学会誌『火葬研究』(第23号:2019年発行)で、インドネシアの火葬事情に関するレポートが掲載されました。私が住むのはインドネシア・東ジャワのマラン(Malang)という高原都市。そのマランにある火葬場を視察してまとめたレポートです。
題名は「東ジャワ・マランの火葬場 – イスラム圏の華人社会における火葬文化」(Crematorium in Malang, East Java – Cremation culture in Chinese society in the Islamic area)です。今回は、これについてのご紹介を。
インドネシアの火葬文化を富山大学の遠山和大先生と共同調査
このレポートは、火葬文化の研究者でもある富山大学の遠山和大先生と共同でまとめたものです。
学会誌『火葬研究』を発行しているのは、火葬に関する調査研究を行う学会である「火葬研」です。元々は、2019年5月29日に開催された会合で発表したものですが、その後、加筆修正を経てレポート化。
11月7日開催の年間イベント、「火葬研究大会」にあわせて配布されました。こうして「かたち」になるのは、本当に嬉しいです・・・。なおマランの場所を地図で示すと、このあたりです。
インドネシアの火葬事情、レポートの内容は?
論文の内容はオンラインでは公開されていません。しかし、加筆前のレポートに私なりの説明を加えたものは、すでにブログで紹介しています。
もし内容に関心があるという方は、ぜひこちらをご覧ください。なお、あくまでも「東ジャワ・マランの火葬場」をもとにした調査なので、インドネシア全体の火葬事情を網羅したものではありません。しかし、マランの火葬場を調べるだけでも、非常に多くの発見があったことは事実です。
火葬に関する調査研究を行う学会「火葬研」とは?
「火葬研」は、広く「火葬」全般に関する調査研究を行う団体です。今から20年前の1999年、東京電機大学に設立された「火葬研究会」が前身です。
その後2009年10月には社団法人化されて、現在の「一般社団法人 火葬研」(ASSOCIATION OF RESEARCH INITIATIVES FOR CREMATION, FUNERAL AND CEMETERY STUDIES)という名前になりました。
インドネシアの火葬事情は奥深い!
すでに前述のブログにも書きましたが、今回東ジャワのマランの火葬場を調査するだけでも、非常に興味深いことがたくさんわかってきました。
また同時に、もっともっと他のエリアの火葬事情も調査しなくては!と痛感させられたのも事実です。インドネシアは国土も広大。人口も2億7000万人という大国で、言語の数も民族も数も膨大です。火葬も土葬も、その形態は違えど、そこに込められた人々の「想い」を汲み取ることによって見えてくることは本当に深いものがあるはずです。
今回のレポート掲載をきっかけにして、インドネシアの火葬文化や火葬事情をさらに追求していければと思っています!