「受けた恩を返しましょう」
これは当たり前のようにして、よく言われる言葉です。「そんなこと、普通にやってるよ!」という声も出てきそうです。
でも、「時の運と人の縁」を引き寄せるためには、さらにもう一歩を実行しておきたいものです。それは何か。ずばり「受けた恩を回す」ということです。今回は「受けた恩を回しましょう」という話をまとめてみたいと思います。
目次
「恩を受けしは、石に刻むべし」との仏教の言葉
仏教の言葉に「受恩刻石」というものがあります。「恩を受けしは、石に刻むべし」と読みます。「受けた恩は石に刻め」ということ。つまり、それくらい大事に記憶せよということです。
逆に言えば、人はつい「受けた恩」を忘れてしまう動物だということなのでしょう。恩を受けるというのは、それだけでも貴重なこと。だからこそ、しっかりと恩返しをしたいものです。
しかし、恩返しをするだけでなく、さらに「恩を回す」ということまで実行すると、さらに世界は広がっていくはずです。
「恩返し」として送られてきたお礼のメッセージ
先日、ある方から、素晴らしい贈り物が届きました。
会社に届いたのは本の贈り物。出版社さんから毎月のように献本をいただくので、「また献本かな?」と思いながら、封を開いてみると、そこには、手書きの長文の手紙が添えられていました。
【写真:嬉しいメッセージとプレゼント】
「おぉ、あの人か!」と、懐かしく感じて、つい読み込んでしまいました。
(引用にあたり、ご本人の許可をいただきました)
「さて今日は勝手なのですが、 1冊、渡邉さまへ本を遅らせて頂きます。 サムスル10周年を迎えられ、益々ビジネスが加速している 貴社の経営をなさっている社長に、是非一読いただけると嬉しいです」 |
冒頭に書いた「恩を返す」という点からすれば、ここまでは、意識すれば誰もができること。恩返しをする、御礼をする・・・。これはとても大事なことですね。
いただいた手紙には、こうありました。
「渡邉さまから教えていただき、私は新卒時代から気づきがあれば、 すぐブログに記録を残し、 アウトプットする習慣をつけるようにしています。 アウトプットすることで、自分の考えを客観視できるだけでなく、 過去のブログを見ながら 「常に今の自分は過去より成長していたい」という モチベーションにもなっており、 ブログ継続のヒントをくださった渡邉さまに 大変感謝しております。ありがとうございます!!」 |
これは素直に嬉しいもの。何気ないアドバイスを大事に受け止めてくれて、しかも「行動」や「実行」のレベルで習慣化させ、そこから恩恵を受けているということ。これは、そうそう多くの方ができることではありません。
□ □ □
実際、周りを見回しても、
「10人にアドバイスしても、2〜3人が実行してくれれば良い方だよ」
などと言う方は、少なくないですね。
だからこそ、素直に教えを実行し、それを相手に伝えるだけでも、大きな差別化ができてしまう。
これを私は「成長の途中報告というマジック」と呼んでいるのですが、それは、また今度お伝えするとして・・・。
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彼女が今回やったことで素晴らしいと感じたのは、「恩を返す」ことに加えて、「恩を回す」ことを実行していたことです。
引き続き手紙を引用します。
「この本は、私の新卒時代からの恩師の処女作で、 お世話になった恩師の思いを、より多くの方へ伝えることが、 私が恩師へできる恩返しだと思っています。 私がお世話になった方へ、この本をプレゼントすることで、 渡邉さまにとっても、恩師にとっても、プラスになれば幸いです」 |
直接的に返すだけだく、相乗効果を求めて回すこと。
これが「恩を回す」ということです。これは誰でもできることです。
恩を返すだけでなく、恩を回して順送りする!
「恩を返す」という意味と、「恩を送る」という意味を、あらためて整理してみましょう。
■「恩を返す」 例えば誰かからご馳走になったとして、そのお礼に、次回ご馳走する。 |
これは普通のことです。
■「恩を回す」 例えば上司からご馳走になったとして、次回は、そのお礼の意味を込めて、後輩を食事に連れて行く。上司から得たことを参考に、後輩を刺激してあげる。 |
例えばそういうことです。
後者の場合、ご馳走した上司の側は、恩が返ってきていないと思うかもしれません。でも、それを参考にして後輩を刺激してあげたことがわかれば、それを喜ばない上司がいるでしょうか? ということです。
「恩を返す」には一抹の義務感が伴うかもしれません。でも、「恩を回す」となると、急にクリエイティブな行為に思えてきませんか?そしてその部下が、あなたの行為を参考にして、さらに次の方へと恩が回っていったとしたら・・・。
回りまわって、再びあなたのもとに何かが返ってくる。
そういうきっかけになる。
「恩を回す」は、「時の運と人の縁」を引き寄せるための一つの方策です。
恩を回そう!受けた恩は石に刻み、恩返しと恩回しの習慣を!
さて、今年も12月に入り、残すところあとわずかになりました。この1年を振り返り、どんな恩を受けてきたか、ぜひ振り返ってみましょう。
人は一人では生きられません。
気づかぬうちに、おそろしいくらいの恩恵を受けているはず!
恩を返す、恩を回す。
年末までに残された時間を使って、ぜひやってみましょう。きっと来年、「時の運と人の縁」として返ってくるはずです。
■おわりに:
恩を回す。
実はこれ、昔から書きたいネタでした。
ちょうど良いタイミングで素敵な機会に恵まれて、今回まとめることができました。こうして書くことで皆さんにお伝えするのも、素敵なプレゼントをいただいた恩を回す行為なんですよね。
皆様にとって、何かしらのヒントになれば幸いです。
このコラムは、2009年12月2日に配信したメールマガジンを加筆・転載したものです。
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2009年12月5日 渡邉 裕晃
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