1999年に24歳で創業した「サムスル」も創業から5年がたち、今年から初めて新卒採用をスタートさせました。実は私自身、就職活動というものを経験したことがないので、会社にとっても、私にとっても、初めての新卒採用活動になります。
対象となるのは2005年4月入社の学生の皆様。社員5人未満のサムスルにとって、いったいどれくらいの学生さんが来るのだろうかと思っていたのですが、3月に実施した3回の説明会に、合計200人以上の学生さんが集まってしまいました。こんなにたくさんの方がいらっしゃるとは思いも寄らず、会場に急遽イスを追加して、ギュウギュウ詰めで行わざるを得ませんでした。
目次
新卒採用に踏みきった背景
まだ5人に満たない小さな会社が新卒採用に踏みきった背景には、いくつかあります。
会社を鍛えたい
もともと「会社を鍛える」という意味で、いつか新卒採用をやりたいと思っていました。また将来の拡大を目指して今のうちに若い力を養成しておきたいという思いがありました。
サムスルが会社として活性化しつつあるので、ここでさらに元気な風を吹き込みたいという気持ちもありました。
最低限の体力ができてきた
ただ新卒採用には金銭的にも時間的にもコストとエネルギーが要求されます。適当にやろうと思えば、安価に低労力で実行できるでしょうが、まがりなりにも、熱意をもって本格的にやろうとなると、相応の準備と努力を投入する必要があると思っています。まだ小さな会社ではありますが、ようやくそれだけの余力ができつつあると判断しました。
サムスルはまだまだ発展途上。既存のものを維持していく段階ではなく、まさに「創りあげていく」段階にあります。「優秀な人材こそが会社をつくりあげていく」という段階です。今後、会社の「採用力」をどんどん上げていくことによって、優秀な人材の集う魅力ある会社にしていきたいと思っています。
新卒採用をスタートして良かったこと
まだ採用活動は終わっていないのですが、途中段階である現段階でも、「新卒採用を実行して良かった!」と感じた点がいくつかあります。
経営意欲がさらに刺激される
まず、私自身の経営意欲がさらに促進されたということです。説明会から面談、ワーク等に至るまで、できるかぎり学生と接するようにしてきました。意識過剰と思われるかもしれませんが、社会で活躍してもらうための環境整備の責務をひしひしと感じました。
会社が小さいので雇用には限界があります。意欲あふれる学生を見つけるたびに、「もっと大きな会社になっていれば、もっとたくさん採用できるのに」とか「もっとこんな事業を展開していれば、この学生さんも採用できるのに」など、実に触発される思いでした。仲間になってほしいのに、会社の体力上、厳選に厳選を重ねなくてはいけないところは、忸怩たる思いもあります。
社内の意識が変わる
また、新卒採用に関する一連の行事を通じて、社内の意識が変わりつつあるという点も、メリットとして感じられたことです。
学生からの質問を受ける機会を意図的に増やし、あえて既存スタッフを総動員させる工夫をすることで、会社がどう見られているのか、どういう会社が望まれているのかをヒアリングできるようにしました。結果として、社内の人間の会社成長意欲は、実に増進されました。私が学生さんたちから受けた影響を超える程の良影響を与えたようです。
これから実際に入社してもらって仲間が増えた後、会社がさらにどう変わっていくのか。待ちうける苦労をよそに、今から楽しみで仕方ありません。
新卒採用のデメリットは?
一方で、新卒採用のデメリットに着目すると「教育コストが高い」「即戦力にならない」という点が指摘されることがあります。もちろん他にもいろいろあるでしょう。ただ、新卒採用のデメリットを勘案しても、「次回も新卒採用を実施するか?」と問われれば、間違いなく「続けたい」と答えたいと思います。会社の体力が続く限りは続けていきたいというのが私の考えです。
新卒に期待を寄せ過ぎなのかもしれませんが、私自身の経歴を見れば、ほとんど新卒状態の人間が起業して会社をスタートさせたようなものです。素質に加えて努力とやる気があれば、いくらでも短期成長できるはず! と信じています。
もちろん、会社を成長させることができたのは、私だけの努力だけではありません。お客様からのご支援や、社外協力者の方々からの手助け、中途採用で集まってくれた社員たちの功績も大きいです。
しかしながら、「就職経験の乏しい24歳」だった私ですら、この5年間、会社をつくりあげていくことができたのです。サムスルの再創造という意味でも、当時の私と同じような意識と意欲をもつ学生さんに加わってもらって、積極果敢にサムスルづくりに参加してもらいたいという願いで一杯です。
中小零細企業も新卒採用を検討してみよう!
もしまだ新卒採用を実施した経験がない会社さんがあれば、ぜひ一度、チャレンジしてみることをおすすめしたいと思っています。
私自身、意欲あふれる若者の雇用拡大に努めたい!との思いが日増しに強くなっています。良い巡り合せにとどまらず、会社としても、個人としても得られるものは少なくないはずです。