NHKの連続ドラマ「監査法人」これはオススメ!

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監査法人 DVD-BOX
(アミューズソフトエンタテインメント(2008年11月28日発行)  → アマゾンで購入する!
 
☆ 今回のポイント ☆ <簡単な内容紹介>

■内容紹介(「アマゾン」より)
2002年。バブル後遺症に悩む日本経済は、いまだ先行きが見えないでいた。
公認会計士・若杉健二が勤めるジャパン監査法人には二つの大きな意見の対立があった。不況に苦しむ企業を救うためには、多少の粉飾は見逃そうという「ぬるま湯監査」派。不良債権は切り捨て、いかなる不正も認めないという「厳格監査」派。健司は同僚の山中茜とともに、信頼できる上司・小野寺直人のもとで、「厳格監査」こそ正義だと信じるが、切り捨てられていく企業や社員の痛みを感じるたびに、仕事に疑問を感じていく。
そんな時、健司は大手食品会社の粉飾を発見する。やがてそれは、財界、金融界を巻き込んだスキャンダルに発展し、健司たちも巨大なうねりに飲み込まれていく。
第1回:「会社、つぶせますか」
第2回:「800億円の裏帳簿」
第3回:「粉飾の連鎖」
第4回:「崩壊の序曲」
第5回:「夢の代償」
第6回:「会社、救えますか」
■内容(「GAGAデータベース」より)
日本経済がバブル後遺症に悩む2002年を舞台に、1枚の決算書を巡る企業と監査法人の攻防を描いた経済ドラマのBOX。企業に厳格な監査を志すジャパン監査法人の若杉健司。ある日、健司は監査に入る北陸建設工業に関する密告電話を受ける。全6話を収録。

 


 
 
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NHKの連続ドラマ「監査法人」を見る機会がありました。
2008年6月14日から7月19日まで放送されていたものです。
今回、DVDが発売され、
全部で6話、合計6時間、夫婦そろって、一度に一気に見てしまいました。
6時間も、ぶっ通しでドラマを見たのは、おそらく初めての経験です。
ドラマとして非常に完成度が高く、おすすめの作品です。
(いま、いろいろな人たちにおすすめしています)
 

■ドラマ「監査法人」公式サイト

 
 
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弁護士については、映画やドラマ、小説などで、
非常にたくさんの作品が存在しています。
でも、同じ「さむらい」業でありながら、
税理士、会計士については、あまり目立った作品がありません。
「どうしてかなぁ?」とも思うのですが、
きっと、役割が明快ではないからなのでしょうね。
(特に、監査業務については)
 
 
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弁護士は、それこそ弁護する仕事。
依頼人から報酬を得て、依頼人を弁護する。
非常にわかりやすい仕事です。
それに対して監査法人の会計士ともなると、
わかりにくくなります。
(私は弁護士さんとも会計士さんとも仕事をしているので日常的ですが、
 普通は、なかなか接点がないですよね・・・)
 
 
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クライアント企業から報酬をもらいながら、
クライアント企業の会計処理が正しいかどうかを審査する。
(厳密には、適正であるという意見を表明する仕事ですが)
これは、原理的に矛盾を抱えていると言われても仕方のない、
そういうモデルになっています。
ものすごく乱暴に、わかりやすく表現すると、
もし弁護士にお金を払って、自分の弁護を依頼したとして、
その弁護士が裁判官となって「あなたは有罪です!」と断罪してきたら、
気持ち悪いですよね?
(もっとも、
 報酬は、企業からではなく、株主からもらっているものと解すれば、
 合理的な度合いは高まりますが、多くの上場企業の実態は、
 そういう感じではないですよね)
 
 
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そうした意味では、
監査法人の役割を改めてクローズアップさせることで、
認知を高めると共に、
その存在基盤の危うさを突くことで、
矛盾に対してどう折り合いをつけていくかという、
いわば、人生のテーマにも連関させてドラマへ昇華させているところが、
この作品の真骨頂になっているとも言えると思います。
だからこそ、夫婦やカップルで一緒に見てほしい作品です。
 
 
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妻がすでに感想をたくさん書いています。
■監査法人、観ました!
だんな様と一緒に、久々に夢中かえって最後まで 一気に観てしまったドラマ。 だんな様の関係で、夫婦ともども親しくしていただいている、 映画やドラマ...

私も同じような感想なので、
あえてコメントすることが無いのですが(笑)、
この作品、
「ルールを厳格に守らせるのは大事。
 でも、それゆえに人を不幸に陥らせていたとしたら、
 いったい何のためのルール(仕事)なの?」

そんな、究極のテーマを取り扱っています。
 
 
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これを、
監査法人としての「業務」の面に光を当てて問題提起していると共に、
各個人が「仕事」に向かうスタンスにも光を当てているのが特徴です。
監査法人という、難しい問題を、
個人の人生に置き換えて説明することで一般化させることに成功し、
かつ、また、
仕事に対するスタンスという意味では、
「仕事」と「個人」の比重の置き方を問題提起することで、
ワークライフバランスの真の意味をあぶりだすことにも成功している、
そんな珍しい作品と言えるのでは? と、私は感じました。
 
 
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そんなわけで、
(1)税理士や会計士の皆さん
(2)企業経営者の皆さん
(3)仕事と家庭のバランスについて意識の高い皆さん

には、ぜひとも見ていただきたい作品です。
私は6時間ぶっ通しで見てみて、
とてもすがすがしい思いを抱くとともに、
考えさせられる点の多い作品になりました。
ぜひご覧下さい。
 
 
 
■追伸:
ちなみに今回の作品は、NHK名古屋放送局のオリジナル作品です。
逮捕された人間を、必ずしも悪人として描かずに、また、
ルールを遵守したがゆえに死亡者を出した人間を取り上げるなど、
「NHKなのに、良くやったなぁ」という印象も持ちました。
こうした点で、以前、NHK大阪放送局がオリジナルでつくった作品、
「バブル」も、非常に完成度の高い作品でした。
2001年1月5日から3月23日にかけて放送された連続ドラマ。
■ドラマ「バブル」公式サイト

「ハゲタカ」もそうですが、NHKさん、なかなか良い作品を作りますね・・・。
(ハゲタカは、テレビ作品は見ていませんが、原作本は読みました。
 ちなみに原作本は、私にとっての「2006年に読んだ小説部門」ナンバーワンです)
 

 
 
 
 2008年12月9日             渡邉 裕晃
 
 
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