今月、たてつづけに二つの結婚式に出席しました。今迄なぜか結婚式に出席する機会がほとんどなかったので、礼服をつくったり、ご祝儀などのしきたりを勉強したりしました。もちろん披露宴なども初めてです。
一つは年輩の経営者の方の結婚式。そしてもう一つは、仕事上でもプライベートでも、いろいろと教えていただいている先輩にあたる方の結婚式でした。
このイベントは、主催者がイコールおもてなしをする側でもあるという点で、とても面白いと思いました。
出席者や協力者を拝見していると、その人の「人となり」を垣間見ることができます。年輩経営者の方の結婚式では、テレビでおなじみの評論家やタレント作家、著名な料理人などもいらっしゃいました。上場会社のオーナーや経営者なども出席されていました。
海外の元大統領などもいらして、テロを制圧し、バスに乗って旗をふって民衆から喜びで迎えられたような方が、いま自分のすぐ目の前にいるということが、とても不思議に思えました。世界規模で長きに渡って活躍している経営者だけのことはあるなぁと感じました。
一方、先輩にあたる方の結婚式では、親族の方の喜びの表情だけでなく身近なご友人の方々が心からお祝いをされているところが印象的でした。
上場会社の社長さんや、いかにも頑固一辺倒という感じの料理人の方などが、心温まるような味のあるスピーチをされているのも拝見しました。
本当に人づくりがうまく、しかも良縁に恵まれた、とても人徳のある方なんだなぁと改めて思いました。
非常に素晴らしいパーティーで、私も楽しいときを過ごすことができました。
そこで思ったのは、もし今の自分が同じようなイベントを主催することになったとしたら、どんな内容になるだろうか、ということでした。
二つのことを思いました。
一つは、当事者は祝福される側ではありますが、出席していただく方々をおもてなしするという性格ももっているわけです。そこで、はたして心から楽しんでいただけるようなおもてなしができるかどうか。「もてなす」ということの意味と難しさを感じました。はたして自分に相応のことができるかどうか。自分にそれだけの準備はできているのかどうかということです。
もう一つは、心から祝福されるだけのことを、自分は今迄、充分にしてきたと言えるかどうかということ。一般の結婚式では、かたちだけで出席するような方もいらっしゃるようなので、心の底から祝福してくれるような方は、限定されていると思うのです。心の通い合うような知り合いをつくれているのかどうか、ということです。
そう考えてみると、自分にはまだまだ足りないところがたくさんあると思いました。結婚というものが、ある意味で新たな門出であるということの意味を、感じることができました。
心から祝福し、心から祝福されるということは、日ごろの徳の積み方などもかかわっているのだと思います。そういう意味でも、自分の今の生き方は、はたしてバランスのとれたものだと言えるかどうか、相応の役割を果たしていると言えるかどうか、改めて考えてみたいと思いました。