インドネシア観光|初代大統領、スカルノのお墓に行ってみた。

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インドネシアの初代大統領、スカルノのお墓に行く機会がありました。ジャワ島の東部、東ジャワのブリタール(Blitar)にあります。

私の住むマランからブリタールまでは約75キロの距離。「スカルノのお墓に行くんだけど、一緒に行かない?」と誘われて、以前から「ぜひ行ってみたい」と思っていた私は、「行きます!」と即答。さっそく行ってきましたよ。

と言っても訪問したのは少し前の出来事になるのですが・・・、

2016年、年始のブログをスタートさせるにあたり、「インドネシア生活のスタートは、やはり初代大統領スカルノに立ち返りたい」そんな思いがわいてきて、ブログにまとめることにした次第です。

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)




スカルノは、カリスマ性のあるインドネシアの指導者

インドネシアにとって、建国の父「スカルノ」は今でも人気を誇るカリスマです。私がこうしてインドネシアで暮らすことができるのも、たくさんの犠牲と紆余曲折を経て、インドネシアが建国されたおかげです。

スカルノは1901年生まれ。インドネシアがオランダの植民地だった頃から、民族独立運動に身を捧げた人物です。昔の映像はこちら。カリスマ性のある人物としても有名ですが、映像を見てもイメージが伝わってくるのではないでしょうか。

ブリタールにあるスカルノの墓地まで、マランから約2時間

そんなスカルノのお墓は、東ジャワのブリタールにあります。スカルノのお墓の場所を地図で示すと、こちらです。

知人がチャーターしたバスに乗って、現地へ向かいました。マランから2時間ほどで到着。地図で示すと、このような経路です。

敷地内の「スカルノ」の歴史資料館へ

敷地は1.8ヘクタール。入口に入ると、2004年に建築されたばかりの歴史資料館が。

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)

写真の奥が入口で、奥にある建物が歴史資料館。奥から手前に向かって歩いて行くと、お墓のエリアに入れます。さっそく資料館に入ってみると、スカルノの写真や絵画、数々の名言が展示されていて、たくさんの来場者が、ゆっくりと眺めていました。

ある肖像画に人が集まっていて、「なんだろう?」と思ってみてみると、これまたびっくり。肖像画をすぐ横から眺めてみたら、なんとスカルノの心臓部分が動き続けているじゃないですか・・・。

風の具合でそうなっているのでしょうが、びっくりな演出?です。

カリスマ演説家、スカルノの名言の数々

さすが稀代の名演説家として知られているだけあって、展示されている名言の数々は「言葉選び」からしてとても美しいです。いくつかをご紹介しましょう。

「私たちは平和を愛する民族だが、独立をより愛する民族である」

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)
Kita bangsa yang cinta perdamaian tetapi lebih cinta KEMERDEKAAN.
私たちは、平和を愛する民族だが、独立をより愛する民族である

「私はこの民族と国家を君たちに託そう」

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)
“Kutitipkan Bangsa dan Negara ini kepadamu”
「私はこの民族と国家を君たちに託そう」

「自分のことに自信がない民族は、直接立つ(自立する)ことはできない」

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)
Sesuatu bangsa yang tidak mempunyai kepercayaan kepada diri sendiri tidak dapat berdiri langsung.
自分のことに自信がない民族は、直接立つ(自立する)ことはできない

こうして日本語にしてみると、普通の指導者の普通のメッセージのようにも聞こえますが・・・、インドネシア語が簡潔にして美しく、これ、同時代のインドネシアの人々には、聞いていて心地よく、かつ、頼もしく聞こえただろうなとそんなことを感じました。

ついにスカルノのお墓へ

博物館を見てから、今度はスカルノのお墓へと歩いていきます。

しばらく歩くと、お墓エリアの入口に。
これまた実に立派な門がそびえたっています。

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)

中に入ると、こちらがお墓。屋根だけで壁のないスタイル。Cungkupと呼ばれる建物で、ジャワスタイルのお墓です。

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)

独特の勾配をもつ「ジョグロ(Joglo)」と呼ばれるスタイルの屋根でつくられています。

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)

お墓の隣には黒い大理石が置いてあり、次のように記されています。

「ここに、独立宣言者にしてインドネシア共和国初代大統領、インドネシア国民の代弁者であるスカルノ同志が眠る」
“Disini dimakamkan Bung Karno Proklamator Kemerdekaan Dan Presiden Pertama Republik Indonesia. Penyambung Lidah Rakyat Indonesia.”

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)

場の雰囲気からスカルノを感じるということ

今回初めて訪れたスカルノのお墓。「資料館」と行っても、絵画や写真が飾られている程度で、詳しく知りたい人には、物足りないというのが正直なところ。

でも、お墓があって、人々が参詣してきて、そして資料館でスカルノの写真や名言を眺める人々がいて・・・。そういう「場の雰囲気」に触れることで、「もっとスカルノのことを知りたい」という気持ちが湧いてくる。そんな場所ではないかと思いました。

スカルノは、インドネシアの独立を果たした指導者ですが、その後、経済発展を導くことはできず、評価も別れる存在。でも、インドネシアを独立させ、魅力あふれる話力と、強いリーダーシップで、インドネシアをまとめた指導者として、今でも「カリスマ」的な存在。

インドネシア初代大統領、スカルノのお墓@東ジャワ:ブリタール(Blitar)

スカルノを知ること。同時代を知ること。
現代の人々にとってスカルノとは、いかなる存在か。

それを追求することは、「インドネシアというもの」を理解しようとする時に、とても重要な一要素になるのではないか、私はそう思います。

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Posted by Hiroaki Samsi Watanabe on 2015年6月15日

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