「イスラム人口」が世界一のインドネシア。あえてイスラムが禁じている「豚肉」を食べてみることで、何が見えるか・・・というのが今回のブログのテーマです。
「イスラム」というと、日本の多くの人は、まずはじめに「中東」をイメージする人が多いと思います。でも、実際のところ、世界で最もイスラム教人口の多い国を探すと、その国は「中東」にはありません。正解は、インドネシア。
世界で最もイスラム教人口が多いのは、中東ではなく、東南アジアのインドネシア。でも、中東ほど厳しいイメージはなく、とても寛容なイスラムが、そこにはあるのです。
【写真:インドネシアのレストランで味わった「サテ・バビ」(豚肉の串焼き)】
目次
ハラルフードというブーム?
イスラムでは、豚肉を食べることは禁じられています。そのため消費されている肉の多くが牛肉と鶏肉です。
イスラム教徒が食べても良いものを「ハラルフード」といいます。「ハラル」とは、イスラム法で認められた「こと」や「もの」を示す概念。つまり「ハラルフード」は「イスラム法で、食べても良いと認められた食品」を意味します。
日本でも、この数年、なかばブームになっていますよね。いわゆる「ハラルフード」というブームです。
イスラム教徒でも食べられるものについて、「ハラル」の認証が与えられると。そして、イスラムの人たちは、ハラル認証がついたものであれば安心して食べると。
だから「ハラル認証を取れば、イスラム圏に対しても、どんどんビジネス機会が広げられるぞ!」と。そういう動きが、なかばブームとして存在したことは否めません。
イスラムへの理解を示すということ
私自身は、それを見ていて、イスラムへの理解を示すことは非常に良いことだと思い、ブログにも、いくつかまとめたことがあります。
でも、その一方で、「ビジネスとして」の観点からのみでハラルをとらえる風潮には、「?」という思いもありました。
それはイスラムの人たちのことを考えているよりは、自分たちのビジネスを優先して考えているんじゃいの? と。
多様性の国インドネシアならではの寛容なイスラム文化
「インドネシアのイスラムは寛容だ」と書きました。しかもインドネシアは、イスラム人口が圧倒的多数と言えども、イスラム以外の人たちにも、配慮する姿勢が充分にあります。うまく共存ができているのです。
実際、冒頭に写真で載せたように、豚肉料理を出すレストランもあります。
ジャカルタでは、豚肉を使った豚骨ラーメンの店が人気だったりもします。なぜなら、インドネシアには、イスラム教以外の人たちもたくさんいるからです。
インドネシアの人口は2億6,000万人ですが、2016年の宗教省の統計によれば、宗教人口の比率は以下のようになっています。
宗教 | 人口比率 |
---|---|
イスラム教 | 87.21% |
キリスト教(プロテスタント) | 6.96% |
キリスト教(カトリック) | 2.91% |
ヒンドゥー教 | 1.69% |
仏教 | 0.72% |
儒教 | 0.05% |
イメージで決めつけず、現場を見る努力を
インドネシアを理解しようと思うなら・・・、
(他の国を理解する場合も同様だと信じますが)
これ、あまり語られていないことですが、私が信じている「重要なこと」は、
・とにかく「十把一絡げに理解しようとしない」
・「グルーピングして、ラベリングしようとしない」
ことが重要です。
「イスラム人口が世界で最も多いから」という理由だけで、「じゃ、ハラル認証を取らないとダメなんだ」と決めつけない。
「イスラムが多いから●●なんでしょう?」みたいなステレオタイプな見方をしない。
「インドネシア人は●●だよね」みたいに、先入観(私からすれば「偏見」にしか見えない)を持たない。
それが大事だと私は考えます。
インドネシアで豚骨ラーメンが支持される!!現場を見よう
だって、世界で最もイスラムの多い国にあって、豚骨ラーメンが人気なんですよ。
どんな国にあっても、イメージを根拠に決めつけるのではなくて、その場、その場に、自らが赴いて、その「現場」や「人」をしっかり見つめること。
単に見つめるだけでなく、
何度も何度も訪れて、
何度も何度も交流して、
しっかりと見つめる続けることが大事だと思うのです。
現場を見れば見るほど、また、現地の人と触れあえば触れ合うほど、「●●人は●●だ」みたいな言説が、いかに現実から背いたもので、いかに意味のないフィクションか、ということが痛感できるはずですよ。
【参考】B級グルメが好きなら「ジャカルタぐるめ会」に参加しよう
ジャカルタのローカルフードを楽しみたいなら、ローカルグルメ好きで集まる日本人コミュニティ「ジャカルタぐるめ会」をオススメします。
定期的に集まって、ジャカルタのローカルグルメをみんなで堪能しようという会です。2019年にスタートした会で、2020年からは私が運営を引き継がせていただくことになりました。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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