前回のコラム「量をこなす、質を上げる(1)」で、「量をこなすことで質をあげることができる」という、お話をしました。
そして量、つまり機会は、自分でつくることができるものだというお話もしました。
詳細はこちらです。
リクルートを創業した江副さんの有名な言葉に、
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
というものがあります。
この有名な一節を引くまでもなく、機会をもつ、機会をつくるということは、成長の源泉になるということですね。
さらには、量は質に転化するが、質に転化する工夫を加えることで、そのスピードを促進させることができるとして、以下のように整理をしました。
(1)量をこなした結果、自然と質に転化された人
(2)量をこなした結果、それがより面白くなり、 (3)=(2の派生) |
□ □ □
サイバーエージェントの藤田社長は、創業期に「週110時間労働」を自らのノルマに課したことで有名です。
まさに「量を質に転化した」ケースですが、「時間が重要なのではなく、仕事に集中していることによって好循環に早く乗せることを重視していた」と言います。(2)のパターン。
昔、藤田社長とお食事をした際に直接うかがったことがあります。
社内で恐ろしく仕事のできる人はどんな人なのか。聞いたところ、
(1)は当然のことであるものの、
同社で本当のトップクラスの実績を出せる人は、
(2)と(3)になるようです。
他にも、IT系の上場会社の役員の方(創業メンバー)にも同じ質問をしたことがありますが、同じような回答でした。
(1)は基本中の基本ではありつつも、真のトップクラスは(2)と(3)まで実行できる人になるようです。
□ □ □
徹底的な量をこなすことで質へ転化するのをただ待つだけでなく、
こなしつくした量の蓄積の、質への転化を
自ら促進する努力も大事ということ。
例えば、考える、効率化する、イメージする等々の努力が、
それにあたるかもしれません。
「機会によって自らが自然と変わる」ということは
充分に起こり得ることなのですが、
さらに「機会によって自らを変える」努力を加えることで、
成長はさらに促進できるのです。
□ □ □
とにもかくにも、まずは量。量を経ない質への向上努力は上滑りします。
徹底的な量をこなせる人は、失敗をも恐れない、勇気のある人です。
失敗を恐れないというのは、やみくもに行動するというのではなく、
失敗を成功の過程で受け止められる人、という意味です。
(量をこなせば、必然的に失敗数も増えるからです)
量をこなすと結果的に、失敗率は下がります。
失敗を二度と踏まないようになっていくということが、結果として、質の向上、質への転化につながっていくわけです。
そして、徹底的な量をこなしてもなかなか質に転化されずにいると感じるなら、
絶対量が足りないか、質への向上努力が足りないかのどちらかです。
□ □ □
シンプルに考えましょう。
努力してできるようになれることなら、徹底的に努力をすれば良いだけのこと。
それでもできなければ、できるようになるために必要なことを考えれば良いのです。
社内だけでなく、社外の「できる人」にも目を向けてみましょう。
「すごい人」というのは、本当にすごいものです。
いまいちど、「量」と「質」をいろいろな角度から考えなおしてみましょう。
藤田社長も言っていますが、「仕事を通じて成長し、成長した人に仕事が集まってくる」のです。
もし今取り組んでいることで、
もっともっと成果を出したい!と思っていることがあるのなら、
ぜひ読みっぱなしにせず、必ず何かを実行すると、良い事があるはずです。
この機会を使って、自らを変えていきましょう。
そして、経験による苦労を乗り超えて、結果をつくりましょう。
(と、自分自身にも言い聞かせています:笑)
【 このテーマに関するおすすめ本 】 (マウスのポインタを書名の上にのせてみてください) 『リクルートのDNA―起業家精神とは何か』 (江副 浩正:著) 『生き方―人間として一番大切なこと』 (稲盛 和夫:著) 『渋谷ではたらく社長の告白』 (藤田 晋:著) 『大金持ちをランチに誘え! 世界的グルが教える「大量行動の原則」』 (ダン・ケネディ:著) |
このコラムは、2007年6月23日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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2007年7月7日 渡邉 裕晃
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