいと考えています。

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もしハーフゆえに悩みを抱える人がいれば、私はサンドラ・ヘフェリンさんの書籍を勧めるでしょう。でも、その次に、私だったら、「世界に出ろ! 個として生きよ!」と言いたいです。

このブログが、日本のハーフの皆さんにとって、少しでも刺激やヒントになってくれたらと願っています。

【参考】ハーフは悩んでいる? に関するブログ記事

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