■おすすめの食事場所(東京・松濤)
1001日しか開けないという侘び寂びフレンチ懐石の隠れ家
「竹慈庵なかだ」
【写真:あぁ、あと642日しかない・・・】
このお店は、1001日間しか営業しません。
いつまでもあるよりは、最高の状態で惜しまれて閉店する方が良いだろうということで、アラビアンナイトの「千と一夜の物語」とひっかけたのだそうです。
【写真:枝豆のスフレ】
結論から言って、
期間限定だなんて、もったいない!!!
そんなお店でした。
【写真:ホワイトアスパラのサラダ】
素晴らしい空間です。初めてなのに、ゆったり落ち着いてしまう空間・・・。
今回のお店は、完全紹介制なのですが、憧れの大社長からお誘いいただいたのです。9年前に初めてお目にかかった時、なぜか、恐ろしい程のインパクトを受けて、敬意で釘付けになり・・・、
【写真:レモンのリゾット。器との色合わせが美しい。ご主人の粋が伝わる組み合わせ】
なぜか私がサムスルを創業するのとほぼ同じ時期に、今の会社の実質的な社長に就任されたという、何かの縁を感じずにはおれない業界一のグルメ社長。
(グルメというより食の求道者)
9年前の私にとっては、雲の上の存在。けれども、なぜか気になって、当時まだ学生だったものの、ずっとアプローチさせていただいていました。
その後、海外にも連れて行っていただきましたが、今回はこんなお食事にもお招きいただき、本当に幸せでございます・・・。
【写真:フォアグラのプラチナ漬け。大大大びっくり!の味】
社長のブログを再読してみると、こんな一節を発見しました。
とりあえず帰りに予約を取った。
帰りに予約を入れるという暴挙に出たのは何年振りであろうか?
今は誰をお誘いするか楽しみである。
早く行かないと。
私で良かったのでしょうか。
読み返すだに、感謝の念が倍増いたします。
【写真:ドライトマト入り花巻】
お店のしつらえも、空間も、
空気も、おもてなしも、器も、
そして、時間までもが、
すべてきれいに無理なく無駄なく違和感なく、
ゆったりと流れています。
都内某所に佇む一軒家は、高級住宅街だけあって、静寂そのもの。東京とは思えません。
【写真:トマト水 素麺】
ゆっくりと流れるお酒、お食事、すべてお見事。
「本当に満足のいくお店がない。ならばつくっちゃえ」
そういうことでつくられたお店だそうです。
オーナーの方々には、ぜひいつかお目にかかりたいものです。世界はすごいですなぁ・・・。
【写真:大間の鮪のカツ】
元々フレンチのシェフをされていた方がつくられるだけあって、ただの和食ではないことがすぐにわかります。
どの作品も、味だけではなく、色に、かたちに、盛り付けに、「おっ」と思わせるものがあります。
肉とソースと分量とで、ドカンと迫り、「どうだっ」といわんばかりのフレンチには辟易とさせられる私にとって、この空間でいただく、厳選された素材で、とっても適量の、自然派作品は、大ヒットです。
【写真:軍鶏肉団子】
最高級の日本酒「満寿泉」に1週間つけこんだという「フォアグラのプラチナ漬け」は、正直「なんじゃこりゃー!」とびっくりの美味。まいりました。「満寿泉」をいただきながら、一口一口・・・。
そうめんをいただくと、非常に香味さわやかな、
大自然を思い起こすようなトマトの風味が濃厚に・・・。
はて? と思ってお尋ねすると、水のように透明なのに、トマトをしっかりと使ってつくられたというおつゆ。
京料理の「と村」(赤坂見附)や「不老庵」(銀座)を思い出す美味です。
【写真:自家製XO醤丼・お吸い物・エチュベ。和食に「XO醤」ですよ!XO醤!】
わずか7席しかない広いカウンターにすわり、ただ「六四二日」と書かれた文字を見ながら、お料理をいただくとき、えもいわれぬような、人生の期間限定性=「今」という美学を、痛烈に感じずにはいられません・・・。
いろいろなことに、感謝の念がほとばしります。
これが、お料理にひとつの味をそえていることは間違いありません。
侘び寂びフレンチ懐石、ここにあり。
【写真:桃と黒胡椒蜂蜜和え。こんな味付けの桃は初めてでした・・・。逸品です】
一期一会のはかなさと貴重さとを同時に感じることができる点で、まさに、お茶室の会席なのでありました。
本当に誘いたい人だけを誘うべきお店です。
【写真:最後のお抹茶。一期一会を噛み締めます・・・】
あぁ、あぁ、あと639日しかない・・・。
・住所:非公開(東京都渋谷区松涛の某所)
・電話:非公開
・備考:完全予約制
■後日の追記
その後また「竹慈庵なかだ」について、ブログ記事をアップしました。参考までにどうぞ。
■後日追記:
ご主人である中田昇さんは、その後2009年6月に「幻燈士なかだ」というお店を港区元麻布にオープンされています。