インドネシアにはローカルから高級店まで、様々な種類のスーパーマーケットが存在します。そんな中、日本人駐在員に有名なのが、日系スーパーの老舗「パパイヤ フレッシュギャラリー」(Papaya Fresh Gallery)です。
「パパイヤ」は、首都ジャカルタだけでなく、バリ島やスラバヤエリアにもあり、合計で12店舗も展開されています。「パパイヤ」のお店に行くと必ずと言って良いほど日本人の買い物客にめぐりあい、まるで日本にいるかの錯覚をするほどです。
なぜ日本の駐在員たちに利用されているのか。どんな場所にお店があるのか。地図や営業時間も含めてまとめてみました。ぜひチェックしてみて下さい。お店がスタートした経緯や、日本人創業者である市原和雄さんという存在にも要注目ですよ。
目次
日系スーパー「パパイヤ」は、どんなお店?
日系スーパー「パパイヤ」は、1995年にスタートした老舗のスーパーマーケット。実に25年近くの歴史をもつ計算になります。その1号店は、ジャカルタではなくスラバヤでオープンしています。
商品説明のPOPは日本語で!!
パパイヤの店舗には日本食の食材も豊富にそろっています。インドネシアの現地駐在員やその家族、あるいは日本食や高級な食材を求める現地の上流層などがメインの顧客ターゲットです。
お店の中もとてもきれいで、商品の説明POPが日本語でも書かれていることが特徴です。
「何でもそろう」がキャッチコピーのパパイヤ
お米や味噌、豆腐に納豆、おそばやうどん、ラーメンもありますし、こんにゃくや厚揚げ、漬物なども並べられています。お弁当やお惣菜まであって、まるで日本のスーパーと勘違いしてしまいそうなくらいです。
例えばお米についても、日本の人に受け入れられるような種類を工夫して取りそろえてあります。こんな銘柄のお米、皆さんご存知ですか?
パパイヤの雰囲気を感じさせる「パパイヤの歌」はこちら!!
ちなみにこれが、店舗で流れているパパイヤの公式ソング「パパイヤの歌」。日本語とインドネシア語がまじりあった陽気な歌になっています。
これ、店内で何度も聞いているうちに、だんだんとハマってしまうんですよ・・・。「パパイヤの歌」、ぜひ再生してみてください。
インドネシアで有名なKazu Hayashiさんが作られたものですが、複数の方々の歌声が。インドネシアで有名な日本人俳優、鈴木伸幸さんの声も登場していますよ。
まるで日本のスーパーマーケットの中にいるかの錯覚が
輸入モノの商品についてはどうしても値段が高くなりがちですが、それでも「日本食材が買いたい!」という人にとって、パパイヤはとても重宝するお店のはずです。
インドネシア語や英語の不得意な人な日本人でも、安心して買い物ができるのがパパイヤの特徴。しかも、現地スーパーでは見かけることのない「日本語での説明文」は、たとえ知っている食材であっても、ついつい説明文を読みたくなってしまう・・・そんな独特の魅力があります。
なおインドネシアのコンビニやローカルのスーパーではお酒の調達に困るものですが、パパイヤならたくさんのビール在庫があるので安心です。お弁当やお惣菜もたくさん!
パパイヤスーパーマーケットの歴史は?
現地の駐在員に重宝されるだけでなく、インドネシアの中間・富裕層にも支持を広げるパパイヤスーパーマーケット。その歴史は必ずしも順調な展開と言えるものではありませんでした。
パパイヤを経営するのはインドネシアにあるマスヤグループ。正式名称は「PT. MASUYA GRAHA TRIKENCANA」という会社で、1989年に設立された企業です。創業したのは市原和雄さんという日本人。インドネシアにおける日本食流通のパイオニア的存在で、日本食輸入では最大の規模とネットワークを持っています。
もともと食品卸業としてスタートしたマスヤグループですが、「いつかスーパーマーケットに進出したい」という市原和雄さんの思いから、1995年6月にインドネシア第二の都市、東ジャワ州スラバヤに、パパイヤ1号店をオープンさせます。
インドネシアで多くの人に日本食を届けたいとの望み。実際にスーパーがオープンし、お客様がカートに商品を入れていくのを見て、市原和雄さんは思わず感動がおさえきれなかったと語られている記事を拝見したことがあります。
しかし、1998年あたりからインドネシアは政治的にも経済的にも大きな転機を迎えます。通貨危機もあって同社は何度も倒産の危機を迎えたといいます。
東奔西走した結果、なんとか危機を切り抜けることができ、現在のように着実な成長路線を歩むまでに至っています。パパイヤの生き残りの背景には、同社の創業者、市原和雄さんの存在があります。
こうして一つひとつの商品に日本語でも説明文を加えていることや、
日本ならでは「試食」を促したりと、
こうした細かくてもお客様の心に刺さるような大事なアイディアを地道に実践されているところなどは、まさにパパイヤが支持されるだけの大きな要因につながっているのではないでしょうか。
パパイヤを創業した日本人、市原和雄さんとは?
