インドネシア・バリ島のデンパサール国際空港(イ・グスティ・ングラ・ライ国際空港)が一時閉鎖になりました。2017年11月27日の早朝からで、バリの聖地「アグン山」の噴火にともなうものです。
噴火や噴煙を原因とする空港閉鎖は今回に限ったことではありません。また同じようなことが起きた時にどう対応すべきか、その参考にしていただくため、アグン山の噴火による空港閉鎖の5日間の動向について、現地ニュースを通じてご紹介したいと思います。
目次
天災の予想は難しい、でも事前準備があればすぐに行動できる
日本のニュース報道は遅いので、私は現地のニュースを見ていたのですが、「これは」と思う記事があれば、随時、facebookやtwitterで紹介してきました。
その後、11月29日にはバリの空港が再開され、本日12月1日には隣のロンボク島の空港が再開されました。しかしながらバリは世界的に見ても巨大なリゾート地。そのバリの空港が数日間もの間に渡って閉鎖されたことの影響は大きく、今でもスケジュールの完全正常化には至っていないようです。
影響を大きくした直接的な原因は「アグン山の噴火」ですが、噴火という要因に加え、この2日間の悪天候(サイクロンが発生)も大きく作用し、さらにはインドネシアの3連休と重なった(12/1はインドネシアの祝日)ことも混乱に拍車をかけたとのこと。
天災は予想が難しいものですが、例えば噴火があったら空港の閉鎖がどのように起こり、どこで瞬時に情報が把握でき、どう行動すれば被害を小さくできるか、あるいは、どうすれば移動代替手段が見つかるか・・・などは、ある程度、事前準備をしさえすれば、すぐに行動ができるようになります。
今後も同じような状況が起こることは充分に考えられます。そこで今回のブログでは、今までにfacebookやtwitterで紹介してきた現地ニュースを時系列でまとめることにより、この5日間の動向がどうだったのか、ご覧いただければと思います。
バリ島の空港閉鎖:11月27日の様子
現地時間午前7時(日本時間:午前8時)に、バリの空港の閉鎖が行われました。
バリ島だけでも、445便が欠航。ジャカルタのスカルノハッタ空港でも、111便が欠航になったそうです。現地報道によれば、今日初日だけで59,000人もの人たちに影響が出たと。
まずは、空港からの発表。
Due to eruption of Mt. Agung, Bali, Ngurah Rai International Airport (DPS) is closed from 27 Nov 07:00 until 28 Nov 07:00 (GMT +8)
Please make sure the contact number and email address mentioned in your ticket are updated, so we can reach you if there’s a change of schedule. (1)— Garuda Indonesia (@IndonesiaGaruda) 2017年11月27日
世界的にも規模の大きな空港だけあって、続々とニュースが届きます。
これは、オーストラリアからの便が運行中止になったとの記事。
バリの空港封鎖のニュースが続いています。これは、オーストラリアからもバリ行きの便が運行中止になったとのインドネシア現地記事。 https://t.co/qX8EaC2KCq
— 渡邉 裕晃 (インドネシア東ジャワ在住) (@_samsul) 2017年11月27日
噴火の様子は、現地メディアで映像でも報道されました。
今朝のバリ、アグン山の映像だそう。空港再開は6時間ごとの評価で判断するとの現地ニュースより。 https://t.co/aMIlTbSoBQ
— 渡邉 裕晃 (インドネシア東ジャワ在住) (@_samsul) 2017年11月27日
しかも、噴火だけでなく、近くでサイクロンが発生・・・と。バリに近づいた場合には被害が大きくなる懸念が生まれます。
もちろん、ジャカルタの空港にも大きな影響が。
たくさんの欠航便が発生します。
ガルーダ・インドネシア航空の日本便についても、この通り。
