不動産投資に興味のある人、必読の小説です。今回ご紹介する書籍は、第36回すばる文学賞受賞作でもある「狭小邸宅」。新卒で不動産会社に就職した主人公が、そのブラックな世界の中でどう葛藤しながら成長していくか、そんな若者を描いた青春ストーリーです。
amazonの書評を見ると「これだけの葛藤や、これだけのブラックな世界を描ききれたのはすごい」と評する声がある反面で、「これが文学なの?」「いきなり話が展開したりして、詰めが甘いのでは?」なんて声も。
文学的な評価はさておき、私が本書をオススメしたい理由は、もし不動産投資を始めたい、あるいは進めて行きたいという人であれば、「この世界観は、触れておいて損はない!」と思ったからです。
不動産営業の小説「狭小邸宅」の内容は?
まずは簡単な内容紹介を。
■内容紹介(amazonより) 第36回すばる文学賞受賞作。学歴も経験もいらず、特別な能力や技術もいらない。全ての評価はどれだけ家を売ったか。何も残らない仕事。なぜ僕は辞めずに続けているのだろう──。(解説/城 繁幸) ■内容(「BOOK」データベースより) |
というわけで、つらい、暗い、ブラックな世界が淡々と続くという作品。通勤時間帯に読むべきではない本かもしれません・・・(笑)
実際の不動産業界が、この作品の内容そのままなのか、と言われれば、必ずしもそうではないし、会社によって異なるし、あるいはかつては似たところもあった・・・というところかもしれません。
ただ、不動産業界を理解する上で、あるいは、不動産業界の方々と仕事を進めるにあたっては、こういう世界もありうるということは知っていて損は無いはずです。というのは、私自身、業界の方々とお話をしている中で、「えっ、そんなひどいやり方をしているの?」というような事例を聞かされることもありますし、「この業界では、そんな手法でも成立しちゃってるのか!」とびっくりするようなこともあるからです。
「どんな会社、どんな担当者と仕事をすべきか」という問題
個人的に不動産の売買をお願いすることになった場合だけでなく、特に本格的に不動産投資を行うにあたっては、「どんな不動産会社にお願いするか」「どんな担当者にお願いするか」は本当に大事なこと。
であればこそ、「普通は、こういう時はこうするのが常識だよね」とか、「お客様のことを思えば、そんなことはできないよね」と素直に思わず、そうでない会社や、そうでない担当者も存在することをふまえて行動すべきだと思うのです。
といっても、「えーっ、そんなことがありうるの!」というケースを一つひとつ学習するのは時間的に無理なこと。しかも、そんなケースに近づいてまで学習するというのは、ある意味で危険ですらありますよね。だから本書を通じて、「想像を超えるブラックなこともありうるんだな」と感じるだけでも、理解を促進するための価値があるはずなのです。
さらには、その不動産会社、その担当者は、どんな動機で今の仕事に望んでいるのか。これを知っていて損はないということが、本書をよめばわかるはずです。そうした上で、本当に信頼できる担当者、本当に信頼できる不動産業者を見つけてほしいな・・・と思います。
その意味では、こちらの本もオススメです。
考えさせられる指摘も
余談ながら、本書には、なかなか考えさせられる名言や指摘もあります。
「おい、お前、今人生考えてたろ。何でこんなことしてんだろって思ってたろ、なぁ。なに人生考えてんだよ。てめぇ、人生考えてる暇あったら客みつけてこいよ」
まさにブラックそのものですが、でもここから何を学び取るか・・・。これ、本当に含蓄に富んだ深い言葉だなと。
あるいは、不動産を販売する時、担当者が車を運転してお客様を案内することがありますが、物件にたどりつくまでの道のりは、誰もが知っている大通りを使うのではなく、あえて細い路地の近道を活用した方が良い、なんて指摘もあります。理由を聞いて「なるほどな・・・」でした。
種明かしはしませんが、もしご関心のある方は、ぜひ手にとってみてください!
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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