インドネシアの初代大統領、スカルノのお墓に行く機会がありました。ジャワ島の東部、東ジャワのブリタール(Blitar)にあります。
私の住むマランからブリタールまでは約75キロの距離。「スカルノのお墓に行くんだけど、一緒に行かない?」と誘われて、以前から「ぜひ行ってみたい」と思っていた私は、「行きます!」と即答。さっそく行ってきましたよ。
と言っても訪問したのは少し前の出来事になるのですが・・・、
2016年、年始のブログをスタートさせるにあたり、「インドネシア生活のスタートは、やはり初代大統領スカルノに立ち返りたい」そんな思いがわいてきて、ブログにまとめることにした次第です。
目次
スカルノは、カリスマ性のあるインドネシアの指導者
Oentoek PJM Presiden Soekarno – Lilis Surjani
6 Juni 1901, Soekarno dilahirkan di Surabaya dengan nama Koesno Sosrodihardjo.
118 tahun Bung Karno. pic.twitter.com/Jm7d6LQOhk
— IG: videosejarah (@VideoSejarah) 2019年6月6日
インドネシアにとって、建国の父「スカルノ」は今でも人気を誇るカリスマです。私がこうしてインドネシアで暮らすことができるのも、たくさんの犠牲と紆余曲折を経て、インドネシアが建国されたおかげです。
スカルノは1901年生まれ。インドネシアがオランダの植民地だった頃から、民族独立運動に身を捧げた人物です。昔の映像はこちら。カリスマ性のある人物としても有名ですが、映像を見てもイメージが伝わってくるのではないでしょうか。
ブリタールにあるスカルノの墓地まで、マランから約2時間
そんなスカルノのお墓は、東ジャワのブリタールにあります。スカルノのお墓の場所を地図で示すと、こちらです。
知人がチャーターしたバスに乗って、現地へ向かいました。マランから2時間ほどで到着。地図で示すと、このような経路です。
敷地内の「スカルノ」の歴史資料館へ
敷地は1.8ヘクタール。入口に入ると、2004年に建築されたばかりの歴史資料館が。
写真の奥が入口で、奥にある建物が歴史資料館。奥から手前に向かって歩いて行くと、お墓のエリアに入れます。さっそく資料館に入ってみると、スカルノの写真や絵画、数々の名言が展示されていて、たくさんの来場者が、ゆっくりと眺めていました。
ある肖像画に人が集まっていて、「なんだろう?」と思ってみてみると、これまたびっくり。肖像画をすぐ横から眺めてみたら、なんとスカルノの心臓部分が動き続けているじゃないですか・・・。
風の具合でそうなっているのでしょうが、びっくりな演出?です。
カリスマ演説家、スカルノの名言の数々
さすが稀代の名演説家として知られているだけあって、展示されている名言の数々は「言葉選び」からしてとても美しいです。いくつかをご紹介しましょう。
「私たちは平和を愛する民族だが、独立をより愛する民族である」
Kita bangsa yang cinta perdamaian tetapi lebih cinta KEMERDEKAAN.
私たちは、平和を愛する民族だが、独立をより愛する民族である
「私はこの民族と国家を君たちに託そう」
“Kutitipkan Bangsa dan Negara ini kepadamu”
「私はこの民族と国家を君たちに託そう」
「自分のことに自信がない民族は、直接立つ(自立する)ことはできない」
Sesuatu bangsa yang tidak mempunyai kepercayaan kepada diri sendiri tidak dapat berdiri langsung.
自分のことに自信がない民族は、直接立つ(自立する)ことはできない
こうして日本語にしてみると、普通の指導者の普通のメッセージのようにも聞こえますが・・・、インドネシア語が簡潔にして美しく、これ、同時代のインドネシアの人々には、聞いていて心地よく、かつ、頼もしく聞こえただろうなとそんなことを感じました。
ついにスカルノのお墓へ
博物館を見てから、今度はスカルノのお墓へと歩いていきます。
しばらく歩くと、お墓エリアの入口に。
これまた実に立派な門がそびえたっています。
中に入ると、こちらがお墓。屋根だけで壁のないスタイル。Cungkupと呼ばれる建物で、ジャワスタイルのお墓です。
独特の勾配をもつ「ジョグロ(Joglo)」と呼ばれるスタイルの屋根でつくられています。
お墓の隣には黒い大理石が置いてあり、次のように記されています。
「ここに、独立宣言者にしてインドネシア共和国初代大統領、インドネシア国民の代弁者であるスカルノ同志が眠る」 “Disini dimakamkan Bung Karno Proklamator Kemerdekaan Dan Presiden Pertama Republik Indonesia. Penyambung Lidah Rakyat Indonesia.” |
場の雰囲気からスカルノを感じるということ
今回初めて訪れたスカルノのお墓。「資料館」と行っても、絵画や写真が飾られている程度で、詳しく知りたい人には、物足りないというのが正直なところ。
でも、お墓があって、人々が参詣してきて、そして資料館でスカルノの写真や名言を眺める人々がいて・・・。そういう「場の雰囲気」に触れることで、「もっとスカルノのことを知りたい」という気持ちが湧いてくる。そんな場所ではないかと思いました。
スカルノは、インドネシアの独立を果たした指導者ですが、その後、経済発展を導くことはできず、評価も別れる存在。でも、インドネシアを独立させ、魅力あふれる話力と、強いリーダーシップで、インドネシアをまとめた指導者として、今でも「カリスマ」的な存在。
スカルノを知ること。同時代を知ること。
現代の人々にとってスカルノとは、いかなる存在か。
それを追求することは、「インドネシアというもの」を理解しようとする時に、とても重要な一要素になるのではないか、私はそう思います。
Akhir minggu yang lalu, saya mengunjungi Makam Bung Karno di Kota Blitar. Pemakaman presiden pertama di Indonesia yang…
Posted by Hiroaki Samsi Watanabe on 2015年6月15日
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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