CGMをテーマとする勉強会に参加してきました。
インターネットの広告やマーケティングの業界で、次なる主役として話題になっているのが、「CGM」。CGMは「Consumer Generated Media」の略称で、直訳すれば、「消費者によって生成されたメディア」となります。
一般的にはブログやSNS(mixiやGREEなど)、口コミや動画などを投稿するタイプのサイトなど、ユーザーが情報発信することで成立するサイトのことを指します。
CGMマーケティング 消費者集合体を味方にする技術
伊地知 晋一 ソフトバンククリエイティブ 2006-12-16
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「CGMマーケティングの新潮流」と題するイベントで、今回で3回目。ちなみに前回は、こんな内容でした。
「CGMマーケティングの新潮流」はこの分野での先駆的存在である、株式会社EAさんのコーディネートによるイベントです。今回は、業界関係者、約30名の方々が出席されていました。
今回のゲストスピーカーは、3名。
(2)アライドアーキテクツ取締役 瀧口和宏様
(3)メディアグルーヴ代表取締役 相原仁様
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【写真:カレン広報室長、四家正紀さんのプレゼン】
まず、カレンの四家さんは、業界でも古くから知られる有名人。ブログマーケティングについても草創期から取り組まれていらっしゃいました。
私自身、お仕事では、ネット広告黎明期である1998年、1999年のあたりに、特にお世話になっていました。
スポーツの「カーリング」の中継を事例にCGMを考察。ほとんど注目を浴びることのなかったカーリングが、CGMのパワー(特に「2チャンネル」の利用)によって、マスメディアにまで取り上げられるようになるまでの過程を解説。
コンシューマーが力を合わせて盛り立てていくということ。
ボランティア精神でつくりあげていくということ。
実にドラマチックですらありました。
「電車男」をほうふつとさせる事例でした。電車男もCGMの一種ですからね。
また、複雑なものや未知の領域については、いったん原点に立ち返って再考察してみることの意義を感じました。CGMマーケティングとは何か?からスタートするのではなく、現場にある事例を見つめることでCGMの本質を浮かび上がらせようとする手法。
まさに、Back to the Basic 。
これは、いろいろなことにあてはめられると思います。プレゼンも素晴らしかったです。CGMそのものだけでなく、プレゼン手法であったり、考察の切り込み方だったりと、いろいろ刺激を受けました。
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【写真:アライドアーキテクツ取締役、瀧口和宏さんのプレゼン】
次に、アライドアーキテクツ取締役 瀧口さんのプレゼン。
次から次へと膨大なブログが生まれている中で、ブログがメディアとして注目を集めるようになっています。どんどん増えていくという、その必然だと思いますが、昨今、それらをうまく束ねていくことで新しい価値を生み出そうとする試みが出てきています。
編集者で知られる松岡正剛さんは、「これからは編集が大事になる」とおっしゃっていますが、まさにそんな感じですね。ブログを利用したアグリゲーションメディアとも言えるでしょう。
エディタ以外にも、例えば、
■にほんブログ村
■Iza
注目の分野なので、時間を見つけて自分でもサイトを見たり、会員登録をしてみたりしていますが、まだまだこれからのメディアだと思いますし、いろいろな可能性を秘めているとも思います。
ただ、ブロガー集約サービスである「エディタエンタープライズ」の商品説明を聞いて、「エディタ」というブロガーコミュニティサイトの位置づけがわかり、「なるほど、そういうことだったのか!」という思いがしました。
エディタエンタープライズの一例として紹介されたサイトがこちら。
■JAL:ちゅら通ブログ
いろいろとアイディアをかきたてられます。
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さて、最後は、メディアグルーヴ相原さんのプレゼン。ブロガーが手軽にリッチコンテンツを作成出来るというサービスの紹介です。
■マジカルメーカー
http://www.magicalmaker.com/
■マジカルムービー
http://www.media-groove.co.jp/products_mv_ad.html
プリクラのような感覚をブログに取り入れたもの。なかなか面白いサービスです。数々のブログ運営者にも、ASPとして導入されています。
ユーザーは一部に偏るかもしれませんが、ブロガーの力学から察するに、うまくいけば、絵文字のような、新しい文化の創出にまでつながるかもしれません。
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今回の勉強会は、全体的に、CGMの可能性を強く感じさせるものでした。
だからこそ果敢にチャレンジをしていかなければいけないし、するだけの価値がある分野なのだと思います。ただ難点は、これをどうマネタイズする(お金にする)かという点ですね・・・。
ビジネスに結びつけるにあたっては、ヒトのコミュニケーションの円滑化を仲介するという点で、独特の繊細さも要求されるように感じます。
また、ネット広告勃興期に感じられたような、独特の躍動感を感じさせるような何かが、ここにはあるような気がしています。
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さて、次回の「CGMマーケティングの新潮流」ですが・・・、
クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング
コグレ マサト,いしたに まさき 日経BP社 2007-03-29
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ブログ「[N]ネタフル」で知られるコグレマサトさんと、ブログ「みたいもん!」で知られるいしたにまさきさん。共著で出版された本は、いま話題になっていますね。
このお二方のブロガーに、EA松本さんと加えた3者のパネルディスカッション。面白そうで、今から楽しみです。
■CGMマーケティングの新潮流vol.4 パネルディスカッション「クチコミの技術と企業のマーケティング」 5月8日火曜 18:30開場 19:00 – 22:00 |
2007年4月25日 渡邉 裕晃
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