創業者である市原和雄さんの出身は拓殖大学のインドネシア学科。老舗の専門旅行代理店「インドネシア旅行社」の藤松滋社長や、日本とインドネシアとの取引を主体としていた貿易会社「南洋コマース」の日高輝夫氏などの下で修行をされてから、インドネシアでのビジネスをスタートされたそうです。
市原和雄さんの肉声を伝えるインタビューは多くはありませんが、いくつかの記事を拝見すると、いかに人と人との出会いが重要かということを述べられた部分が目立つ印象です。
事業をスタートする時にも人の助けがあり、運営する中でも様々な支えがあり、危機の時にも多方面から助けてくださったとの思い。市原和雄さんの、人と人とのつながりを重視される姿勢や、積極的な行動力があってこそ、マスヤグループは生き残ることができたということなのではないでしょうか。
これは2007年当時、パパイヤのジャカルタ店で店長をされていた酒井周子さん(旧姓:大垣さん)のインタビュー映像です。
■酒井周子さん|INTERVIEW|GO GLOBAL! -世界で活躍するセンパイたち- 神田外語大学 全然えらそうじゃないのと、入社の面接のときに「ノミ」の話をしていて、「ノミというのはマッチ箱の中に入れると、マッチ箱の高さしか飛べなくなるんだ。外に出してやるといっぱい飛べるようになるから、一緒に飛ばないか(笑)」と、とにかく面白かったですね。「自分の限界を自分で決めないで、もっと海外に出て働きなさい」と言ってくれたので、いい社長だなと思って。 |
これを見るだけでも、創業者の市原和雄さんという方は、チャレンジ精神が旺盛で、根っからの起業家であることを実感させます。また、社員思いの側面もあり、人使いのうまさを感じさせるようなエピソードですよね。
単なるスーパーを超えた、パパイヤグループの魅力
食品卸でスタートした同社ですが、新たにスーパーマーケットに進出するだけでなく、コンビニ店「Pi-ma!」や「モスバーガー」、小麦ベーカリー&カフェ店「komugi」や、100円ショップ「DAISO」の運営にもチャレンジされています。
パパイヤスーパーマーケットの店舗に行くと、DAISOが併設されている場合がありますが、関連事業という接点があったんですね。
また2012年には「神州一味噌」ブランドの味噌で知られる宮坂醸造と合弁で「ミヤサカ・インドネシア」(PT. MIYASAKA INDONESIA)を設立。味噌醸造の工場を建設し、ハラル対応をした味噌の製造と販売もスタートされています。
また、味噌といえば、豆腐や納豆を連想しますが、これも自社開発を進めているようです。
また2018年には太陽電池のセルやモジュールなどを生産するスカイエナジー等と共同で合弁会社「クイント・ソーラー・インドネシア(QSI)」を設立。工場の屋根上に置く太陽光発電システムの展開にもチャレンジすることが報じられています。
日本とインドネシアをつなぐという市原和雄さんの願い。食品にとどまらない分野にも果敢に挑戦されている背景には、単なるビジネスという側面だけでなく、2国間をつなぐ架け橋になりたいとの強い思いがありそうです。
インドネシアのお土産も。パパイヤに行ってみよう!
一方で、いたずらに拡大を急ぐわけではなく、あくまでも顧客の声を参考にしながら、お客様の声を大事にしようという姿勢が感じられるのもパパイヤの特徴です。日本にあるような、でもインドネシアではなかなか見かけない「お客様の声」のコーナーもその一つ。
パパイヤスーパーマーケットは、日本からの駐在員や出張者にとって、手軽に日本の食材を手に入れることのできる便利な場所。私自身は、ジャカルタ、バリ、スラバヤの数店を訪問したことがありますが、実際に店舗を訪れていると、必ずといっていいほど日本人の顧客が買い物をしている風景にめぐりあいます。
でも、駐在や出張という仕事目的だけでなく、純粋に観光でインドネシアを訪れる方にも、もし時間があればぜひ足を運んでほしいのがパパイヤです。日本の食事が意外な値段で販売されていたり、インドネシアの食事に日本語の解説があったり。
見ているだけでも楽しい場所ですが、ぜひ注目してほしいのは、インドネシアならではのお土産も販売されている店です。ただお土産といっても、食品関係に限られてはいます。でも私自身はパパイヤのおみやげコーナーへ行くと、「へぇ、こんな商品があるのか」とか、「こういう商品なら日本人向けのお土産に良いのかもしれないな」という発見があります。
そしてまた、実際に店舗を訪れて、現地で暮らす日本人たちの買い物風景を見れば、「将来インドネシアに住んでみたいな・・・」なんて思いがもたげてくるかもしれません。ぜひ行ってみてください!
