このところ「終身雇用の崩壊」とか「年功序列制度の終焉」とか言われますが、それに乗じて、その克服法とか、新時代への対応ノウハウなどが、本や雑誌でいろいろと取りざたされるようになっています。
それを考える材料として、最近面白い記事をいくつか発見しました。今回はそれを御紹介したいと思います。今回取り上げる三誌は、以下のとおりです。
(1) 「『脱・大企業』でチャンスをつかむ!」『アントレ』
(2)「さらば会社人生」『ニューズウィーク日本版』
(3)「大不況時代のサラリーマン2大信仰のご利益」『週刊SPA!』
目次
「『脱・大企業』でチャンスをつかむ!」(アントレ)
一冊目の記事は、「脱・大企業」の実態を「大企業を飛び出したサラリーマンたち」という側面と「大企業を目指さない学生たちの理由」という側面からそれぞれ分析しています。
「さらば会社人生」(ニューズウィーク日本版)
二冊目の副題は、「出世の階段を降りて見つけた充実の日々」というもの。 将来の成功が嘱望されているような人でも、自分の幸せを願って、本当に 自分のやりたいことを始めたり、生き甲斐を追求するような人たちが増え てきている背景を分析しています。出世や収入よりも、ゆとりや心の豊か さを追求する「ダウンシフティング」に関する記事です。
「大不況時代のサラリーマン2大信仰のご利益」(週刊SPA!)
そして三冊目の記事では、最近叫ばれるようになってきた「スペシャリスト信仰」や「人脈信仰」は、はたして明るい未来を約束するものと言えるのかどうか、ということが分析されています。
手っ取り早く言うと、
1.サクセスを獲得するには?
2.ビジネスよりもマイライフ
3.過剰なサクセス追求の失敗例(?)
というようにまとめられると思います。
「大企業礼賛」への反省と、「起業ブーム」への反省
これらを通じてわかるのは、過去数十年にわたってきた大企業礼賛時代に対する反省であると同時に、いっときの過剰な起業ブームに対する反省でもあるということです。こういう視点で語られる記事が増えてきたことは非常に良い傾向ではないかと私は思います。
ここ数年で、大企業の倒産が続いています。しかし同時に、ベンチャー企業の失敗も相次いでいます。ひとことでくくることはできませんが、ここにあるのは、大企業至上主義でもいけないし、独立・ベンチャー至上主義でもいけない、ということですね。
昨年から「ベンチャー」に興味を持ち、私なりにいろいろと勉強してきたことも重ねあわせて、最近やはり思うのは、「やりたいことを、とことん極めることが一番だ」という、至極あたりまえのことです。それは必ずしも大企業ではいけない、というわけでもないわけです。
「自分の人生を生きる!!」というスタンス
要するに、人から言われたことに従って、周りに助けられることを漠然と期待しているだけでは意味がない。自分が「こう生きたい!!」という強い信念を持ち、自分の好きなことを極めること。そのためにはどうしたらいいかを考える。そういうことに尽きるのではないかと思いますね。
ブームが去って、はじめてその本質が見えてくる、という気がします。こういう面白い記事が、これからまだしばらくの間は続くのではないでしょうか。いやぁ、楽しみですなぁ。(なぁんて、受け身で待っているだけではいけませんね。どこかに投稿してみようかな)