仕事で長くおつきあいさせていただいている先輩と、
ランチをご一緒する機会がありました。
まさに「営業大好き」「営業なら任せてくれ」という方で、
今までにも、いろいろなことを教えていただいた恩人です。
そんな方から、意外な一言をうかがいました。
「実はさ、新人一年目の時は、全然営業成績がダメでさ・・・」
彼を知る人であれば、誰もが「営業の●●さん」と言う。
それほどまでに、営業の才能の高い人物です。
「実はさ、新人一年目の時は、全然営業成績がダメでさ・・・」
「えっ、そうだったんですか?」
びっくりした私は、どうやって克服したのかを聞いてみました。
「新卒入社して5月くらいから営業を実践スタートしたんだけど、
もう全然結果が出ない・・・。
なんとかしなきゃと焦っても、成績はまったくあがらない。
夏が過ぎた頃は、もう本当にまずいと思ったね」
□ □ □
「それで、営業能力を上げるためのセミナーを片っ端から探したんだ。
値段は高かったけど、給与をはたいて行くことにした。
営業数字を上げないとまずいと思って、他に選択肢は無かったんだ」
「でも、同期の方で、そこまでする人はいなかったのではないですか?」
「そう言われてみれば、そうかもしれない・・・。
自分で言うのも変だけど、責任意識が強かったんだよね。
会社に迷惑はかけられないと思ったんだ」
そこで彼は、週2回、仕事が終わってから通ったのだそうです。
□ □ □
「結果は出ましたか?」
「すぐに結果が出るということは無かった。
でも、楽になったね、仕事が。
無駄な焦りもなくなって、自分なりに仕事に打ち込むことが
できるようになった。結果として、すぐにではないものの、
営業が得意だと言える状態にまでなった。
僕にとって転機をつくってくれた経験だった」
□ □ □
私は「仕事のできる人」が好きで、
そういう方にお会いすると、その背景を尋ねることがよくあります。
経験上、ほとんどの人は、本当に熱心に行動されています。
ある方いわく、
配属が変わり、知らない分野に取り組むことになった。
誰も教えてくれない。
まずは、基本的な書籍を10冊まとめ買いして大急ぎで読んだ。
なんとなく理解できるようになって、
部署内での仕事の話がわかるようになった。
この程度は序の口でしょう。
「基礎を5冊か10冊くらい読むと概要が見えてくる」というのは、
仕事のできる方からよく聞く話です。
また別の方いわく、
部署移動で、フレンチで給仕をすることになった。
「フレンチなんて、マナーも知識もまったく無いよ!」と思った。
とにかく自腹を切って、
あちらこちらのフレンチに行って食べまくった。
店員に質問して、雰囲気に慣れて、たくさん覚えた。
給与のほとんど全てがフレンチで消えた。
でもこれが僕の基礎をつくる契機になった。
こんなのは、いくらでも聞ける話です。
□ □ □
仕事のできる人は、たとえそれが天賦の才能のように思えても、
その経緯を聞いてみると、
大変な努力を平気でこなしているものです。
常人にとって大変なことを、大変なことと感じない。
それくらいの努力を、たんたんとこなしている人が
とても多くいます。
本当に仕事で成長しようと思うなら、
「お金が無いから学べないんです・・・」
「なかなか本を読む時間がなくて・・・」
そんなことは、絶対に口にしないことです。
学習意欲の無さを自らアピールするようなもの。
支援してくれる人を減らす効果しかありません。
□ □ □
何かを究めたいと思ったら、
その分野で一流とされる人に触れてみることだと私は思います。
一流の人は、それなりの背景があって、はじめて
一流の域に到達しているものです。
楽にのしあがったかに思う人がいるとしたら、
裏にある努力を感じさせない人か、
あるいは、一時的にのしあがっているだけです。
□ □ □
徹底してやってみること。
短期的に結果が出せるとは限りません。
でも、徹底した学びが、人を磨くことは事実です。
副産物を含めれば、時間をかけてでも、
結果として、その人に成長をもたらします。
まずは、身の回りにいる「すごい人」をつかまえてみましょう。
どんな努力をしてきたのか、率直に聞いてみましょう。
新しい発見がきっとあるはずです。
このコラムは、2007年7月28日に配信したメールマガジンを転載したものです。
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2007年8月24日 渡邉 裕晃
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