小説『日光』|盗作騒動の立松和平が復活!美しき立松文学の金字塔!

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今回は、作家・立松和平さんの小説「日光」のご紹介です。

この本は、立松和平さんの小説『二荒(ふたら)』が盗作騒動を受けて絶版になったことから、修正と再構成がなされて、再出版となった作品です。

小説『二荒(ふたら)』絶版へ|作家・立松和平に再び盗作騒動の衝撃
作家、立松和平さんの小説。日光・中禅寺湖をテーマとする、『二荒(ふたら)』が、絶版になりました。2008年6月の出来事です。本当にショックで...




立松和平の小説『二荒(ふたら)』復刊に!!

私は、小説『二荒(ふたら)』が大好きで、私にとって同書は、「2007年に読んだ小説部門、ナンバーワン」でもありました。このあたりについては、以前、上記のブログに書いた通りです。それだけに絶版の処分になったことはとても残念でした。それが復刊されたと知り、実に楽しみに拝読しました。

日光
(立松 和平 著、勉誠出版(2008年12月19日発行)  → アマゾンで購入する!
 
☆ 今回のポイント ☆ <簡単な内容紹介>

■内容紹介(「アマゾン」より)
生きよという声が響いてきた―
日光の山河を舞台に、古代の勝道上人から現代まで、自然とともに生きる人々の姿を鮮やかに描く。
生命と自然への讃歌を高らかに歌い上げる、立松文学の結晶。

 

日光

立松和平 勉誠出版 2008-12-19
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ちなみに今回復刊された書籍、「日光」については、出版社さんから、献本にていただきました。
(が、宣伝で書いているつもりは全くありません)

出版社さんから献本をいただきました。
先日、ある出版社さんから献本をいただきました。 こういう機会はなかなか無いので、とてもありがたいものです・・・。 (記憶の限りでは、今年...

小説『二荒(ふたら)』は立松和平文学の金字塔!!

私は、今回の再出版を歓迎しています。なぜなら、元々の作品である『二荒(ふたら)』は、私にとって、相当なまでに衝撃を与えてくれた作品だからです。

ところが、この作品、私が見るに、残念ながら、あまり多くの人に読まれていないように感じています。だからこそ、ぜひ推薦したい作品です。

私は『二荒(ふたら)』を2度も読んでしまいました。
そして今回、再出版バージョンである『日光』をあらためて拝読したので、もう、3回も読んでしまったことになります。それでも、大変興味深く、読みきってしまいました。

私は、かつて立松和平さんの作品を読んだことがありません。
それでもあえて「立松文学の金字塔」だと表現したいと思います。

前作である『二荒(ふたら)』との違いは?

主な感想については以前書いた小説『二荒』の書評ブログを見ていただくとして・・・、

今回、構成も大幅に変わり、細かな修正も施されています。
前作を読んだ者としては、やはりそれなりの一長一短も感じます。

この作品は3つの時代を行ったり来たりすることに特徴があったのですが、それが無くなってしまったこと。わかりやすくなった反面で、逆に言えば、3つの短編集のように矮小化されてしまった印象はぬぐえません。
(私の好きな場面がいくつか消えてしまっていたのも残念・・・)

ただ、読みやすさが向上したという点は、より広く読まれてほしいという願いからすれば、良いことなのかもしれません。
 
 
     □     □     □
 
 
一方、今回再読して、改めて感動をもって受け止めたのが、本書がもつ最大の魅力である、自然描写の美しさ、そして、生に対するあたたかな眼差し。

植物にしろ、動物にしろ、「生きる」ということの奇跡が、本当に、あたかも肌感覚に迫るかのごとく伝わってくる点は、本当にお見事だと言わざるを得ません。

読んでいくことを通じて、

・自分自身が生きることの意味
・生きていることの奇跡、
・生きなければいけない使命感、

そうしたことを、いろいろと考えさせられる作品なのだと感じます。
そうした意味でも、ぜひおすすめの一冊です。
 
 
     □     □     □
 
 
ところで、今回の復刊劇ですが、最初、私は「復刊しても厳しいだろうなぁ」と感じていました。

前作の題名が「ニ洗(ふたら)」という味のあるコピーであるのに対し、今回は、あまりにありきたりの、「日光」での勝負。単純すぎて、「どうなのだろうか?」というのが正直な感想でした。

でも、装丁を拝見し、また題名の直球さも逆に手伝って、「本書の再刊を果たす」ということ自体が、本書のテーマでもある、「死と隣り合わせの生にこだわる」に則ったチャレンジなのだろうなと感じました。

本書の背景をふまえ、そうしたところまで読み解くと、実に深い味わいのある作品です。
 
 
     □     □     □
 
 
私のとっては、盗作があってもなくても、この作品自体、「2007年に読んだ小説ナンバーワン」。

ビジネス書ばかり読んでいると、こうした本、なかなか読み進むのに難儀するのですが、ぜひ幅広く読んでいただきたい作品です。

後述しますが、日光に慣れ親しんでおいたり、山歩きを体験しておくと、本当によく読めます。
そして深いです。

再刊されて良かった! 私はそう思っています。
じわじわと時間をかけて売れてほしい、そんな作品です。
 
 
     □     □     □
 
 
■本書を楽しむための、主なおすすめ施設、ウェブ、書籍

ハンス・ハンター|日光を舞台に日英ハーフの実業家が描いた国際交流の壮大な夢
9月24日は、私が尊敬する日英ハーフの実業家、ハンス・ハンター(範多範三郎:はんた はんさぶろう)の命日です。1947年9月24日に63歳で...

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堯心亭
・低公害バス運行(赤沼車庫?小田代原?千手ヶ浜)コースのウォーキング
・乙次郎橋と元クラブハウス
・ウェブ「在りし日の範多農園を訪ねて」連載記事

 
 
 
 2009年1月18日             渡邉 裕晃
 
 
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