今回のテーマは、選挙プロが語る必勝術。ありえないくらいに地道な努力を重ねていくと、恐ろしく大きなパワーを生むというのです。「えっ、そんなに簡単なこと?」と思うかもしれません。
先日雑誌を読んでいて、「へぇ・・・」と感心したことがあります。地道な努力を続けることが、いかに重要かということを、改めて強く考えさせられました。今回は、そのエピソードをふまえ「地道な努力の意味」について、まとめてみます。
選挙で当選するには「地道な努力」が不可欠
ある政治家の話です。この人物は何度も当選しているベテラン議員。本人も、「選挙のプロ」を自負する程の実力です。
新たに立候補をして、「これから当選を目指すぞ!」という新人たちに、彼はこんな指導をするそうです。
「毎日最低でも50ヶ所で、街頭演説をこなすこと」
1日に50ヶ所というのは、相当大変な数字です。
仮に、1箇所で10分の演説をするとします。
(選挙演説で10分というのは、チラシ配りや握手なども考えればあっという間です・・・)
次の会場までの移動時間を10分と見立てても・・・、
■20分X50回=1000分=16時間40分!!
計算してみると、かなり大変な数字であることがわかります。
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街頭演説は、見ていてわかるように、足を止めて聞いている人はほとんどいません。
あまりにも効率が悪いようにも思えます。
でも彼は、「とにかく足だ!」と言います。
私は専門家ではないので、これが適切なアクションプランであるのか、わかりませんが、選挙を果敢に乗り越えてきた彼の指導することです。ここにやりがいを見出して、ひたすら真摯にとりくんでいくのか。
あるいは
「こんなのやったって、みんな聞いていないですよ・・・」と、力をぬいて、後ろ向きにこなすのか。
この2つでは、大きな違いが生まれてくることは想像に難くないと思います。
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前者であれば・・・、
自然と演説の声も大きく元気になっていくでしょう。
握手の手は、自信ある手に変わり、寝る間も惜しんで、演説の内容をブラッシュアップさせていこうと考えるようになるでしょう。
どこのエリアで語れば、どんな人たちにふれあえるだろうか・・・、といったことも、どんどんアイディアが出てくることになるでしょう。
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後者であれば・・・、
演説の声は小さいまま。握手の手も消極的で自信無さげになり、有権者の目線を見ることなく、事務的な演説をこなすようになるでしょう。
演説以外にもっと効率的なことはないかと考えるでしょう。
効率化を考えることは大事なことですが、きっかけが後ろ向きなので、良いアイディアが出ることはあまり期待できません。
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仕事で大きな成長をはたしたいと思うなら、大事なことは、目の前の仕事を好きになること。
自分なりに、やりがいを見つけ出すこと。
「好きな仕事を探す」ということよりも、「目の前の仕事を好きになる」ということの方が、遠回りのようでいて、実は近道なのだと思います。
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とは言え、はじめのうちは、なかなか大変な努力を要することもあるでしょう。
やりがいの感じられない作業も、たくさんあるかもしれません。
でも、真剣に探そうと思いさえすれば、面白さ、楽しさ、やりがいといったことはどこかに必ず見出せるものです。
たとえ見出せずにいたとしても、
・「そこに楽しさを見出そうとするのか」、
・「いやいやながらこなすのか」、
この2つの姿勢で、その人の成長には大きな格差が生まれてくるに違いありません。
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雑誌によると、彼は、こうも言っています。
たとえ暗くなってきた夕方、あるいは夜でもね。また、それがたとえ人影の無い農地だったり、山の林道ぞいであってもね。必死に語ることなんですよ。
見かけで誰もいないところでもね。真剣に語っていると、誰かどこかで、家の窓からテレビを見ながら耳を貸してくれたりするんです。 暗い林道でもね。真摯に語り続けていたら、山奥から、懐中電灯の光をふってくれたおじいさんがいるんです。 あれは感動したなぁ・・・。 |
(注:読んだ記憶を元に書き起こしました)
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前向きに全力投球している人の努力は、きっと誰かが見ています。
それがクチコミで伝播することもあるでしょう。
数をこなした演説が、その人の演説力に磨きをかける作用もあるでしょう。
何より彼に、大いなる自信を植え付けて・・・、
それは、内面だけでなく、外見だけでも明らかに大きな人物へと変身させるところがあるのだと思います。それが人間力を形成する・・・。
努力は、地道に継続することで、すさまじいパワーを生み出すことがあります。
だからこそ、自戒を込めて言いたいのです。
今できること、必死に取り組んでいきましょう。
必ずや、いろいろな変化が起きてくるはずだと。
【参考】地道な努力を積み重ねることに関するブログ記事
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このコラムは、2007年7月18日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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