先日の、とある朝、不審者にからまれました。
子供たちを幼稚園に連れて行こうとしていた時のこと。
自転車かごの前には3歳の長女、後ろに2歳の長男。
私も乗ろうとしたら、後ろから怪しいおじさんが・・・。
60歳くらいの、明らかに変なおじさん。
いきなり話しかけられました。
子供を守らなくてはいけない! という局面。皆さんにも同じような経験はありますか?
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「おい、おい。隣の9階のやつだろう?」と。
(私は隣のビルと関係ないし、住まいも9階ではありません)
「はぁ?」と言うと、
「あれ、俺が全部割っちゃったんだよ。俺なんだよ、やったの。悪いな」と。
この段階で、頭のおかしな人だとわかったので無視して出発しようとすると「おい、ちょっと待てよ!!」と言われて。走り去ろうとしても、子供2人で約30キロ近くの重さがあるので、自転車が全然動かない・・・。
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この怪しいおやじ。
自転車の後部に備え付けてあるうちの娘のカバンをみて、
「これ、栗いっぱい入っているだろ?」と。
「えっ、栗?」(笑)
私はここで、身の危険を感じました。
「俺、まだ栗もらってないんだよ、くれよ」
「頼むよ。必要なんだよ、俺だけ、栗、もらってないんだよ」と。
ものすごい形相で迫ってきます。
無視して出発しようとすると、声を荒げて「おい! 待てよ!」と。
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私も究極まで迷ったのですが・・・、
このままだと前から来る通行人から勘違いされるかもしれない。、
そうすると、私を泥棒扱いされるかも・・・。
それはそれで、かえってややこしいことになりそうなので、
私はあえて、このおやじと挑戦することにしました。
結論からすると、なんだかんだで、幸運にも、このおやじの方から撤退してくれました。
□ □ □
今の世の中は、大変残念なことに、いつ誰がナイフを出してくるかわかったものではないので、本当に恐ろしい瞬間でした。
命を張ってでも子供を守るのは「親の使命」。
震災の時も思いましたが、「その場の咄嗟の判断力と行動力」は本当に重要だなと改めて痛感させられました。
□ □ □
その後の余話。
無事にその場を脱出し、自転車をこぎ始めた時のこと。
前のかごに座っていた娘が私に向かって心配そうな表情をつくり、「ぱぱ、どうしたの?」と。
安堵した私は、気持ちの整理をつけながら、どう説明しようかと悩みつつ・・・
□ □ □
私:「あのねぇ。変なおじさんが来たんだよ。」 娘:「(不安な表情で)そぉ」 私:「りこの大事なカバンを見てね。 いいなぁ・・・ちょうだーいって、言ってきたんだよ」 娘:(不安な表情で、さらに私を注視) 私:「でもね。これは、りこの大事ですよー。 だから、ダメですよー。 めっ、めっ! あっち行って下さーい。しっしー、って言ったの」 娘:(不安な表情で、引き続き私を注視) 私:「そおしたらね。 ごめんなさーい、ごめんなさーいって。 もう、しませーん! って、帰っていったよ」 |
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そんな説明を、自転車をこぎながらしていたら、
しばらくして、事態がなんとなく呑み込めたのでしょうか。
娘が、急に、
顔を斜めに傾けながら、満面の笑みを浮かべて、ゆっくりと・・・。
「よーかーっーたーねー!」って。
□ □ □
その時、私は心の底から思いました。
そうだ、そうだ。自分は、そのために生きているんだと。
家族が、「今日も、よーかーっーたーねー!」と、
心の底から言ってくれる、そんな毎日を提供するためにこそ、
自分は生きているんだと、深く深く思ったのです。
□ □ □
家族みんなが、一日また一日と過ぎ行く人生の中にあって、
それぞれが、「今日もみんなで楽しかったね」と言えること。
プリミティブでも、これほどの幸福は無いんだなと、
改めて教えられた思いです。
当たり前すぎるけど、大事なこと。
頭でわかっていることを、身の危険を覚えるほどの感覚のレベルで教えてくれたこと。
あと何年、一緒に過ごせるかわからない、そんな大事な家族のことを改めて考えさせてくれたこと。
あぁ、神様、ありがとうございます・・・。
2011年10月18日 渡邉 裕晃
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