今回のコラムは、前回コラムの続きになります。もし前回コラムをご覧になっていないようであれば、ぜひ、こちらをご覧下さい。
さて、前回、前々回という2回に渡って、読書習慣の重要性について考えてきました。
よく聞く話に、
「社会人になると忙しくなって本を読む暇がない」というものがあります。でも本当はそれは間違っていて、「社会人になると忙しく感じて本を読む時間を創らない人が多い」ことが正しい表現なのだと。
実践から学ぶことも大事だが、実践には時間の制約が伴う。
であれば、実践と読書とを同時並行で進めることで、学びはどんどん加速させることができるのだ、ということです。
□ □ □
と、偉そうに語る私ではありますが、
実は、私は自分に対する強烈な反省に基づいて、本コラムを書いています。
私は以前、仕事の多さのあまり、読書を怠っていた時期がありました。
かなり前のことです。
でも、ある時、先輩経営者から、以下のことを言われたのです。
□ □ □
いまサムスル(私が経営する会社のこと)は、ほとんど社員がいないのに、すごく伸びているね。伸びていて、忙しくなっているということは、きっと、本もたくさん読めるでしょう? |
はて?
「忙しいから読めない」が普通では?
と思いつつも、当時、本を読まなくなってきていた私としては、それを聞いて、ぎくっとさせられたことも事実です。
□ □ □
そんな自分を見抜いたのか、彼は続けて、こう言いました。
暇ができたら読むとか言ってる人がいるけど、だいたい、そういう人に限って、暇になっても、読まないね。
だいたい、暇ができたら読むというのが間違っているんだよ。 だって、暇の無いほど忙しい時に、それこそ仕事でいっぱいになって、神経が鋭敏になっているときに・・・、そういう時にこそ、意欲をもって頑張って読むから吸収できるんであってさ。 能力のさびついた、だれだれの暇な時に読んだってさ、そもそも吸収できるはずがないんだよ。 いま仕事も好調で忙しくなっているということは、きっとたくさんの本が読めて、たくさん吸収できる時期のはずだから、多いに読んだ方がいいよ。どんどん自分のものになっていくからね。 |
□ □ □
「忙しいけど読む」ではなく、「忙しいから読む」 |
それから数年たちました。その頃に比べれば、たしかに私の読書量は増えています。
ショウペンハウエルは、読書は「自分でものを考えなくなる」悪習だと言っています。
でも、能動的かつ活かすために読むという姿勢を忘れなければ、私は、本は、すごいツールなのだと感じています。
□ □ □
そんなわけで、私は読書量を意図的に増やしました。
もっとも、私自身、先輩経営者の皆さんと比べると、
悲しくなるくらい、少ない読書量でしかありません。
まだまだ増やさねば!と思うし、
まだまだ増やしたい!とも思います。
でも、読書の大事さに改めて気づかせてくれたこと、
私は彼に、とても強く感謝しています。あぁ、よかったと。
「忙しいけど本を読む」のか、「忙しいから本を読む」のか。
「忙しいけど頑張って本を読む」のか、「忙しいから楽しく本を読む」のか。
改めて考えてみると、意外な発見があるのではないかと私は思います。
【このテーマ:おわり】
(私は「忙しい」という言葉が嫌いなのですが、今回のコラムでは、 あえてわかりやすくするために、「忙しい」という用語を使いました) |
このコラムは、2008年5月10日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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2008年6月26日 渡邉 裕晃
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