オンライン配車事業への反発|インドネシアの高速バスターミナルの場合は?

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スマートフォンで呼び出しができる「オンラインタクシー」サービス。配車アプリサービスとも言われる事業です。今インドネシアでは、ものすごい勢いで成長している分野です。

インドネシアでは「ウーバー」(Uber)や、「グラブタクシー」(GrabTaxi)、GoJekが運営する「ゴー・カー」(GoCar)などが有名。配車の予約が便利なだけでなく、圧倒的に値段が安い! そのため、既存のタクシー勢力とは、大きくぶつかりあっています。

スラバヤで何度か実験してみたところ、「ゴー・カー」で手配した場合の料金と、現地で有名な「ブルーバードタクシー」を頼んだ場合の料金を比べると、同じ距離でもだいたい2倍から3倍のひらきがありました。どうりでみんな、オンラインタクシーを使うようになるわけです。

既存のタクシー勢力も黙っているわけにはいかず、インドネシアの空港やバスターミナルなど、主要なタクシー乗り場では、オンラインタクシーが締め出されているのが現状です。今回のブログでは、スラバヤの高速バスターミナルで、どう締め出されているかをご紹介しましょう。




締め出しをくらうオンラインタクシーサービス

横断幕で「オンラインタクシーの乗り入れ禁止」と書かれていたり、あるいは近くを歩いているスタッフに「オンラインタクシーの乗り場はどこですか?」なんて聞こうものなら、「なぜ既存のタクシーを使わないのか。ここに何台もいるのに」と言い寄られる始末。

以前、スラバヤの高速バスターミナルで聞いた時も、ターミナルのスタッフから「そんなものは、無い!」って、はっきりと言われましたから。感じ悪いですよね(笑)

あきらめずに、他の人に聞いて回ったりしたら、なんと600メートルも歩かないとたどり着けない場所に、締め出されていたのです。

地図で見ると、このとおり。

バスターミナルにはタクシー乗り場もありますが、オンラインタクシーの乗り入れは禁止。オンラインタクシーの乗り場を説明する看板もなし。もちろん、説明してくれるスタッフもいない・・・。

こんなに歩かないといけないなんて、普通わからないですよね。しかも、オンラインタクシーは、もともとスマホでどこにでも配車できることが特徴。なのに「オンラインタクシー専用の乗り場」が用意されていて、そこから乗らないと行けないルールがあるなんて(しかもそのアナウンスも無い!)

上記の地図を写真で見ると、こんな感じです。けっこう歩くんですよ。

オンラインタクシー専用の乗り場まで歩いてみる

スラバヤのバスターミナルからオンラインタクシー専用乗り場まで、実際に歩いてみたのでご紹介しましょう。まず、高速バスターミナルに到着。タクシー乗り場を通り超えて、外へ向かって歩いていきます・・・。

ずーっと歩いていくと、バスターミナルの敷地の外に出ます。大きな字で「プラバヤ・ターミナル」と書いてあります。

そして、交通量の多い道を横断します。横断歩道はありません。ここまで締め出します・・・。

渡りきります。するとここに小さな乗り場があります。

写真の右側がそれ。これ、わからないですよね・・・。表示だって無いんですよ。

ブース内に小さな横断幕があって、そこに小さく「オンラインタクシー乗り場」と書いてあるだけ・・・。

それでもオンラインタクシーを使いたくなる理由


【写真:「オンラインタクシー・バイクの乗客を迎える場所」と記載された横断幕@スラバヤにて】

それでもやはり、圧倒的に安いし、運転手との現金やりとりが発生しないのも楽。既存のタクシーだと、お釣りをごまかす運転手もいて、そういうのって意外と気が滅入るんですよね。そういう精神的は疲労を受けることもなくて安心。

しかもスマホで配車しているので、終わってからその運転手を評価したり、クレームを入れる等のフィードバックを送ることも可能なんです。この安心感はホントに大きい。

インドネシアでは、今後もますますオンラインタクシーが伸びていくことは間違いないでしょう。既存の勢力と、どう調和をはかっていくか。法的な規制をどうしていくべきか。そのあたりは依然として大きな問題。

でも、時代は変わっていきますからね。消費者にとって便利なものが、こうして遠くに追いやられているのはホントにもったいない・・・。

オンラインタクシーを利用する度に、新時代のサービスの便利さを実感させられる反面で、既存勢力との利害調整という「別次元の問題」がはらむ根深さもまた実感させられている次第です。

【参考】急成長するインドネシアの配車アプリサービスに関するブログ記事

急成長するインドネシアの配車アプリサービスに関するブログ記事をまとめました。こちらも、ぜひどうぞ。

インドネシア配車アプリ事情|業界対立が深刻化する急成長ぶりに迫る
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