会社を経営している中、大学生のみなさんを見ていて不思議に感じたことがいくつかあります。「行動力」もその一つ。ずばり、「行動力がない」。
「最近の若者はけしからん」ということが言いたいのではありません。ほんのちょっと行動力を発揮するだけで、ものすごく多くの可能性にめぐり会えるはずなのに・・・と、もったいないなと感じることが多いのです。
ちょっとだけ踏み出してみる。一歩踏み出す勇気、そして行動力。まさに「ひるまない心」からこそ、人生は変わっていくはず。今回はそんなテーマでお話をしてみたいと思います。
目次
チャレンジしないことは、ホントにもったいない
どんな時に「もったいないなぁ」と感じるか。
例えば、学生さんから「御社は来年は新卒を募集していますか」というメールが来たとします。私が「あいにく今回は正式募集はしていません」と伝えると、もうそれっきり返事が無いケースがほとんどです。
でも、そこでもし自分をPRすることができれば、門戸は開かれる可能性はいくらでもあります。もし本当に興味のある会社であれば、もっと突っ込んで尋ねるべきで、意外なチャンスが開くケースはゼロではありません。(逆に、うちの会社にそれほど興味がなかったのかもしれませんが)
例えば、「会社説明会を実施されないのであれば、ぜひいくつかお尋ねしたいことがあるので、御社の見学をさせて下さい」とか、いろいろアプローチする手段は考えつくと思います。もっともっと行動できるよ!って思うのです。
私自身、自社で新卒採用を実施して感じたことでもありました。みんな優秀そうなのですが、ほとんどの人たちの行動が、とても整然としているのです。もっとチャレンジしてみたらいいのに・・・と思います。もったいないなぁと。
果敢にアプローチ!! それが許されるのが「若さゆえの特権」
同じネット広告業界の古参の方と話していても、同じような話になったことがあります。いわく、「正式募集はしていなくても、でも会社を見せてくれ。アルバイトでも良いから入れてくれ!」という若者が減った、と言うのです。
思えば、ネットビジネスの勃興期には、そんな元気な若者がたくさんいたものです。私の会社の創業期にも、社員ゼロであるにもかかわらず、「募集していないとしても、一度、面談だけしてくれ!」という元気な若者が何人か来ました。
当時は長期に渡って給与を支給するだけの責任がもてなかったので、「ごめんなさい」ということになりましたが、そういう元気さは、とても大事だと思うのです。これは若さゆえの特権です。
「若さゆえの特権」は、ぜひとも行使すべき権利だ!!
若さゆえに許される一歩。これは「若さゆえに行使できる権利」と言っても良いでしょう。
何事も無い人生を過ごすので充分だというのであれば必要ありませんが、何事かを成し遂げたいと思うなら、ぜひ若いうちに行使すべきものだと思います。
また、学生さんを見ていると、「社長」というものを、とても上の存在として見る人が多いことに驚きました。でも、同じ人間なのです。それなりの準備があれば、会ってくれるのです。準備不足であったとしても、準備ゼロでなければ、若さゆえに許されることもあります。
「えいやっ」という一歩が、たくさんの学びをもたらす
私自身の経験をお話ししましょう。
むかし書店で、上場企業の創業社長が本を見ているのを発見し、突撃で声をかけたことがあります。私が学生の頃でした。意味も無く、「ぜひ訪問したいのですが・・・」と言ってみました。
今から思うと無謀ですね。もちろん「目的は?」と尋ねられました。ただ「いろいろなお話をうかがって、刺激やヒントをもらいたい」という気もちだけで一杯だったので、具体的な答えはできませんでした。
でも数日後「ぜひ今度、社長室に遊びにきてください」と連絡を受けました。詳細はこちら。
学生時代にめぐりあった、現在の師となる社長さん方も、もとは私が無謀にも突撃して「アルバイト何か無いですか?」と尋ねて知り会ったり紹介されたりしてめぐりあった方が多いです。その結果、たくさんの勉強ができました。
学生の身分でありながら、なぜお付き合いいただけたのか、最近になってから教えてもらったところ「ちょっと話していたら、同じ匂いがしたからだよ」とおっしゃってくれた方もいます。逆に言えば「何も無かった」のかもしれません(笑)。
でも、「えいやっ、という一歩」からのめぐりあいが、たくさんの学びをもたらしてくれたのです。
すぐにあきらめてしまっても良い? そんな人生で満足?
「正式な募集をしていないから応募を諦める」とか、「明確な指示が無いから何もしない」とか・・・。何かどこか変ではないでしょうか。というか、人生、あまりにももったいないのではないでしょうか。
一歩踏み出す勇気と行動力。これは、人生を変革させるためのキーワードだと思います。恥ずかしくても良いのです。まずは前へ進むこと。
以前、大阪の料理店でめぐりあった経営者の方から、初対面ながら教えていただいたことがあります。(これまた、はからずも、ある日本の大富豪と歴史を共にされた方なのですが)
「経営者は、どんなことがあっても、いつも必ず半歩でも良いから前に進むことが大事なんだよ」 |
これは「経営者」だけでなく、もし貪欲に未来を歩もうとするのであれば、「学生」であっても重要な行動指針ではないでしょうか。
恥をかきながらも行動することです。失敗したらとりかえせば良いわけですし、そういう意味でも、若い人ほど有利なのです。
アマンリゾーツ創業者、エイドリアン・ゼッカー夫妻にも突撃!!
私は先日、偶然にも、ある世界的に高名なリゾートホテルの創業者夫妻にお目にかかる機会がありました。世界に冠たるアマンリゾーツのCEO、エイドリアン・ゼッカーさんです。
多忙ゆえにいつも飛行機に乗っていることから、「雲の上に住む男」とも言われる方です。私が20代のうちにお会いすることはないだろうと思っていた、憧れの人物です。
何か具体的な用件があるわけではありませんでした。ゼッカー夫妻もバケーションで来たとのことだったので、邪魔をするわけにもいきません。でも「ここで会わなければ、二度と会うことはないはず!」と思いました。
ホテルの支配人に「会わせてくれ」とお願いし、特別にご紹介いただくことができました。わずかな時間ではありましたが、とても気さくなおじさまでありました。
【写真:ゼッカー夫妻と我々夫婦】
お返事がいただけないかもしれませんが、期待半分で、翌日、フロントマネージャーに、お礼の手紙も渡してもらいました。何も無いかもしれませんが、でも、これを機に何かがあると良いな、と言うよりも、何かを起こしたいという気持ちでわくわくしています。
どんどんチャレンジを!
恥ずかしくても良いから一歩前に進んでみる。
レールがなければ、自分で敷く。
レールがなければ、自分で歩く。
そして、ひるまない。
そんな気概の積み重ねが、きっといつの日か、知らぬ間に自分の財産になってくるように思うのです。だからこそ、どんどんチャレンジすべき! 私はそう思います。
■参考:このテーマに関連するブログ記事です。こちらも、どうぞ。
このコラムは、2004年8月に配信したメールマガジンを一部追記して転載したものです。
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【 時の運と人の縁を極める日々の記録 】 渡邉 裕晃
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