ガルーダ・インドネシア航空の「バリ島(デンパサール)」出発の「成田」到着便および「関西(大阪)」到着便の情報です。 https://t.co/uP1jq9EkqZ
— 渡邉 裕晃 (インドネシア東ジャワ在住) (@_samsul) 2017年11月27日
バリ島の空港閉鎖:11月28日の様子
2日目に入り、空港の閉鎖が、さらに24時間延長になることが発表されます。
「バリ島の空港閉鎖は、水曜日の朝まで、さらに24時間延長することを決定」と現地記事より。記事によれば、火山灰の拡散領域が広がっており、東ジャワのバニュワンギ(Banyuwangi)やジェンブル(Jember)でも確認されたと。日本時間午前2:40に行われた評価委員会の会議で、閉鎖の24時間延長を決定。
— 渡邉 裕晃 (インドネシア東ジャワ在住) (@_samsul) 2017年11月27日
ガルーダの日本便に関するアナウンス。
ガルーダ・インドネシア航空の「成田」or「関空」出発、「バリ島(デンパサール)」到着便の情報です。 https://t.co/m7CVW4PPVP
— 渡邉 裕晃 (インドネシア東ジャワ在住) (@_samsul) 2017年11月27日
バリで足止めをくらった人たち。そして、バリに行く予定で行けずにいる人たち。
そんな人たちのために、「バリの空港を使わなくても移動する手段があるよ」との記事が出てきます。
インドネシア・バリ島の空港閉鎖が24時間さらに延長へ。「バリの空港を使わなくても、バリに行く方法があるよ」との現地記事をご紹介。バスや鉄道を使ったルートが解説されています。あまり推奨しませんが・・・。
Ini Cara Lain Ke Bali Tanpa Melalui Bandara Ngurah Rai https://t.co/DXkvnwTtsf
— 渡邉 裕晃 (インドネシア東ジャワ在住) (@_samsul) 2017年11月27日
あまり推奨しない手段ではありますが、それでも振替輸送サービスが実際に利用され始めていることが報じられてきます。
ちなみに昨日は、バリの空港利用予定者の一部が「バスによる振替輸送サービス」を利用。200人がスラバヤへ。54人がジャカルタへ向かったそうです。
545 Penumpang Tinggalkan Bandara Ngurah Rai Gunakan Transportasi Darat https://t.co/SpVdTATPsJ
— 渡邉 裕晃 (インドネシア東ジャワ在住) (@_samsul) 2017年11月28日
一方で、バリ島の東にあるロンボク島の空港は再開されます。風向きの関係で、アグン山の噴煙が影響しないと判断されたためです。
ここで、先日の「サイクロン」の続報が届きます。
不吉なニュース。風向き次第では、サイクロンがバリに上陸するとも限らず、その場合には4日間もの閉鎖になるかもしれないとの記事。ただでさえ混乱している空港が、さらに大混乱になる可能性が出てきました。
ガルーダ日本便は、この通り。
ガルーダ・インドネシア航空の「成田」or「関空」出発、「バリ島(デンパサール)」到着便の情報です。 https://t.co/LUw2ZyE7xo
— 渡邉 裕晃 (インドネシア東ジャワ在住) (@_samsul) 2017年11月28日
バリ島の空港閉鎖:11月29日の様子
さて3日目。バリの空港の閉鎖の再延長が決定されます。
その後、空港の再開のアナウンスが。
Referring to the Notice to Airmen (NOTAMC) Number: A4300/17 on November 29th, 2017, I Gusti Ngurah Rai Airport is reopen on November 29th, 2017 at 14.28 LT pic.twitter.com/jA3g5Qbmd2
— I Gusti Ngurah Rai (@baliairports) 2017年11月29日
とは言え、いきなり正常化するわけではありません。
混乱を続けるガルーダの様子。
運航情報を更新します。
空港閉鎖しておりましたングラライ国際空港は現地時間11月29日午後3時に運航再開しましたが、長引いた空港閉鎖の影響で現在も国内線・国際線とも大幅な遅延と欠航が発生しています。新たな欠航便は
