私が住むインドネシア、東ジャワのマラン(Malang)には、「日本人慰霊碑」があります。オランダ占領期から存在する墓地の中に建てられているもの。日本式で、なかなか大きく立派な慰霊碑です。
以前から訪れてみたいと思っていたのですが、なかなか機会ができず・・・。今回、地元の日本人ネットワーク「東ジャワ・ジャパンクラブ」が「慰霊の会」を開催するとのことで、さっそく参加してみました。
「どうしてジャワ島に日本人の慰霊碑が?」と思う方もいるかもしれませんが、第2次世界大戦で亡くなった方もいますし、その後、日本に戻らずそのままインドネシア独立義勇軍に参戦した「元日本兵」の方もいるのです。
【写真:碑文はインドネシア語でも書かれています】
目次
インドネシアのマランに建立された「日本人慰霊碑」
「友好国インドネシアの、美しい静かなマランに、安らかに眠って下さい。日イ両国の平和と繁栄を祈ります」
石碑は1982年に建てられたもの。わずか37年しかたっていないにも関わらず、なんというか、見るからに気が引き締まるような、おごそかな感じです・・・。
【写真:日本語で書かれた碑文】
スラバヤ市には日本人墓地が、マラン市には日本人慰霊碑が
東ジャワ州で最も大きな都市はスラバヤ(Surabaya)ですが、そのスラバヤには日本人墓地があります。マランよりも規模は大きいです。一方、マランにあるのは「日本人墓地」ではなく「日本人慰霊碑」があるのみ。
これについて「日本大使館:スラバヤ領事館」のウェブでは、このような説明が載っていました。
■在スラバヤ日本国総領事館 日本との交流の歴史 第二次世界大戦では蘭印と呼ばれていたインドネシアに日本軍が進駐し、軍政府を設立。日本軍政に先立つ何十年も前から、多くの日本人がスラバヤや各地の大きな町に住み、1925年にはスラバヤにインドネシアで初の日本人小学校が設置された。 当時の日本人は、写真館、自転車屋、万年筆屋等の技術を要する店の他、雑貨商等を営み、当地の人々から信頼を得ていた由。これらの人の中で当地で亡くなった人の墓が各地に散在していたが、その後、墓石がまとめられ、スラバヤ市には日本人墓地が、マラン市には日本人慰霊碑が建設された。また、敗戦後は旧日本軍関係者で当地に残留し、独立戦争に協力し、インドネシア政府から表彰をされた者もいる。 1995年、インドネシアの独立50周年を記念して、これらの方々に対し、駐インドネシア日本国大使から表彰状が贈られている。 |
スラバヤの日本人墓地の場所は?
スラバヤにある日本人墓地の場所はこちらです。キリスト教の墓地の中に設けられているようですが、オランダ統治時代に住んでいた日本人を含め、約450人ほどが埋葬されていると言われています。入口には「日本墓苑」と漢字で書かれています。
マランの日本人墓地の場所は?
マランにある日本人墓地の場所はこちらです。スクンという場所にある墓地で、オランダ統治時代につくられた都市開発計画にもとづいて作られました。日本人墓地のエリアもありますが、現在では主にキリスト教徒や中華系の人々が埋葬される墓地となっています。
日本人戦死者16人の慰霊か
もうちょっと突っ込んで、「マラン慰霊碑」をGoogleで検索してみると、「大東亜戦争とインドネシア―日本の軍政」という書籍を見つけることができました。
元産経新聞ジャカルタ支局長が執筆された本のようですが、そこでは「マラン慰霊碑」について、「戦死者16人慰霊」との記述が。
いずれにしても、戦前、戦中、そして戦後にかけての先人の努力がしのばれますよね。
日本人墓地「慰霊の会」の様子は?
今回の慰霊の会では、いわゆる日本式で、参列者がイスに座り、順番に一人ひとり(あるいは1家族単位)で前に出て一礼。そして慰霊碑の前まで歩いて、また一礼。そして焼香をあげるという形式でした。
みんなが見ている前でやるとあって、なかなか緊張しましたが(なにせ久しぶりなもので)、逆にその緊張感が、先人への畏敬の念につながっていきました。
マラン慰霊碑で慰霊されている皆さんのこと。一人ひとりがどんな活動をされ、どんな思いでマランの街を歩いていたのか。ものすごく知りたい!という気持ちでいっぱいになりました。
【写真:慰霊碑の裏側】
オランダ風情が残るスクンの墓地
日本の方で、マランに行く機会がある方はなかなかいないかもしれませんが、もしマランに立ち寄る機会がありましたら、ぜひマランの中にあるスクン(Sukun)という場所の墓地を訪れてみて下さい!
旧植民地オランダ時代からある墓地ということもあり、クリスチャン系のお墓が中心。日本の墓地とは、また違った雰囲気がありますよね?
インドネシアのマランにある日本人墓地「慰霊碑」へ行く方法は?
なお飛行機でマランへ行く方法については、こちらにまとめてあります。
また、マラン空港からスクンの日本人墓地までの道のりは以下のとおりです。
【参考】インドネシア残留日本兵に関するブログ記事
「インドネシア残留日本兵」に関連するブログ記事です。こちらもどうぞ。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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