パパイヤの店舗の場所と営業時間は?
そんなパパイヤですが、インドネシアでは現在、ジャカルタ、スラバヤ、バリ島という3つのエリアで展開されています。順番にご紹介します。
ジャカルタエリアにあるパパイヤ・スーパーマーケット
■ジャカルタのパパイヤ:ブロックM ムラワイ店
BlokM Melawai:Jl. Melawai Raya No.28 Kebayoran Baru, Jakarta Selatan 12160, Indonesia
営業時間:9:00〜21:00
■ジャカルタのパパイヤ:シティウォーク スディルマン店
日本人駐在員も多く訪れるモール、「シティウォーク・スディルマン」の1階にあります。ジャカルタのパパイヤとしては3店目となります。2013年8月にオープンしました。
Citywalk Sudirman Lt. GF # 9, Jl. K.H. Mas Mansyur No.121, RT.10/RW.11, Karet Tengsin, Tanahabang, Kota Jakarta Pusat, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 10220
営業時間:9:00〜22:00
■ジャカルタのパパイヤ:ブミマス店
Jl. Terogong Raya, RT.6/RW.10, Cilandak Bar., Cilandak, Kota Jakarta Selatan, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 12430
Jl. K.H. Mas Manysur No. 121,Tanah Abang, Jakarta Pusat 10220
営業時間:9:00〜21:00
■ジャカルタのパパイヤ:ワンパークエクスプレス店
大型ショッピングモール「ガンダリアシティ」の南側にあるマンション「ワンパーク・レジデンス」の1階にできたミニショップ「パパイヤエクスプレス」です。
1 Park Residences, Jl. Gandaria 1, RT.1/RW.10, Kramat Pela, Kby. Baru, Kota Jakarta Selatan, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 12130
営業時間:9:00〜21:00
■ジャカルタのパパイヤ:AXIAサウスチカラン店
ジャカルタ東部にあるチカランは日系企業が多く進出していることで有名なエリア。このチカランにもパパイヤの店舗があります。
Jl. Surakarta, Cibatu, Cikarang Sel., Bekasi, Jawa Barat 17530
営業時間:9:00〜22:00
■ジャカルタのパパイヤ:シマトゥパン店(パパイヤ12号店)
開発・設計・施工の役割を全て日系企業(東急不動産)で行ったインドネシア初の分譲マンションが2019年開業の「BRANZ Simatupang」です。パパイヤはその中に入っており、2019年4月9日にオープンしました。
(BRANZ Simatupang Apartment内:商業エリアGF)
Jl. R.A.Kartini No.10, Cilandak Bar., Cilandak, Kota Jakarta Selatan, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 12430
営業時間:9:00〜22:00
スラバヤエリアにあるパパイヤ・スーパーマーケット
■スラバヤのパパイヤ:ダルモ店
Jl. Raya Darmo Permai Selatan No.3, Pradahkalikendal, Dukuh Pakis, Kota SBY, Jawa Timur 60187
営業時間:8:00〜22:00
■スラバヤのパパイヤ:マルゴレジョ店
Jl. Margorejo Indah, Blok A No. 136-146, Margorejo, Wonocolo, Margorejo, Wonocolo, Kota SBY, Jawa Timur 60238
営業時間:8:00〜22:00
■スラバヤのパパイヤ:パクウォンシティ店
Pakuwon City, Kejawaan Putih Tamba, Mulyorejo, Surabaya City, East Java 60112
営業時間:8:00〜22:00
なお、パパイヤのスラバヤ店には2階に日本風のカレー店「カレーハウス咖唎館」があります。こちらもぜひどうぞ。
バリ島エリアにあるパパイヤ・スーパーマーケット
■バリ島のパパイヤ:クタ店
Jl. Merta Nadi No.Banjar, Abian Base, Kuta, Kabupaten Badung, Bali 80361
営業時間:9:00〜22:00
■バリ島のパパイヤ:プラザ・レノン店
Plaza Renon, Jl. Raya Puputan No.01, Sumerta Kelod, Denpasar Tim., Kota Denpasar, Bali 80234
営業時間:10:00〜22:00
というわけで、今回は「インドネシアの日系スーパー「パパイヤ」店舗の魅力を探る!」と題して、老舗の有名スーパー「パパイヤ」について取り上げてみました。こんな素晴らしい事業を展開されている市原和雄さん、ぜひお目にかかってみたい!
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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