「目的と手段を見誤るな」。
これは、よく耳にする言葉です。
手段が目的になってしまうのは良いことではありません。
目的を見失うことになるからですね。
たとえば、会議のための会議。
何らかの課題を解決することを目的とする会議だったはずが、
会議を開くこと自体が目的になってしまう。
【理想】目的:何らかの課題を解決すること 手段:会議で話し合う |
【現実】目的:会議で話し合うこと 手段:会議で話し合う |
すると、課題解決に対して全く進展がなかったとしても、
会議をひらいたこと自体で、仕事をした気になってしまうということ。
(会議を開いたこと自体で目的が達成されてしまうため)
厳密には、「コミュニケーションをはかることができた」とか、
「現状を共有できた」とか、意味はあったのかもしれません。
でも、会議を開くことが目的になってしまうと、
意味の無い会議になっていくパターンが多いはずです。
□ □ □
本来ならば、「参加することに意義がある」のではなく、
「課題解決に近づけるという意義」のために参加するわけです。
こうして手段が目的になってしまうと、
視野が狭くなってきます。
それだけでなく、
その結果として、課題解決の実現可能性を低くすることにも
つながってしまいます。
□ □ □
でも、その逆を考えることは、とても良いことだと私は思います。
逆とは「目的を手段だと考えてみる」ということ。
そもそも「目的と手段を見間違う」ということには、
2つのことがあります。
(1)手段が目的になってしまう(例:冒頭に挙げた「会議のための会議」) (2)目的を手段だと考えてみる |
前述の通り、(1)は、ぜひとも避けたいものですが、
(2)は、思考実験としてとても役立つ行為だと思うのです。
□ □ □
例えば、「課題解決のために会議を開く」ということがあるとします。
【目的】課題を解決する 【手段】会議を開く |
この目的を手段だと考えてみるということ。
「会議を通じて課題を解決しようとしている」ことについて、
「課題を解決する」が手段だとしたら、その目的は何だろう?と
考えてみることですね。
【目的(より上位の目的) 】何でしょうか? 【手段(元は目的と考えていた)】課題を解決する 【その手段をブレイクダウンする】会議を開く |
□ □ □
例えば・・・、
「お客様を喜ばせる」ことを目的に、
課題解決をはかろうとしているのかもしれません。
あるいは・・・
「会社の売上を加速させる」ことを目的に、
課題解決をはかろうとしているのかもしれません。
背景にある、より上位の目的を突き詰めて考えていくという思考。
これには、意図的に思考実験を重ねる習慣が大事です。
こうして目的の裏にある真の目的を探ろうしていくと、
自然と視野を広げることにつながっていきます。
それだけでなく、
その結果として、実現可能性を高くもするはずです。
視野を広くすることの効用ですね。
目的と手段を入れ替えることで幸せを生むという習慣。
ぜひチャレンジしてみてください。
【このテーマ:次回につづく】
このコラムは、2007年6月13日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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2007年6月23日 渡邉 裕晃
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