11月30日(水) GA883便 関空発 デンパサール行 です。— Garuda Indonesia-JP (@Garuda_Japan) 2017年11月29日
運航情報を更新します。
深夜の更新で申し訳ございません。運航再開しましたングラライ国際空港ですが現時点で多数の遅延・欠航が発生しています。
成田路線の運航は以下の通りです。
11月30日(木)
GA880便 デンパサール発 成田行 欠航
GA881便 成田発11:00 デンパサール行 通常運航予定— Garuda Indonesia-JP (@Garuda_Japan) 2017年11月29日
28日の早朝から撮影に行って来ました。
夜中だと火口が見えます。かなり恐ろしいですが
満点の星空が見えるので、凄い神秘的で危ない要素が半減します笑#agung #gunung #バリ島 #バリ #噴火 pic.twitter.com/ukrpBNVWYS— ステフェン(steven) (@near_caffrey) 2017年11月29日
バリ島の空港閉鎖:11月30日の様子
空港が再開され、徐々に安定を取り戻すか・・・と思いきや、なんと今度はロンボクの空港の再閉鎖が発表されます。
混乱が続きます・・・。
昨日の午後、ラッキーにも飛行機に乗れた人撮影のアグン山
結構な噴煙(友人の写真を拝借) pic.twitter.com/fh2LVYGIDF— ワカナ (@balizakka) 2017年11月30日
バリ島の空港閉鎖:12月1日の様子
ロンボクの空港閉鎖がさらに延長へ。
ロンボクの空港閉鎖が解除に。
混乱が続きます・・・。
ここで、サイクロンの続報。懸念されていたバリ上陸の心配は無くなったとの記事。
とは言え、噴煙はまだ18000フィートまであがっているとの報道。風向き次第では、いつ空港の閉鎖があってもおかしくないと言えそうです。
ガルーダ・インドネシア航空の運行が完全に正常化するまでは、あと2日を要する見込みとの現地ニュース。今日も遅延便や欠航便が発生したとのこと。
ガルーダが所有する航空機うち、実に30%がバリ行きもしくはバリ出発の便だったようで、空港閉鎖で、バリに駐機していた300便が影響。当然ながら、担当するクルースタッフたちも足止めをくらった格好で、全体スケジュールに大きな変更が余儀なくされたと。
バリは2日前に、またロンボクは本日再開されたばかりであり、鋭意復旧に努めているものの、完全正常化までには、あと2日を要する見込み。日曜までには完全正常化をとのコメント。
バリ島アグン山噴火による空港閉鎖のまとめ
以上、空港閉鎖から5日間の流れについて、時系列で大まかにまとめてみました。
あくまでも、私が気づいてつまみ食いしてきた記事を並べただけですが、それでも全体的な流れはなんとなくつかめるのかな・・・と。
インドネシアは噴火が多く、空港の閉鎖はよく起こります。さらにインドネシアは島が多いことから、国内移動で飛行機に依存するところが大きく、今回のような出来事があると、すぐに混乱するという傾向があると私は感じています。今後も同じような状況が起こることは充分に考えられるので、今後の参考のためにまとめてみた次第です。
天災は予想が難しいものですが、例えば噴火があったら空港の閉鎖がどのように起こり、どこで瞬時に情報が把握でき、どう行動すれば被害を小さくできるか、あるいは、どうすれば移動代替手段が見つかるか・・・などは、ある程度、事前準備をしさえすれば、すぐに行動ができるようになります。
私自身、実は今週、インドネシアの国内移動をして、それから日本へ行く予定を立てていました。それでも念のためにと様子を見ていたら、今回のような事態になったという次第。今後のために、何らかの参考になれば幸いです。
■このテーマに関連するブログ記事です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブログの更新情報のチェックは、こちらからどうぞ!
時の運と人の縁を極める日々の記録 Twitter: @_samsul
時の運と人の縁を極める日々の記録 Facebook: /samsulcom
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━